財部誠一 HARVEYROAD JAPAN オフィシャルサイト
12月30日(水)

【2015年を振り返って】

2015年は「テロと狂気」の時代への幕開けとなりました。
フランスやアフリカ各地で起こったテロに激しい憎悪を抱きますが、 欧州各地で反イスラム、難民受入れ拒絶を旗頭に極右が勢いづいていることには畏怖を感じます。

米国大統領選で共和党のトランプ候補が「イスラム教徒の入国禁止」を叫び、
支持率をさらに伸ばし、首位を独走する現実は“狂気”以外のなにものでもありません。

世界経済も先行き不透明です。

頼みの米国経済はどうなるのか。
中国経済の崩壊はあるのか。
そして日本経済はどうなるのか?

悩ましい問題、課題が山積のまま、2015年が終わろうとしています。

しかしどんな時代でも技術革新が止むことはなく、ビジネスのモデルチェンジはエンドレスに続いていきます。
「勝てば官軍」ではなく「変われば官軍」なのです。

今年は脳梗塞発症で仕事の関係者にはご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
また皆様から頂戴した温かいご支援に心から感謝いたします。

良い年末年始をお迎えください。

12月23日(水)

【東芝浮上へのいばらの道】

12月21日、東芝が大規模なリストラ策を発表した。
今年度末までに、国内外合わせて1万人を削減するという。
7年間で2248億円の不正な水増し会計で隠そうとした、実態悪が曝(さら)けた格好だ。
歴代三社長の不正会計のツケを現場が払わされる、なんとも理不尽な経営判断であるかのように見える。
だが遅かれ早かれ、厳しい人員削減を含むドラスチックな事業構造の転換は、
日立やパナソニックがそうであったように、東芝も不可避だ。

証券取引等監視委員会は、3人の社長経験者の刑事告発も検討しており、
多くのステークホルダーを欺き続けた罪深さ、その影響の甚大さ考えれば当然である。
しかし不正会計問題の責任追及だけでは東芝の沈没は避けられない。

本当の問題はリストラの先が五里霧中なことだ。
だがそれは危機を脱した日立やパナソニックも初めから再生のストーリーが出来上がっていたわけではない。
構造改革は走りながら考えるほかないというのが現実だ。
リストラも1度や2度ではすむまい。社内外の批判に耐えて、目に見えた成果が出るまでやり切らなければ、構造改革はやる意味がない。
いったん着手した以上、中途半端には終われないのだ。

日立はグループ会社に転出していた川村隆氏を本隊の最高責任者として呼び戻し、
パナソニックは自動車ビジネスの責任者にすぎなかった津賀一宏氏を社長にして、従来の流れを完全に断ち切った。

東芝の室町正志社長の力が問われている。不正会計が行われた時代に、最高幹部の一人として経営参加してきた。
不正会計には列座していなかったとしても、東芝の経営には深くかかわってきた人物である。
日立、パナソニックとはこの点が決定的に違う。

東芝の再生は一に室町社長の力量にかかっている。

              
12月10日(木)

【今きちんとした軽減税率の仕組を】

消費税の軽減税率を巡る与党の議論がついに決着しました。
酒類、外食を除く「生鮮食品」と「加工食品」の税率を8%のまま据え置くというものです。

ところがまこと評判が悪い。

1兆円にのぼる財源の議論が先送りされたまま、政局に走ったというわけです。
たしかに来年の参院選を強く意識した、官邸リードの政治決着でした。

なかには軽減税率が8%(2%の軽減)では「痛税感」が和らがないから意味なし、という意見もあります。
しかし消費税は10%で打ち止めではありません。長い目でみれば、いずれ消費税20%時代もくるでしょう。
そのためにも、今きちんとした軽減税率の仕組を作っておく意義は小さくありません。

財務省の論理に乗せられて、「出来ない理由」ばかり並べ立てたてるのではなく、
軽減税率の仕組をいましっかりと確立する意義を考えて欲しいものです。

              
11月19日(木)

【目指すべきは観光大国】

来日観光客数の推移です。

 2012年   830万人
 2013年  1030万人
 2014年  1340万人
 2015年  1631万人(1月〜10月)

2015年は通年で1800万人を超えることが確実になってきました。
政府は日本を訪れる外国人観光客数の目標を2020年に年間2000万人としていましたが、
予想以上の日本人気を見て、目標を3000万人に引き上げました。
大丈夫か?と思って見ていましたが、この調子なら目標達成もまったく夢ではなさそうです。

そのせいか、最近はやたらと「観光立国」という言葉を耳にしますが、何度聞いても違和感を覚えます。
観光業を成長エンジンのひとつとして育てようということであって、
日本を観光中心に国として発展させていこうという事ではないはずです。

目指すべきは「観光立国」ではなく「観光大国」とすべきでしょう。

世界観光ランキング(2014年)を見ると、1位フランス(8370万人)、2位アメリカ(7475万人)、3位スペイン(6499万人)、4位中国(5562万人)、 5位イタリア(4857万人)と続き、年間3000万人台、2000万人台の国が並び、日本は22位でした。

目指すべき「観光大国」への道は長いですね。

11月09日(月)

【杭打ちスキャンダルは旭化成建材だけではない!? 建設業界にはびこる危険な慣習】

杭の先端を固い地層である“支持層”に打ち込むことで、地上の構造物は支えられている、と誰もが考える。
だから旭化成建材の杭打ちスキャンダルは、瞬く間に、日本全国へ不安を拡散した。

今回の杭打ちスキャンダルは取材すればするほど、その根の深さに震撼する。

杭打ちのデータ流用は、本質的な問題ではない。
世の中には倫理上、大いに問題のあることでも、実態は誰もが当たり前にやっているという現実にしばしばでくわす。
杭打ちのデータ流用は典型的だ。

建設業界では日常的にデータ流用が行われている。建物の安全性とデータ流用の有無とはまったく次元が違う。
ヒステリックにデータ流用ばかり騒ぎ立てることで、事の本質を見失ってしまう愚を犯してはならない。

日経BPnetにも原稿アップしました。
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10月13日(火)

【ラグビーW杯、エディー・ジャパンの快進撃を支えた大切なもの】

ラグビーW杯イングランド大会。日本は米国を28−18でくだし、予選リーグを3勝1敗とした。
勝ち点の差で惜しくもベスト8入りは逃したが、真摯で規律正しい日本のラグビーは、世界のラグビーファンに鮮烈な印象を残した。

基本的にラグビーは番狂わせがないスポーツだ。実力通りの試合結果に終わる。

「世界のトップチームに、それもランキング5位以内のチームに、ランキングが二桁台のチームが勝つというのは普通に考えればありえない」

日本選手権7連覇を達成した神戸製鋼の花形選手であり、いまは同社の広報部で活躍する藪木宏之氏は、
W杯初戦で日本が南アフリカ戦に勝利した事実に感激しつつも、同時に沸き上がる、地に足が着かぬような感覚に襲われたという。
世の中には倫理上、大いに問題のあることでも、実態は誰もが当たり前にやっているという現実にしばしばでくわす。

「南ア戦が終わった瞬間、喜びとか驚きというよりも『こんなことは普通ない』、『これは夢なのかな』という思いでしたね。
あの南アに勝った!最初で最後かもわかりません。ええ。それほど凄いことをやってのけたんですよ」

日経BPnetにも原稿アップしました。
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09月17日(木)

【軽減税率にマイナンバー組み合わせた財務省案「深謀遠慮」の愚】

財務省の負担軽減策が悪評紛々だ。

17年4月、消費税が10%に引き上げられる際に、食料品などの生活必需品に軽減税率が導入されるはずだった。
自民党と連立を組む公明党にいたっては軽減税率を党の公約にまでしている。

ところが財務省が明らかにした負担軽減策は軽減税率とは似ても似つかない税還付方式だった。
アルコールを除くすべての食品を対象に2%の増税分を還付するというものだが、
財務省案は還付の年間4000円までに制限している上に、
買い物をする際には来年1月から交付が始まるマイナンバーカードの提示を求めるなど、まったく非現実的である。

現在でも低所得者は年間6000円の補助金が支給されているが、
財務省案に従えば負担軽減は年間4000円が上限となりかえって苦しくなる。
また財務省案では17年4月の消費増税までに国民全員にマイナンバーカードが届けられていることが大前提となるが、物理的に間に合わない。
一説には「一年間で配れるマイナンバーカードは4000万枚」とも言われているし、
想定外の事態の発生によりカード配布がさらに遅くなることも十分にありえる。

当然の帰結として公明党からは財務省案への反対意見が噴出した。
また自民党内でも不評を買い軽減税率を与党内で再検討することになった。

日経BPnetにも原稿アップしました。
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06月21日(木)

【退院しました!】

6月7日、初台リハビリテーション病院を退院したものの、なんと翌日から外来リハビ リがスタート。大変です。

2月10日の夜、体調不良で緊急搬送。一過性脳虚血発作という診断で入院。
初動がよかったと安心していたら、2月12日、病院内で脳梗塞を発症。細い血管が徐々に詰まっていくタチの悪い梗塞でした。
1週間、目が覚ますたびに、手足の麻痺が進み、言葉が不自由になっていく。どこまで悪くなるのか? 俺はどうなってしまうのか? 眠れぬ夜が続きました。
右半身麻痺で底打ち。
不安で折れそうになった心を、リハビリへの闘争心に変えて、初台リハビリテーション病院に転院したのが3月3日。

3か月間、自主トレも含め、考え抜いて、身体が壊れない限界まで、リハビリに取り組みました。まだまだ完全復活には時間が必要ですが、ひと山越えました。
励ましの言葉の数々、本当に助けられました。 感謝!

財部誠一

04月02日(木)

【AIIB不参加、情けない日本】

今、AIIB(アジアインフラ投資銀行)をめぐってアメリカが批判されています。

中国が中心となってアジアのインフラ投資をするための国際機関としてAIIBは設立をされます。
当初米国の意向にしたがって参加に消極的だった英国、フランス、ドイツ、オーストラリア等々先進各国が、3月末日の期限を目前にぞくぞくと参加を表明をしました。
これによって米中対立の構図が浮き彫りになり、結果的にAIIB設立というアジアの小さな問題が国際的な話題に格上げしてしまいました。
国際的なルールにのっとってAIIBを運用するためには、先進各国が加盟したほうが良いに決まっています。
先進各国が参加して中国の暴走を許さないほうが絶対的な意味があります。

ニューズウィークはアメリカのこうした対応を厳しく批判しています。
しかし本当に情けないのは、アメリカに盲従して不参加を表明している日本です。
アジアのインフラビジネスは日本にとっても重要なビジネスチャンス。
AIIBの中に入って、他の先進国と足並みを揃えて内側から中国をコントロールするという選択もあったはずです。

21世紀にふさわしい、もっと多様な対中戦略が必要なのではないでしょうか。

01月07日(水)

【世界経済の命運握る原油価格はどこまで下がるか?】

原油価格の下落が止まらない。

ほんの数年前、新興国の爆発的な人口増加によって、資源や食料が世界的に深刻な供給不足に陥り、価格が急騰すると警鐘を鳴らしたアナリストもいた。
たしかに、ニューヨーク原油価格(WTI=ウエスト・テキサス・インターミディエートの指標)は昨年6月1バレル107ドルと歴史的な高値をつけたが、その後は一転、暴落。
11月に石油輸出国機構(OPEC)が減産見送りを決めるや下げ足がさらに速まり、12月11日には60ドルを下回った。

そして迎えた新年1月5日、原油価格は遂に50ドルを割り込んだ。
この日、ニューヨーク株式市場も331ドル安となり、「原油安につられて株式市場も暴落」と解説した欧米メディアもあった。

そうなると日本では俄然、原油安が世界経済にとってとんでもない悪材料であるかのような流言が飛び交う。

日経BPnetにも原稿アップしました。
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