TAKARABE JOURNAL本質を捉える視点

感動のパリ五輪陸上男子100m

緊張で心臓が破裂するのではないかと思うような場面が人生には幾度もある。過去を振り返った時、ダントツのシチュエーションは中学時代の陸上100mのレース直前である。たかが中学生の競技経験だが、それを超える緊張感を味わったことはない。11秒5で東京代表となり、国立競技場で開催された全国大会にも出場した。100mは一瞬の出遅れがレース全体に決定的な影響を及ぼす。誰かの姿がほんの僅かでも視界に入った瞬間、り…

感動のパリ五輪陸上男子100m

米国国歌に通じる奇跡の一枚

狙撃直後、顔から血を流しながら拳を突き上げたトランプ前大統領とその背後に映りこんだ星条旗の写真は神がかっていた。 米国の国歌『星条旗』を彷彿とさせるからだ。1814年の米英戦争でマクヘンリー砦は英国の猛攻撃に耐えながら星条旗を掲げ続けたという歌詞に通じる。 米国人の4人にひとりはキリスト教福音派である。奇跡的に右耳の怪我だけですんだ前大統領を神によって生かされたと考える人々である。大統領選の行方は…

米国国歌に通じる奇跡の一枚

渋沢栄一の思想と30年周期説

今回の経営者の輪はシブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役渋澤健氏にお話をお聞きしました。渋澤健氏は渋沢栄一の玄孫にあたり、幼少期から渋沢栄一が残した言葉に触れ、これまで研究を進める中で、渋沢栄一の思想は今の時代だからこそ通じるものがあると言います。 折しも2024年7月3日新紙幣が発行、一万円札には渋沢栄一が採用され、まさに時代が渋沢栄一とシンクロしています。 渋澤健氏は幼少期からアメリカ…

渋沢栄一の思想と30年周期説

川内村、復興の裏に“天山”あり

はかり知れぬおおらかな人柄にはまった。川内村の井手茂商工会長だ。 2011年の福島第一原発事故で全村民が避難したが、川内村は双葉郡のなかでは最も早く避難指示が解除されたこともあるが、復興がずば抜けて進んでいる。 震災前3,000人いた村民数が現在2,000人超。東電と国に憎悪を抱くのは当然だが、井手さんは違っていた。商工会も壊滅的な打撃を被ったが、早々に、憎しみの沼から這いあがり、仲間に向かってこ…

川内村、復興の裏に“天山”あり

双葉町、ゴーストタウン12年からの復興

2月に続き福島の被災地を訪ねてきた。福島第一原発やその周辺に広がる中間貯蔵施設など、やはり自分の目で見ないと本当のところはわからない。 訪ねるほどに「復興」とは何なのかを考えさせられる。原発事故後、最も避難解除が遅かった双葉町。伊澤町長の話には胸をうたれた。川内村や楢葉町は、人口が震災前の6割以上に戻り、まだまだ復興途上とは言え、人の営みが垣間見られる。しかし2年前にようやく避難解除が始まった双葉…

双葉町、ゴーストタウン12年からの復興

“水素”の虜に

東京港区湾岸にある川崎重工の東京本社。1階に新たに登場した展示スペースは近未来的だ。KAWASAKIといえばバイクが有名だが、川崎重工は日本の防衛産業の一角をになってもいる。その技術がカーボンニュートラルにものをいってきた。長年培ってきた潜水艦内のCO2除去技術が、Direct Air Capture(大気から直接CO2を分離、回収する技術)に結びついている。 じつは今、川重は“水素”を柱にエネル…

“水素”の虜に

「超熟」異物混入の何故

気になって大手スーパーに立ち寄ってみると、案の定、食パンの棚には「超熟」が大量に売れ残っていた。それはそうだろう。ネズミの一部が混入していたのだから。誰でも敬遠したくなる。しかし長年取材をしてきた私は、パスコほど真面目に、透明性高く生産をしている企業を知らない。そんなパスコがなぜこんな事態を招いてしまったのか? 再発防止の調査の過程まで含めて情報公開してほしいものだ。ちなみに私は「超熟」を買ってき…

「超熟」異物混入の何故

大谷翔平 脳の選択的集中

●通訳者の矜持 私が好きな新聞コラムは日経夕刊の『明日への話題』です。専門家の立場で時事ネタを話題にすると問題がくっきりと浮かびあがるからです。 「大谷翔平選手の専属通訳者についての報道に、通訳者の立ち位置の難しさを思う。プロ通訳者の基本は、中立な立場で異言語間の訳出に徹すること。いくら頼まれても他の業務は兼ねないし、通訳者が『私』と言ったら自分自身ではなく発言者を指すくらい、自分を封印する。専属…

大谷翔平 脳の選択的集中

愚公山を移す

3月7日に三井住友フィナンシャルグループ (SMBCグループ)の前社長、太田純さんの「お別 れの会」に行ってきました。ホテルオークラ平安 の間で開かれた「お別れの会」には3,300人が出 席したそうです。社長就任からわずか4年、昨年 11月に65歳の若さで亡くなりました。 膵臓癌。 発覚からわずか6か月での逝去でした。痛恨の 極みです。職業柄、私は数限りなく経営者を見て きましたがメガバンクのトッ…

愚公山を移す

大谷グローブはたった一人の女子野球部員のご褒美になった

名古屋に住んでいる親戚の女の子から電話があった。大谷グローブが学校に届いたという報せだった。彼女は小学校4年生で、学校の野球部ただ一人の女子部員。 校長先生から大谷グローブが明日届くと告げられ、狂喜乱舞していたら、よりによって彼女のクラスがインフルエンザで学級閉鎖になってしまった。2日間待たされた分だけ嬉しさが倍増したようだ。 「私のグローブより全然軽くて驚いた」そうだ。 野球部では男子から「女だ…

大谷グローブはたった一人の女子野球部員のご褒美になった

帝国ホテル 定保英弥の深謀遠慮

帝国ホテルは2040年に創業150周年を迎える。そこに向けて2036年には本館、2032年にはタワー館が建替え、新開業の予定だ。2026年には念願の京都に進出する。 だが足元は厳しいと帝国ホテルの定保社長は言う。コロナ禍が終わっても宴会需要は戻りきっていないし、コロナ禍で流出した人材ももどらず、新たにホテル業界を目指そうという若者も少ない。一般的な人手不足問題とは深刻さが違う。 そこをどう乗り超え…

帝国ホテル 定保英弥の深謀遠慮

2024年 日本経済は悪くない

🔴newsは上書き 例年のことですが、昨年も12月になると2024年の予測記事のオンパレードになりました。しかし私はこの手の記事を参考程度に目を通しますが、自分自身で予測記事を書くことは絶対にしません。理由は明快です。年末年始の休みを挟んで年が改まると、世の中の雰囲気がガラリと変わることがしばしばあるからです。 いったい誰が2024年の元旦に、能登半島が大地震で壊滅的被害に見舞われ…

2024年 日本経済は悪くない

安倍派裏金工作は誰が始めたのか?

一部の報道では、今年5月の派閥パーティ前に、「キックバック中止」を高木事務総長(元国体委員長)が伝えていたという。 私の取材では、2019年に安倍元総理が退任後、会長として清和会に戻った時点で、キックバックの件を知り、即座に止めるよう伝えたという話がある。 今回の高木発言は、じゃっかんの時差はあるものの、整合する。 そもそもこの悪辣な裏金作りを始めたのは誰なのか? M元総理しか思い当たらない。 「…

安倍派裏金工作は誰が始めたのか?

3回に1回は本気、これが三島由紀夫の連載のコツ

三島由紀夫が週刊誌の連載を続ける秘訣を書いていた。 「本気で書くのは3回に1回で良い」というのである。3回に2回では身が持たない。さりとて4回に1回では読者に見捨てられる。3回に1回が長く続けていくコツだと三島由紀夫が考えていた。 それを私は密かに実践し、連載を始めて27年になる。媒体は週刊誌ではなく、私が発行している週刊のプライベートレポートだが、とにもかくにも続けてきた。読者の中にはFAX会員…

3回に1回は本気、これが三島由紀夫の連載のコツ

ENEOS 2年続けてトップがセクハラ辞任

「青天の霹靂」とはENEOSの社員たちの為にある言葉だ。昨年8月に会長の杉森務氏が酒席で女性に触るなどセクハラ行為で辞任。その会長に即座の辞任を迫り、即辞任をさせたのが斉藤猛社長だった。 当然のことながら斉藤氏は社内に向かって綱紀粛正、コンプライアンス遵守を叫んできた。ところがその斉藤氏自身が酒席で女性に抱きつくセクハラ行為で解任されたのだ。前代未聞とはまさにこのこと。 容易に想像されるのは今後E…

ENEOS 2年続けてトップがセクハラ辞任

帝国ホテルの未来予想図

帝国ホテル本館を手がけた米国の建築家フランク・ロイド・ライトは、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれている。 定保社長と対談したこの部屋は、そのライトが設計や意匠を手がけたスイートルーム。帝国ホテル最高のスイートで1泊200万円を超える。米国ではいまだにライト人気が衰えず、この部屋指定の予約が入るという。 なんとも贅沢な空間での対談となったが、じつは風…

帝国ホテルの未来予想図

フレイター(貨物機)を飛ばすクロネコヤマト

2024年問題に対するヤマトHDの答えのひとつがこの写真だ。エアバスA380を3機保有して新千歳、成田、羽田、北九州、那覇に貨物機(フレイター)を飛ばす。運航はJALが担う。 トラックの長距離輸送を大幅に減らす決定打になることをヤマトHDの長尾社長は期待している。だがフレイタービジネスは簡単ではない。最低でも5機は飛ばさないとペイしないと言われるなか、中古の機体にするなど様々な工夫を凝らしながら、…

フレイター(貨物機)を飛ばすクロネコヤマト

AIを超えた美味い弁当配送システム

東京大田区にある仕出し弁当の「玉子屋」は究極の高効率で1日4万食のランチ弁当を配達する。 朝9時30分まで注文OK。12時までに4万食を作って配達して、ロス率が0.01%未満というのだからにわかには信じがたい。さぞやDX化が進んでいるのか思いきや、そうではなかった。配送員たちの知恵と機転が生み出した複雑系のシステムがベースになっている。 最大のポイントはおよそ30台の“調整車”だ。注文数が確定する…

AIを超えた美味い弁当配送システム

日本生命が「セールスレディ」にこだわるワケ

万が一の人生の有事に備えて備えて加入するのが生命保険だが、万が一とはどんなシチュエーションなのかは人それぞれ違う。生命保険など不要だと考える人もいる。必要性を感じても手続きは全てネットですませたい人もいる。 こうした多様な時代になっても日本生命はセールスレディにこだわる。 昭和なら生命保険といえば「日生のおばちゃん」に代表されるセールスレディだった。昭和のシングルマザーが子育てをしながら稼げる数少…

日本生命が「セールスレディ」にこだわるワケ

マスメディアはジャニー喜多川の共同正犯

ジャニーズ関連報道には違和感しかない。解体的出直しを迫られながら社名すら変更しなかったジャニーズ事務所の愚かさは語るに落ちるが、ジャニー喜多川の犯罪を一切報道してこなかったテレビ局の罪深さは、キャスターふぜいが反省の弁を述べて事足りるものではない。 性加害は「噂」ではなく最高裁で有罪判決まで出ている「事実」だ。さらに被害者の暴露本も複数出版され、文春は性加害キャンペーンを繰り返し行なってきた。それ…

マスメディアはジャニー喜多川の共同正犯

鄧小平、江沢民、胡錦濤に対する習近平の悪態

習近平が苛立っているようだ。中国共産党の最高幹部と、その経験者である長老たち話し合う北戴河会議がきっかけだ。毎年8月に北京市近くの避暑地である北戴河(ほくたいが)で行われることから、そう呼ばれている。深刻な中国経済の現状を長老たちに批判されたことがきっかけだという。 「不景気は鄧·江·胡三代の失敗だ」 会議後、習近平は激怒したという。「鄧」は毛沢東の破滅的な失敗から改革解放へと導びいた鄧小平をさす…

鄧小平、江沢民、胡錦濤に対する習近平の悪態

「Enjoy Japanese Fish」こそ最大の風評対策

「東電は24日午後に海洋放出を開始した後、発電所から3キロ以内の10地点で海水を採取、モニタリング調査を実施していた。分析によると10地点とも濃度は検出限界値(10ベクレル/リットル)を下回った」とロイターが伝えた。 しかし安全と安心は違う。「安全」はサイエンスの問題だが、「安心」は主観的な感情の問題である。 日本の水産物すべての輸入を禁止した中国は悪質な政治的意図をよるが、その結果、中国国内では…

「Enjoy Japanese Fish」こそ最大の風評対策

慶應の “Enjoy Baseball ”が目指す全国制覇

夏の甲子園大会には酷暑開催に対する異論も多く、開催日程や時間帯に対する抜本的な変化を求める意見が多数ある。もっともだ。だがいざ大会が始まってしまうとこうした批判もどこへやら。高校野球に魅了されてしまう。 私のような東京生まれ東京育ちには故郷がない。東東京、西東京の代表校といっても、いまひとつ熱がこもらない。 だが自分の出身大学であり、息子の出身校でもある慶應高校(塾高)が出場するとなると話はかわる…

慶應の “Enjoy Baseball ”が目指す全国制覇

お茶目な菅前総理

衆議院議員会館で菅前総理に月刊誌のインタビュー。野党がしきりに喧伝する健康不安説を払拭する健康的な様子だった。顔色も良い。 TSMCの熊本誘致は菅政権で決断したものだった。民間企業に政府が資金をだすことにはかなり抵抗があったが、その決断の意味するところは熊本の現状を見れば一目瞭然。熊本が日本一活況を呈する場所になったばかりか、経済効果は九州全体に及んでいる。 安倍政権の評価と、菅前総理自身のこれか…

お茶目な菅前総理

外務省「国営旅行代理店」からの脱却

昔の話で恐縮だが、財務省に取材に行った時のエピソードである。既知の課長のデスク行くと耳を真っ赤にして受話器に向かって叫んでいた。 「テメェは日の丸背負っているのかあ。馬鹿野郎」 そう言うなり電話を叩き切った。温厚な彼にしては極めて珍しく感情丸出しであった。その激しさに部下たちも私も驚くばかり。 「どうしたのか」尋ねたが具体的な内容に触れることはせず、電話の相手が外務省であることだけを明らかにして、…

外務省「国営旅行代理店」からの脱却

危険な惑星直列

日本にとって最大の地政学的リスクは日本海をはさんで向き合うロシア、中国、北朝鮮の三国が一体となって敵対することだ。安倍政権の中枢にいた人物はこの最悪の事態を「惑星直列」と呼んだ。ロシアのウクライナ侵攻が始まった直後、プーチンと会談を重ねてきた安倍元首相は、随分と批判されたものだ。しかしその意図が、単に北方領土返還だけではなく、「惑星直列」の回避だったことはあまり知られていない。 古今東西、外交は権…

危険な惑星直列

気温37度のちょっといい話

私の事務所がある高層ビルのエレベーター内で声をかけられた。 ヤマトの女性配達員さんだった。 「外は暑いから気をつけてくださいね」 「いやいや貴女の方こそ、大変でしょう。気をつけてください」 と私が返すと彼女はニコリとしてこう言った。 「会社がくれたこのファン付きベストのおかげで私たちは大丈夫なんです」 そう言って横向きになり、涼しそうな風を送るファンを見せてくれた。 東京は今日、体温超えの37度。…

気温37度のちょっといい話

国内初!純木造11階高層ビル!

国内初となる11階建ての純木造高層ビル「PortPlus」を完成させた大林組社長の蓮輪賢治さんとの対談動画をアップしました。CO2の塊であるコンクリートをいっさい使用せず、国産材を使用した純木造高層ビルは環境にもいいことづくめだ。森林を中心とした脱炭素の美しい循環モデルと言える。 しかし現実はそれほど単純ではなく日本の林業再生の難しさ、コスト等々、問題は山積だ。 だがこれまで建築することが出来なか…

国内初!純木造11階高層ビル!

デジタル競争力ランキング 日本は世界最下位

「ちょっと残念な統計ですが、IMDが国際デジタルデジタル競争力ランキングを毎年出してるんですけど、2022年の結果を見ると、日本は順位を落として63カ国中29位。この順位は54項目の指標の合算値ですけど、“ビッグデータの活用”という項目では、日本は63カ国中63位なんですよ」 ブレインパッドの創業者、高橋隆史社長(CEO)はこの体たらくを他人事と突き放して見ることができない。なぜならブレインパッド…

デジタル競争力ランキング 日本は世界最下位

純木造高層ビルの圧巻

11階建ての純木製ビル! 柱も梁など構造体すべてが木造化されている。話には聞いていたけれど、日本初の高層純木造耐火ビルを目の前にすると圧倒され、感動した。 「Port Plus 」 大林組の次世代研修施設だ。 いまやあらゆる企業が脱炭素を口にするが、Port Plusはその本気度を感じさせる。住宅以外の建築物の木造化、木質化を進めていくメリットははかりしれない。 鋼鉄とセメントの製造がもたらす温暖…

純木造高層ビルの圧巻

「常に現場を科学する」研究開発型農業カンパニー

若い起業家たち農業参入で日本の農業の景色も随分変わってきた。古い農家は作物を作ることだけに特化して出荷はすべて農協まかせでやってきた。ところが起業家の多くは生産、加工、販売と農業のサプライチェーン全体でビジネスを展開して生産性を高めている。あるいは生産には関わらず、販路の多様化で農家を助けるようなビジネスモデルもある。 そんな中で一際目を引く存在が三重県津市にある。浅井農園だ。 「常に現場を科学す…

「常に現場を科学する」研究開発型農業カンパニー

「伊勢から世界へ」伊勢角屋麦酒

二軒茶屋餅は伊勢神宮のお膝元で天正3年(1575年)に創業された老舗。 21代目当主の鈴木成宗さんと5月12日早朝7:30の勉強会から夕食まで濃密にご一緒した。 二軒茶屋餅本店では20代目の蘊蓄に触れた。太平洋戦争の敗戦で、日本は一夜にして価値観が逆転。その経験から20代目は息子には自由に生きる道を示した。 「オレを踏み台にすることは許さないが、オレを飛び超えろ」 いい話だ。 その後、本店に隣接す…

「伊勢から世界へ」伊勢角屋麦酒

AIは気候変動問題よりも深刻?

「AIは既に人間の医師の診断力を凌駕しつつある」 医師125人を抱え、日本屈指の在宅医療を提供する医療法人社団「悠翔会」の代表の言葉です。代表の 佐々木淳医師(50歳)は私の番組にも出演された方 で、医療界の古い慣習を打ち破りながら在宅医療の 分野でイノベーションを起こしてきました。SNSでも 熱心に投稿を続けています。その佐々木医師がAI時 代の医師の存在価値について率直な考えを吐露して いまし…

AIは気候変動問題よりも深刻?

大谷翔平のニーチェ的考察

魔法でも奇跡でもない 「あまりに完璧なものを見たとき、我々は『どうし たらあんなふうになれるのか』とは考えない」その 代わりに「魔法によって目の前で奇跡が起こったか のごとく熱狂してしまう」というニーチェの言葉を思い出しました。それはペンシルベニア大学心理 学部教授アンジェラ・ダックワースの著書『GRITやり抜く力』の中の一節です。きっかけはWBCでし た。 日本中を歓喜の渦に巻き込んだ米国とのW…

大谷翔平のニーチェ的考察

生身の稲盛和夫と京セラフィロソフィー

戦後の京都には二人の対照的な起業家が生まれた。 京セラの稲盛和夫と堀場製作所の堀場雅雄だ。 いずれ劣らぬレジェンドたが、この二人は何から何まで対照的である。 稲盛さんは成功への原則を説き、それを実行する道のりまで丁寧に伝えた。それも生涯を通じてだ。京セラの経営から離れた後も、盛和塾で多くの中小企業経営者を導いた。 「経営とは人として正しい生き方を貫くことだ」 王道である。JAL再生の手法にも奇手は…

生身の稲盛和夫と京セラフィロソフィー

「本物」は「本物」を知っている。

京都では真似しいは嫌われる。零細企業であっても世界一の製品を作っている会社が尊敬される。 本物であるかどうか。それ京都基準である。 経営者仲間との勉強会では“大人の修学旅行”をやってきたがコロナ明けで久しぶりに再開。今年は京都ならではの伝統文化、食、産業に通底する本真を求めてやってきた。とはいえ、修学旅行は、おもしろおかしくが鉄則だ。日本に初めて科学を持ち込んで島津製作所、京都手染め友禅の巨匠・藤…

「本物」は「本物」を知っている。

80歳の起業家、NFT化で新潟の錦鯉を世界に!

錦鯉の海外販売の先鞭をつけたKodama Koi Farmの創業者である樹神 衛(こだま まもる)さんから、久しぶりに連絡がきた。 御年、80歳。 新潟県山古志村で生まれた稚魚を育成環境の整ったハワイで生育し、 世界に錦鯉を販売するスタートアップだ。リーマンショックのダメージで株式上場には至らず、その後も山あり谷ありだったが、樹神さんの挑戦は今も続いている。 「今年、新潟県小地谷市に移り住み、新潟…

80歳の起業家、NFT化で新潟の錦鯉を世界に!

豊田章一郎さんの慧眼

長いジャーナリスト人生のなかで、数えきれぬほど多くの方々に取材してきた。 その過程で強く心がけてきたことは、歴史に対する責任感だ。 悠久の歴史の中で私が果たせることなど、瞬きにも等しい一瞬の出来事にすぎないことは重々承知している。 それでも、その時々の時代を象徴する人物に迫り、本質的な価値を 引き出し、正確に言葉として残していければ、歴史に対する責任の一端を果たせるはずである。 豊田章一郎さんの取…

豊田章一郎さんの慧眼

稲盛和夫さんとツーショット!

京セラ本社で谷本秀夫社長と対談した。じつはその前に“稲盛ライブラリー”で担当者の方にご説明をうけた折、いきなり稲盛さんの等身大のパネルが目に飛び込んできた。 ここで撮らないわけにはいかぬ。広報の方に自分のスマホを手わたし、貴重なツーショットを収めた。 やはり京セラの理念の核心は「敬天愛人」だ。 谷本さんは30歳の時、鹿児島川内工場でファインセラミックの事業部長として、画期的な発明を主導した。それは…

稲盛和夫さんとツーショット!

“餅屋のバカ息子”が世界一のクラフトビールに辿りつくまで

「餅屋の“バカ息子”が突然ビール作りを始めて、売りに行っても誰も相手にしてくれませんよね」 伊勢神宮にほど近い老舗餅店の御曹司、鈴木成宗さんは祖業とは無縁のクラフトビール業界に飛び込んだ当時をこう振り返った。隣近所にも相手にされなかったが、どうせやるならゴールセッティングは高ければ高いほど良いとばかりに「初めから世界一」を目指すことにした。 そこで“バカ息子”はとんでもないことを思いついた。 「世…

“餅屋のバカ息子”が世界一のクラフトビールに辿りつくまで

真実は一次情報にある トヨタ社長交代

真実を知りたければ一次情報にアクセスしたいものだ。電撃的なトヨタ社長交代のニュースを一番正しく伝えているのはトヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」だ。様々な分析や評価があるだろうが、豊田章男社長『66歳)と、その後任に抜擢された佐藤恒治執行役(53歳)が記者会見で何をどう語ったのかを自分の目で確かめるのが良い。 人事はけしてきれいごとだけで決まるわけではないが、公にトップが語る言葉はきわめて重い…

真実は一次情報にある トヨタ社長交代

「伊勢から世界へ」創業1575年、老舗企業21代目

「伊勢から世界へ」 「本物を追求する世界標準のビール」 初めから“世界”を視野に“本物”を志向する新進気鋭のクラフトビールメーカーがある。「伊勢角屋屋麦酒」だ。伊勢神宮のすぐそばにある。クラフトビールメーカーとしての歴史は浅いが日本でも5本の指に入る。もっとも社長の鈴木成宗氏の視線の先は世界市場しかない。 じつは彼は創業1575年の超老舗「二軒茶屋餅角屋本店」の21代目当主でもある。超老舗が挑む新…

「伊勢から世界へ」創業1575年、老舗企業21代目

声のやりとりを超えたリアルの双方性は

リアルかオンラインか。新春講演会の主催企業はトップの決断で3年ぶりのリアル開催となった。グランドニッコー台場の会場は熱気に満ちていた。講演会は講師の一方的な情報発信と思われがちだが、そうではない。じつは話す側と聞く側との双方向性で成立している。何百人いようとも壇上からは聞き手の表情が手にとるように見える。興味や関心の有無が表情からストレートに話し手に伝わってくるのだ。 私も臨機応変に伝え方を変えた…

声のやりとりを超えたリアルの双方性は

円安の行方は誰もわからない

ミスター円の「160円」 「為替の真実 円安メリット破格」と題したレポート を発行したのは10月11日でした。それから1か月余 りが経過し、円ドル相場は、当時とまるっきり様相が 変わってきました。エコミストのなかには「1ドル160 円」を平然と口にする者まで現れました。本当に訳が わからないのは「160円」という数字の合理性です。 何を根拠にしたらそんな数字が出てくるのか。はなは だ疑問です。おそ…

円安の行方は誰もわからない

怖くなる日本の浦島太郎化

昨晩は長年テレビ番組を支えてくれた仲間と銀座に。人通りは少なく、寂しい。欧米では三密も気にせず、マスクも消え、日常が戻っている。しかし我が国はあいも変わらずコロナは行政管理で、テレビは毎日「今日の感染者数は・・」を続けている。 島国はいつまでたっても島国なんだな。世界を見ると日本の浦島太郎化が加速するばかり。コロナよりはるかに怖しい・・なんてことを考えていたら、タクシーの車窓から飛び込んできたのが…

怖くなる日本の浦島太郎化

現代の“伊勢商人”

昔、江戸や大阪で繁盛していた商人の多くは地元出身者ではなく、伊勢や近江の商人たちであった。「宵越しのカネは持たぬ」という江戸の町人気質とは真逆だ。伊勢商人の生活はきわめて質素。江戸っ子からは「伊勢乞食」と陰口をたたかれたが、ケチなわけではなかった。ここぞという時には大きく投資をした。だからますます儲かる。江戸を席巻した伊勢商人の代表格は三井、三越、国分など。その繁盛ぶりに江戸の町人たちが嫉妬するの…

現代の“伊勢商人”

円安の爆発的メリット

1ドル147円を突破したとメディアは「円安危機」を煽っていますが、いつものことながら日本のメディアはお粗末です。一面的か つ悲観的にニュースをでっち上げる。政府の対応も鼻から否定してかかります。 9月22日に政府、日銀が24年ぶりに大規模なド ル売り・円買い介入をしたことはご承知の通りで す。その評判はさんざんなものです。 「ア~ぁ、やっちゃった、為替介入。追いつめら れて、大ばくち(介入で方向転…

円安の爆発的メリット

国葬

「G7の首脳が参列しなかったなどとマスコミは難癖をつけていますが、国内外から安倍晋三を慕って国葬に駆けつけ、彼の非業の死を悼む想いに満ち溢れていたことの方がどれほど価値があったか。そんな思いがつのった国葬でした」 安倍元総理の友人の感想だ。 会場で英国のメイ元首相の姿を見かけた友人は生前、安倍元総理がなにげなく語っていた言葉を思い出したという。 「メイさんは本当に人柄の良い人なんだよ」 海外からや…

国葬

London Bridge is Down

“London Bridge is Down” エリザベス女王逝去を知らせるコードネームです。 女王葬儀にいたるまでの詳細を定めたロンドン橋計画(Operation London Bridge)が動き出したのです。立案されたのは2017年。エリザベス女王は静養していたスコットランドのバルモア城で9月9日に亡くなりましたが、ロンドン橋計画では逝去場所もあらゆる場所を想定し、ロンドンのバッキンガム宮殿…

London Bridge is Down

福島の意地 幸楽苑の意地

幸楽苑ホールディングスは福島県に本社をおく数少ない会社だ。リーズナブルな醤油ラーメンをコアにしたラーメン一本足打法と言ってよい。2019年には史上最高益をだし、来年も勢いそのままにいけるぞ、という時にコロナ禍で売上が半減、経営は暗転した。500店あった店舗数も400店を大きく割り込んだ。 3代目の新井田(にいだ)昇氏の頭には「倒産」の二文字が浮かんだ。それでもなんとかコロナを凌げたのは、2018年…

福島の意地 幸楽苑の意地

「天ぷら」と「鮨」、名人の技と境地

「ナマで食べる方がおいしいものは、わざわざ天ぷらにする必要がない。大胆なことをいうとお思いでしょうが、おおげさにいえば、これが私共の、マ、天ぷら哲学。たしかに、衣のさくっとした歯触りや油の風味も、天ぶらのおいしさのうちではあります。しかし、いちばん大切なのはタネ(素材)の味。天ぶらに仕立てることで、ナマよりも、また、他の調理法よりも、タネのうまみが増さなければ意味がない。天ぶらにする必然性というも…

「天ぷら」と「鮨」、名人の技と境地

「杜の都」

仙台が「杜の都」と呼ばれるようになった始まりは今から約400年ほど前、伊達政宗の時代までさかのほる。飢饉への備えとして政宗は家臣たちの屋敷に栗・梅・柿などの木を、屋敷どうしの境には杉の木を植えるよう奨励した。これが“屋敷林”の始まりだ。さらに神社仏閣や広瀬川沿いにも木々を植えさせたことで仙台は緑溢れる町となった。 ただ明治時代には「森の都」と呼ばれていたようで、「杜の都」と表現されるようになったの…

「杜の都」

安倍晋三と菅義偉

【  “安倍復権”を確信できたのか?】 7月25日に菅前総理と対談しました。放送日の前 日という異例のものでした。安倍元総理の事件から 17日目でした。じつはこの短期間に菅さんとお目に かかる機会が二度ありました。以前から約束してい た会食がたまたまその間に入っていたにすぎないの ですが、最初の会食は7月13日。事件からわずか5日 目でした。自民党内が大混乱のさなかですから、会 食はキャンセルされ…

安倍晋三と菅義偉

高級食パン『銀座に志かわ』に流れる伊勢商人のDNA

高級食パンの“銀座に志かわ”の高橋仁志社長と対談した。高橋さんは三重県松坂市の出身だ。松坂市といえば三井家発祥の地である。高橋さんも子供の頃に三井家や伊勢商人について学校で教えられたという。銀座で第一号店を出店し、瞬く間に全国に130店舗を展開した“銀座に志かわ”の創業者にはまぎれもなく伊勢商人の血が流れていると感じた。 7月にはロサンゼルスに海外1号店を出店した。ニューヨーク・タイムズは“銀座に…

高級食パン『銀座に志かわ』に流れる伊勢商人のDNA

国家の荒波を生きた政治家 安倍晋三

冷淡だったオバマとの首脳会談 「今のロシアのウクライナ侵攻を見ると、7年前に このことを予見したように、確かな外交安全保障、 日米同盟を機能するものにしたのは安倍さんだった のです。こうした安倍さんに心から感謝し、そして 敬意を表するものです」 参議院選の投票日を翌日にひかえた7月9日、三原じゅん子候補の応援演説に立った菅前総理が発した言葉です。理不尽きわまる安倍元総 理の死から2日後、参議院選挙…

国家の荒波を生きた政治家 安倍晋三

歴史を作ったサニ・ブラウンの前途洋々

オレゴンの世界陸上、男子100mでサニブラウンが決勝進出を決めた。 「歴史を作りにきている」という言葉通り、彼は歴史的偉業を成し遂げた。 多くの人はそれだけで感激し、大賛辞を送り、決勝レースのことなどもはや問わない。最下位でもいいとさえ思う。しかしそれはアスリートというものをまったく理解していない。 100mはあらゆるスポーツの中で最も精神的にプレッシャーがかかる競技だ。スターティングブロックにス…

歴史を作ったサニ・ブラウンの前途洋々

国会議員の男女比は1対1が理想

参議院選の栃木1区は定員1に対して6人が立候補している。なんと女性候補者が5人だ。世の中すてたものじゃない。国会議員の男女比率は1対1が理想である。 「たんなる数合わせでは政治経験のない議員続出でろくなことにはならん」 という意見も少なくなかろう。 男はバカだから若くて美人の女性候補者にばかり投票するかもしれない。 だがそんなことは些事だ。 長い目で見れば国会議員の女性比率が上がった分だけ国会は多…

国会議員の男女比は1対1が理想

打倒ナイキなるか。アシックスの「Cプロジェクト」

廣田康人がアシックスの社長に就任した2018年、陸上長距離界には革命が起こっていた。カーボンプレートをミッドソールに入れたナイキの厚底シューズをはいたトップランナーたちが次々と世界記録、ナショナル記録を塗り替えていた。1秒でも速く走りたいトップランナーの本能に響く“魔法”のシューズの登場はまさにイノベーションであった。 箱根駅伝の景色も様変わりになった。2020年の箱根駅伝ではナイキをはいたランナ…

打倒ナイキなるか。アシックスの「Cプロジェクト」

岩手県八幡平市「町の人事部」

まれにFacebookからリアルフレンドが生まれることがある。 振り返ると、職業的好奇心から、私が取材したいと思った人物ばかりだ。但し私が一方的に会いたいと思っても関係は成立しない。一定の相互理解と相思相愛の関係がなければだめだ。 そんなこんなを乗り越えて、リアルにお付き合いするようになった一人が写真右の男前、松江英夫さんである。デロイトトーマツのCETL(Chief Executive Thou…

岩手県八幡平市「町の人事部」

マスク顔の人しか知らない新生児集中治療室の赤ちゃん

ロックダウンもせず、マスク着用義務も課さず、社会機能の維持をはかってきたスウェーデン・モデルは高齢者の命を守らなかったと厳しい批判にさらされた。だが、孤立感がもたらしたメンタルのダメージが大きな社会問題になってきた今、スウェー デン・モデルがあらためて再評価されている。なぜならスウェーデンが最も重視してきたのは「若者や子どもたちのメンタルヘルス」だったからだ。 この話を知人の臨床心理士に伝えるとこ…

マスク顔の人しか知らない新生児集中治療室の赤ちゃん

霞ヶ関のイノベーター

現役のキャリア官僚がテレビ出演するのはきわめて異例だ。 吉田泰己(ひろき)さんは行政のデジタル化に官僚人生のすべてをかけている。2003年に東京大学公共政策大学院を卒業して経産省に入省。留学中にシンガポールのデジタルガバメント化を目の当たりにしたことを機に経産省のデジタル化に奔走。霞ヶ関きってのデジタル人材となり、デジタル庁発足にも貢献。 現在は経産省の情報プロジェクト室長とデジタル庁の企画官を兼…

霞ヶ関のイノベーター

KAZU1が呼び覚ました海難事故の記憶

知床観光船沈没事故は私の古い記憶を呼び覚ました。出版社を辞め独立した直後に書いた初めての署名原稿のことだ。 1985年4月23日、稚内を出港した底引き網漁船“第七十一日東丸”がカムチャッカ半島沖で遭難。運良く船から脱出できても流氷漂う海では人は数時間も生きていられない。乗組員16人全員の生存が絶望視され、捜索活動も終わった。地元稚内では16人の合同葬儀がとりおこなわれた。 ところが遭難から15日が…

KAZU1が呼び覚ました海難事故の記憶

ツインズで起業!

東京海上日動の専務、監査役を務めた双子の弟、財部剛が6月に退任する。良いサラリーマン生活だったと思うが、人生はこれからが本番である。問題は何をやるかだ。 たどり着いたのはtwinsでの起業! 経済ジャーナリストとしての活動とは別に、お互いの知見を最大化する事業を起こす。何歳になっても、新しいことを始めるのはワクワクする。起業の具体的な中身は弟が正式に退任してから。乞うご期待!

ツインズで起業!

世界がリスペクトするMADE IN KYOTO

世界ではMADE IN JAPANが特別扱いされた時代はとうの昔に終わったが、いまだに輝き続けているのはMADE IN KYOTOだ。日本電産、村田製作所、京セラ、島津製作所、オムロンそして堀場製作所。錚々たる面々。日本のベンチャー史に燦然と輝く。 堀場製作所の堀場厚会長曰く「京都はほんまもんしか認めない」。規模の大小ではなく、世界一の技術を持っているかいないか。それが京都基準だ。 堀場製作所は世…

世界がリスペクトするMADE IN KYOTO

永世中立国スイスを揺るがすロシアの蛮行

「スイスは長い伝統である中立性を捨て去ろうとしている」 スイスが対ロシア制裁に加わる決定をしたことを米紙ニューヨーク・タイムズはこう伝えました。完全な誤報です。いつもながら米国一のクオリティーペーパーは底が浅い。物事の本質に迫る思慮に欠け、自らのリベラルな思想に都合よく記事を書いてしまいます。 これに対してスイスのドイツ語圏内で読まれている3月2日付けの日刊紙ターゲス・アンツァイガー(出典swis…

永世中立国スイスを揺るがすロシアの蛮行

東京エレクトロン

「社長の能力の限界を企業の成長の限界にしてはいけない」 至言だ。 東京エレクトロンの河合利樹社長が収録前の打合せ中に語った言葉だ。日本の製造業はすっかり勢いを失ったが、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロン(TEL)はダントツに強い。今年度の売上高も2兆円弱と凄まじいが、驚くべきは売上高利益率が30%近いことだ。 業績連動のボーナスはこの数年、TELが日本一である。しかし社員のモチベーションを担…

東京エレクトロン

疾風に勁草を知る

デジタルネイティブは昭和レトロに魅了される。生まれた時からスマホがあるデジタル環境の中で育った彼らには昭和レトロは「古くて新しいスマート」なもの。昭和生まれのオジサンが「昭和」にマイナスイメージをもちがちなのとは対照的だ。 昨年リニューアルオープンした西武園ゆうえんちの「夕日ヶ丘商店街」は昭和の町並みを再現。 デジタルネイティブはそれは見て「えもい!」と歓喜する。「えもい」はレトロなものに心を動か…

疾風に勁草を知る

WEBセミナーは想像力がものをいう

今どきはセミナーや動画の撮影・配信専門のスタジオがあるのですね。今日は渋谷の「PLAY STUDIO」でオンライン講演会。視聴者の顔が見えず、カメラ目線で話すのはイマイチ気が乗らない。そこで今日はカメラの延長線上にモニターをおいてもらい、自分の表情を見ながら話しました。あら不思議!モニターの中の自分の目の前には視聴者がいるよう。勝手な思い込みとはいえ、想像力は表情も豊かにしてくれる。オミクロンも関…

WEBセミナーは想像力がものをいう

文春砲 人の不幸は蜜の味

🟢リ―クの動機は恨み 元気のない出版界で今年も週刊文春だけが圧倒的な存在感をはなっています。破廉恥なスキャンダルで表舞台から消えた有名人もあまたいます。編集方針は明快で「読者が面白い」と感じることだけだと元編集長は明言しています。「巨悪と戦うなんて大嫌い」で、ただただ大衆受けに特化してきたから今があるというのです。そもそも週刊誌は正義漢を装ってはなりません。世間をアッといわせるスキ…

文春砲 人の不幸は蜜の味

原発「失敗から学ぶ回廊」

「二度は嘘をつけない」 福島第一原発の事故が起こる1年前まで福島第二原発の所長をつとめていた石崎芳行さんは、事故後は、福島復興本社の初代社長(東電副社長)となり、被災地と向き合ってきた。 第二原発の所長時代、彼は地元楢葉町の住民との交流に力をいれ、常々こう語ってきたそうだ。 「大地震がきたら原発に避難してきてください。ここは一番安全です」 石崎さん自身も原発の安全神話を信じきっていたのだ。“原発村…

原発「失敗から学ぶ回廊」

なぜ日本の給料は上がらないのか? 下村治の訓え

🔴総量規制こそがすべての元凶 なぜ日本の給料はあがらないのか? 経済学者や野党議員からも「アベノミクスの失敗の結果だ」だという声が少なからずあります。しかし30年間も平均給与が上がっていないのだから、それを「アベノミクスだけのせいにするのはお門違いです。結論をまず申し上げましょう。その元凶はバブル経済を鎮静化させるために財務省(当時は大蔵省)が行った“総量規制”がすべての失敗の端緒…

なぜ日本の給料は上がらないのか? 下村治の訓え

山岡鉄舟と木村屋のあんぱん

明治7年、あんぱんを考案したのは木村屋総本店の初代、木村安兵衛だった。その目新しいパンを明治天皇に献上したのは、わずか1年後の明治8年4月4日。仲介したのは幕末の英傑、山岡鉄舟だ。壁にかけられている「木村屋」の文字は山岡鉄舟の直筆だ(ライトが写り混んでいるのが残念)。 じつは日本橋の山本海苔店にも同様の逸話が残っている。明治天皇が初めて京都にお帰りになる際、手土産として山岡が推挙したのが日本橋、山…

山岡鉄舟と木村屋のあんぱん

人生初の「評伝」脱稿 新しい挑戦ほど面白いものはない

400字詰め原稿用紙に換算すると600枚弱の大作を脱稿しました。これまで数えきれないほど(数えたことがない)本を書いてきましたが、今回は人生初の「評伝」です。資料の山と、とんでもなく濃密な取材で事実を掘り起こしできましたが、それだけでは「評伝」は成立しません。創造力で事実と事実の隙間を埋めていく必要があります。いや、正確には創造力ではなく理解力で補っていくのです。 ひとりの人間の人生を辿る作業は、…

人生初の「評伝」脱稿 新しい挑戦ほど面白いものはない

“決められない総理”岸田文雄の崖っぷち

英誌『エコノミスト』の岸田総理に対する評価はさんざんだ。 「つまらない首相・岸田文雄には日本の問題は解決できない。問題を抱える日本に、無策な政権を擁する余裕はないはずだ」 大きなお世話だと反論したいところだが、そうもいかない。総裁選で明言した“金融所得課税”が海外投資家の逃避を招き株式市場の暴落につながこともわからず、いざ株が下がり始めたとたんに「すぐにやるという話ではなかった」引っ込めた。またあ…

“決められない総理”岸田文雄の崖っぷち

公然とバラマキ批判 財務次官の乱心ではなかった

冷静に考えれば、財務省の事務次官が勝手に『文藝春秋』でバラマキ合戦と化した与野党の政策論争を公然と批判するわけがない。 矢野次官は財務省内でも財政再建原理主義者として知られる過激派だ。だが官僚としてわきまえる範囲を軽々しく乗り越えてしまうほどバカではない。そんな男が事務次官まで登りつめるはずがない。 しかしこれには自民党が猛反発。高市成長会長は「失礼だ」とNHKの討論番組で怒りにあらわにした。また…

公然とバラマキ批判 財務次官の乱心ではなかった

先の見通せない今だからこそ「おもしろおかしく」

「僕は京都中華思想の極致みたいなもの」と破顔一笑の堀場雅夫さん。 日本のベンチャー草創期を切り拓いた一人、堀場製作所の創業者は90歳になってもユーモアと色気を感じさせる方でした。堀場さんが亡くなられてから6年。9/24の『タカラベnews&talk』は、堀場雅夫さんのアーカイブ映像で、起業の原点に迫ります。昭和20年、京都大学2回生の堀場さんは原子核物理学者になることを目指していたGHQに…

先の見通せない今だからこそ「おもしろおかしく」

「45歳定年制」サントリー新浪社長の真意

サントリーの新浪社長と会った。 「45歳定年制」という言葉だけが切り取られて炎上している状況について尋ねてみた。以前から約束していたランチの席だったが、職業柄「どういう文脈で炎上したの?」と聞かずにはいられなかった。ざっくり丸めて言えば、こんな感じである。 停滞感著しい大企業がアニマルスピリッツを取り戻すためには、雇用の流動化が不可欠。昭和な組織文化破壊するには、若手に権限移譲し、それに見合いの報…

「45歳定年制」サントリー新浪社長の真意

第五波の全体像を把握しよう

客観的なデータを見れば、コロナの新規感染者数がピークアウトしたことは明らか。新規死者数にいたっては、7月以降は多い日でも50〜60人。9月3日は30人にすぎない。死者数のピークはじつは第4波の5月18日で1日216人だった。第5波の特徴は感染者は急増したのに、死者数はまったく増えなかったことだ。 たしかに重症者数は増え続け、医療に過大な負荷をかけているが、コロナ感染の全体像がどうなっているのかくら…

第五波の全体像を把握しよう

みずほのシステム障害が止まらない訳

みずほの「失敗」は三行統合時にすでにビルドインされていたというほかない。統合が決まったとき、私は興銀の西村正雄頭取から直接話を聞いた。「ホールセール(大企業取引)は興銀がにない、リテールは富士銀行と第一勧銀がやる。ヘッドクォーターは興銀だよ」という西村さんからは三行統合の覚悟よりも、都銀二行と一緒になる不本意さが滲んでいた。 こんな調子だから富士銀行と第一勧銀も本気で一つにまとまろうとする力が働く…

みずほのシステム障害が止まらない訳

カブールの女性たちを絶望させたのはタリバンだけではなかった

カブールをタリバンが制圧した8月15日、カブール在住のアフガニスタン女子大学生が、悲痛な叫びを英紙「ガーディアン」に寄せました。その一部を引用します。 「日曜日の早朝、授業のために大学へ向かっていると、女子寮から女性たちが駆け出してきた。何があったのか尋ねると、タリバンがカブールに到着したので警察が避難するよう言っている、ブルカを着ていない女性は殴られるのだと言う。私たちは家に帰りたかったが、公共…

カブールの女性たちを絶望させたのはタリバンだけではなかった

新規死亡者激減 感染状況の全体像は?

日経のサイト「チャートで見る日本の感染状況 新型コロナウィルス」は、じつにわかりやすい。 新規感染者数が激増していることは周知のことだか、その一方で、新規死者数は急減し、底値横ばいである。このラグラは上記サイトのスクリーンショットだ。 死者数のピークは5月18日の216人。 8月4日は14人にすぎない。 新規感染者(陽性判定者)の数ばかりを問題にする専門家は専門家とは言いがたい。客観的なエビデンス…

新規死亡者激減 感染状況の全体像は?

食のEC化時代の幕開け

オイシックスの高島宏平さんと会うのは10年ぶりだ。当時の売上は60億円くらい。それがいまや1000億円だ。何が変わったのか? この問いに高島さんが真っ先に語ったのは「当時はミールキットがなかった」でした。 ミールキットとはレシピと一緒に野菜や肉など必要な食材がセットされたもの。Amazonフレッシュ、セブンイレブン(セブン ミール)等々、プレーヤーも多彩になってきた。メニューの提供も発注もネット。…

食のEC化時代の幕開け

楽しく五輪観戦したいなら『Number』を読もう!

『Number』を買ったのは何年ぶりだろか?。とんと思い出せない。代表先行レースとなった全日本選手権の男子100m決勝レースの躍動感溢れるシーンを切り取った表紙である。 「東京五輪プレビュー第一弾」 今世界で最も信頼できるできる情報ソースは専門誌だ。だから『Number』を買った。 注目しているのは男子100m。 山縣、小池、多田の日本3選手の決勝進出は私の夢だが、本当に知りたいのは優勝候補は誰か…

楽しく五輪観戦したいなら『Number』を読もう!

大谷翔平!やはりスポーツには特別なチカラがある。

ベースボールの神様、ベーブルース以外、誰もやったことのない二刀流で、目も眩む活躍をしている大谷翔平選手。大リーグファンはおろか、現役の大リーガーたちをも魅了している。しかしここにくるまで、どれだけ多くの挫折を乗り越えてきたことか。 花巻東のエースとして出場した選抜甲子園大会1回戦では、藤浪晋太郎率いる大阪桐蔭の前に11四球、9失点と大敗。夏の甲子園には出場すらかなわなかった。 大リーグ、エンジェル…

大谷翔平!やはりスポーツには特別なチカラがある。

中西宏明と立花隆 尽きぬ「人間への興味」

リーマンショック後、巨額赤字に喘いた日立をV字回復させた社長として、また存在感が薄れる一方の経団連再建をになった経団連会長として、まさに財界期待の星であった中西宏明さんが逝った。6月27日に療養していた東京都内の病院で亡くなりました。75歳でした。中西さんの傑出していたところは、大企業のサラリーマン社長、限られた任期にもかかわらず、巨艦日立の企業文化を揺るがすほどの大改革をやってのけたことでした。…

中西宏明と立花隆 尽きぬ「人間への興味」

立花隆はただの「知の巨人」ではなかった

ジャーナリストを名乗る者なら誰もが憧れたのが立花隆さんだった。博覧強記で「知の巨人」と言われるが立花さんは単なる「知の巨人」ではなかった。圧倒的な読書量で取材対象の全体像をとらえた上に、丹念な取材で事実を積み上げ、真実に迫る。調査報道の権化であった。 1993年私は金融危機を回避するための政策提言をまとめた『資産再評価』(講談社)を出版した。それを実行していればその後の金融危機は起こらなかった。ご…

立花隆はただの「知の巨人」ではなかった

渋沢栄一と帝国ホテル

🔵逆境の時こそ力を尽くせ 明治23年(1890年)創業の帝国ホテル、コロナ禍昨年11月3日に創業130周年を迎えました。海外の賓客を帝都東京に迎えるのに恥ずかしくない西洋式のホテルがなくてはならぬと、時の大蔵大臣井上馨をはじめ政財界をあげて創業された帝国ホテルはまさに帝都東京の迎賓館としてその歴史を刻みはじめたのです。 創業に関わった人物はあまたいたものの、最大の功労者はあの渋澤栄…

渋沢栄一と帝国ホテル

中小企業愛

「この国に、1社でも多くの100年企業を」 今日は Vortext 社にてリモート講演会。わが国の雇用の7割近くを支えている中小企業は驚くほど多様だ。小さく、弱々しく、生産性の低い企業ばかりというのはマスコミが作り上げた虚構である。パンデミックを境に加速する時代の変化を成長の原動力にかえている中小企業も少なくない。 スタートアップさながらに新規事業を探索して欲しいとエールを送った。 「中小企業愛に…

中小企業愛

スタートアップ経済庁の創設

今日(5/30)、総理公邸に行ってきました。 政府が6月にとりまとめる「成長戦略会議」の内容について意見を求められました。具体的な話は出来ませんが、総理はスタートアップを育成を経済成長の原動力にしようと考えています。 しかし私が目にした育成策は必要ではあるが些末な弥縫策ばかり。いかにも官僚の作文です。これは「成長戦略会議」ではなく「成長戦術会議」の答申だと率直に言わせていただきました。 菅総理が目…

スタートアップ経済庁の創設

有事により強まる日本社会の同調圧力

今の日本の「空気」は太平洋戦争当時と一緒だ。この時勢にオリンピックを開催するなんて許せない、それを目指す選手にも「辞退」を促さずにはいられないという同調圧力。 オリパラ開催の賛否をSNSで表明するのは自由だが、池江璃花子さんに出場辞退を迫る行為は明らかに倫理の倒錯だ。自分の考える正義を人にも押し付けなくてはいられない。まったく多様性もへったくれもあったもんじゃない。 昔も今も変わらぬ日本社会の同調…

有事により強まる日本社会の同調圧力

天才「業務スーパー」創業者が新たに挑戦する地熱発電

天才を感じさせる経営者と会うのはエキサイティングだ。圧倒的な安さとボリュームで知られる“業務スーパー”の創業者、沼田昭二さんの発想は常人のものではなかった。 “業務スーパー”の基本は完全な製造小売。メーカーに生産委託したPBなどではない。すべて自社工場で作っているばかりか、なんと製造機械までみずから作りあげてしまう。だから他社には絶対真似のできないダントツ商品が提供できる。 “業務スーパー”には海…

天才「業務スーパー」創業者が新たに挑戦する地熱発電

脱炭素はイバラの道だと覚悟することから始まる

政府のエネルギー政策はリアリティがなく「お花畑化している」と柔らかい笑顔で切り捨てる竹内純子さん。NPO法人国際環境経済研究所の理事にして主任研究員。エネルギー政策の達人です。 今冬(12/15〜1/16)日本はブラックアウトもやむなしという危機的な状況に陥っていたことをご存知でしょうか。 大手電力各社が足りない電気を融通調整しあってギリギリ乗り切らたのです。関西電力は連日、供給不足に陥り、他エリ…

脱炭素はイバラの道だと覚悟することから始まる

再生エネルギー コストの自覚と覚悟

「経済産業省は3月1日の有識者会議で、脱炭素社 会の実現に向けた再生可能エネルギー導入拡大で生 じる国民の年間負担額が、2030年度に最大4・9兆円 になるとの試算を示した。平均的な家庭の電気代が 単純計算では年数千円上乗せされる。出席者から は、電気代の上昇につながることへの懸念の声が出 た」 これは読売新聞の記事の抜粋です。この記事に対 して国際環境経済研究所理事の竹内純子さんは「こ の試算を…

再生エネルギー コストの自覚と覚悟

スタートアップ経済への移行だけが日本の生きる道

DENAやアステリア (東証1部上場)などを起業当初から育てた伝説の ベンチャーキャピタリスト、村口和孝氏がまとめた 資料が手元にあります。 日米中のVC が2020年1月~9月にいくらぐらい国 内のスタートアップに投資をしたか比較したものです。 それによれば米国のVCの国内投資金額はなんと12 兆434円です。コロナ禍にもかかわらず前年同期の 10兆3982億円よりも1兆6452億円も増加してい…

スタートアップ経済への移行だけが日本の生きる道

菅総理長男の総務官僚接待、問題の核心

どうやら文春オンラインの音声は隣の部屋から録音されたものらしい。菅総理の長男が総務省幹部を頻繁に接待していた事実をつかんだ文春の“盗聴”のようだ。文春の凄みを感じさせる。 それにしても父親の威光を利用して総務省幹部を接待の場に引っ張りだしていた長男は愚かのきわみである。しかしそれ以上に悪辣、卑劣なのは愚かな長男を接待の“現場”にだした東北新社である。本当のバカは東北新社の経営陣だ。 接待の目的はな…

菅総理長男の総務官僚接待、問題の核心

コロナはデータとエビデンスで語れ

「コロナ重症患者の8割を救っている。日本の医療従事者がどれだけ頑張っているか。ECMOnetのデータが物語っている」 血管外科医で北青山Dクリニック院長の阿保義久氏の言葉だ。 人口呼吸器やECMOの治療を受けた重症者の年齢分布と転帰を見ると、その8割が生還している。 重症者の命を救うことにこれほど執念をもっている国が果たしてあるだろうか。日本のコロナの現の壮絶さばかりが報道されるが、見事な実績をあ…

コロナはデータとエビデンスで語れ

「空気」に支配されたコロナの恐怖

国別の死因別死者数を見ると、アメリカ、フランス、イギリスなどの欧米諸国は、新型コロナによる死者数が心筋梗塞、脳卒中など主要な死因を圧倒しています。 対照的に日本、韓国、オーストラリアなどのアジア諸国ではコロナは死因の最下位です。 医療の現場で働く診療医は「死者数という視点では、日本のコロナの現状は危機的な社会インパクトを与えるものでない」と言いきります。 また日本の医療インフラからすれば「医療崩壊…

「空気」に支配されたコロナの恐怖

「演劇は、生きるか死ぬかの二択だ」

「演劇にニューノーマルはない」 アクターと観客が時間と空間を共有する同時性、同じ演技は二度とできない一回性、それこそが演劇だと語る劇団四季の吉田智誉樹社長。 コロナ禍でもリアルな劇場あってこその演劇だと言います。 「演劇は生きるか死ぬかの二択だ」 だからこそ観客は絶対に感染させないという覚悟を持って公演を続ける劇団四季。コロナ禍を生きる演劇人の覚悟は胸に刺さります。 『タカラベnews &…

「演劇は、生きるか死ぬかの二択だ」

冷徹と誠実 令和の平民宰相 菅義偉論

『冷徹と誠実 令和の平民宰相 菅義偉論』(KADOKAWA )を出版します。 政治家を対象に本を書くのは難儀でした。いくら取材しても何が真実なのか、なかなか見えてこない。百鬼夜行の世界です。 菅総理と私の出会いは2009年、自民党が野党に転落した直後でした。それから13年、総理になるまで政治家「菅義偉」をさまざまな場面で見てきましたが、今回は初めて菅さんを客観的な取材対象として見てきました。30年…

冷徹と誠実 令和の平民宰相 菅義偉論

DXよりCX(コーポレート・トランスフォーメーション)

テレビドラマ不振の時代にも関わらず『半沢直樹』の新シリーズは視聴率30%超えの大反響だった。今回の舞台は破綻寸前まで追い込まれた帝国航空。 半沢直樹の前に立ちはだかったのは白井国交大臣率いるタスクフォースのリーダー、及原正太弁護士である。 私は想像した。 「冨山(和彦)さんはさぞや楽しく半沢直樹を観ているのだろうな」 冨山さんはJAL再生のためのタスクフォースを率いた人物であり、東大在学中に司法試…

DXよりCX(コーポレート・トランスフォーメーション)

日本からは見えない米国大統領選

🔴自滅を助けたトランプの失敗 9月30日に行われたトランプVSバイデンの第1回目の討論会は無残なものでした。トランプがバイデンの発言を執拗にさえぎり、業を煮やしたバイデンは失言を繰り返しました。オバマ政権の副大統領であり、人生を知り尽くした78歳の高齢者でもあることから、バイデンは温厚で思慮深い人物であるかのようなイメージを抱きがちですが、それが誤りであることを最初の討論会で露呈し…

日本からは見えない米国大統領選

官邸官僚主導から本物の政治主導へ

🔵ロケットスタート 憲政史上最長の任期を務めた官房長官の力量は尋常ではなかったというのが、私の正直な実感です。第99代内閣総理大臣となった菅新総理の国民への発信にの仕方、組閣に込められた深謀遠慮を見ると驚きを禁じえません。官房長官就任以前から親しくさせていただいてきましたが、スタートダッシュから総理としての凄みを発揮していることに驚いている人が少なからずいるのではないでしょうか。政…

官邸官僚主導から本物の政治主導へ

「患者の人生観に寄り添う」在宅医療

在宅医療(訪問医療)の実状を私はまったく知らなかった。 医者が寝ている患者の自宅を訪ねて診察してくれたのは昭和の30年代くらいまでのことだろう。2005年に公開され大ヒットした映画、『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界でる。東京タワー建設に胸躍らせ、東京オリンピックに日本中が熱狂した時代、東京下町の人々が貧しいながら明るく希望を持って生きる姿を描いた映画の中で、三浦友和さんが演じたのが原付バイクで…

「患者の人生観に寄り添う」在宅医療

突然の辞任表明 安倍総理のレガシーと無念

8年間に及んだ安倍政権最大のレガシーは外交だ。世界各国のリーダーたちに、これほど辞意を惜しまれた総理大臣はいない。 在任中に訪問した国・地域は80.のべにして176を数える。国際社会における日本の影響力をこれほど高めたことに私は最大限の敬意を表したい。 なぜかくも大きな仕事をやってのけることができたのか。単純な物言いはすべきではないが、安倍政権誕生の経緯を見過ごすわけにはいかない。 2012年9月…

突然の辞任表明 安倍総理のレガシーと無念

星野リゾート「現金を掴んで、離すな」

「あなたは今年、旅行に行きますか?」 星野リゾートが6月第1週に2万人を対象にアンケート調査を行った。 その結果は、 「行く」   30% 「行かない」    30% 「迷っている」40% 「迷っている」理由をさらに調査すると、コロナ感染の恐怖ではなく、旅行に行った先に迷惑になるのではないか、という旅先への配慮だった。 そこで星野佳路社長が打ち出したのが、クルマで1〜2時間圏内の近場を観光するマイ…

星野リゾート「現金を掴んで、離すな」

コロナクライシスの元凶は「2類」

たったひとつのボタンを掛け違いがコロナをめぐる大混乱の始まりだ。ことの始まりは1月28日、閣議で新型コロナウィルスを「指定感染症」に定めたことだ。 国は感染力や毒性の強さによって感染症を1類から5類まで類型化している。 1年間に1000万人が罹患して3000人が亡くなる季節性インフルエンザはもっとも軽度の5類に分類されている。 一方、新型コロナウィルスは毒性の強いMARSやSARSと同じ2類とされ…

コロナクライシスの元凶は「2類」

中国が世界の覇権を握ることはない。

「アメリカはもはやサイバードメインにおける未来を中国に明け渡す瀬戸際にある」(The Washington Post) ポストコロナ時代、世界の覇権を握るのは中国ではないかという危惧が米国で広がっている。米中対立は経済・貿易戦争から、領事館閉鎖の応酬へと対立の次元が変わってきた。 中国の現状をどう評価したらいいのか? 東京財団政策研究所の柯隆(Ke Long)さんの話を伺った。柯さんは中国南京出身…

中国が世界の覇権を握ることはない。

小池都知事「東京都版CDC」の笑止千万

新型コロナウイルス対策では検査キット準備に失敗して、トランプ大統領の大不興をかっているとはいえ、CDC(米国疾病対策センター)は年間予算約8000億円、総職員数は約1万4000人、文字通り世界最強の疾病センターだ。 「第2波を防ぐために東京都版CDCを創設する」 小池都知事のほらふきは、再選後、かぜんスケールアップした。 既存施設を利用して新型コロナウイルスの第二波への備えをしたいという意図は理解…

小池都知事「東京都版CDC」の笑止千万

タカラベnews &talk 菅官房長官に聞く、コロナ対応の舞台裏

菅官房長官との対談収録、終わりました。このタイミングでよく出演してくれたものです。 1月末、武漢在留邦人の帰国から始まった新型コロナウイルスとの闘い。官邸内部では何が起こっていたのか。舞台裏の真実に迫りました。 「日本政府の危機管理の責任者は私だ」 言葉通り官房長官はコロナ対応のど真ん中いいました。その始まりはダイアモンド・プリンセスでした。知られざる官邸の危機管理の現実が見えてきます。 対談後半…

タカラベnews &talk 菅官房長官に聞く、コロナ対応の舞台裏

濃厚接触 確認アプリは使える!

6月19日に利用開始になった「濃厚接触 確認アプリ」をさっそくインストールしました。 世の中には国がやることにケチをつけずにはいられない性分の人たちがいます。 「自主的にアプリを利用する人がどのくらいいるか?」 相当数の国民がインストールしなければ何の役にも立たないというわけです。 まことに御説ごもっとも。 さらにケチは続きます。 「陽性判定された人がアプリで自主的に通知してこなければなんの役にも…

濃厚接触 確認アプリは使える!

官が口出したシステム開発の悲劇

まことにありがたいのだが、いっこうに届かない定額給付金10万円。そこで露見したのが「マイナンバーカード」の使えない実態です。デジタルシフトの時代にかくもお粗末なカードになってしまったのでしょうか? 「日本の場合、公的なものはすべてを官で設計し、官で仕様を作成した上で、民へ発注するという悪い癖がある。官が設計する場合、新しいものを取り入れることはリスクと考え、無難なものに終始する。また、官には、IT…

官が口出したシステム開発の悲劇

検事総長も黒川検事長も「辞任しろ」

検察は絶対正義ではない。 組織のメンツを守るために違法な捜査も繰り返してきた。事件になんの関与もしていなかった村木厚子さん(当時厚労省局長)を不当逮捕し、事件をでっち上げた大阪地検特捜部長自身が逮捕される大失態まで起こしている。 検察は絶対正義ではない。 しかし政治家の不正を忖度なしに追及できる唯一の存在だ。 検察幹部を政府の裁量で定年延長させる法案は「与党の政治家の不正追及をさせないため以外には…

検事総長も黒川検事長も「辞任しろ」

報道の健全性を担保するのは情報の多様性だ。日本は今まさに「報道崩壊」に直面している。

「医療崩壊」の前に既に起こってしまったのが「報道崩壊」だ。 新型コロナ感染爆発の危機を煽るのも報道の自由だが、あたかも談合をしているかのように、画一的な情報発信を続けるテレビ局は異常である。 報道の健全性は多様な情報発信があって初めて担保されるのに、NHKも民放各局も大差ない。大本営発表をそのまま垂れ流した戦時中のようだ。 この数字を見てほしい。 東京都の感染状況(4/29現在) PCR陽性者数(…

報道の健全性を担保するのは情報の多様性だ。日本は今まさに「報道崩壊」に直面している。

「テナントを1社も倒産させるな」西武に見る日本企業の心意気!

西武HDの後藤高志社長にコロナで壊滅的な打撃を被っているホテル業界について電話インタビューした。プリンスホテルの現状も厳しく、東京芝公園の「ザ・プリンス・ パークタワー東京」の稼働率も従来の90%から15 %に落ち込んでいる。窮余の策として近隣の「東京プリンスホテル」を臨時休館とし、ゲストを「パークタワー東京」に集約している。同様に品川の「ザ・プリンス・さくらタワー東京」を隣接する「グランドプリン…

「テナントを1社も倒産させるな」西武に見る日本企業の心意気!

COVID-19 製造業のリアルな責任感の連帯

PCR検査キット100万個提供で炎上した孫さんが、今度はマスク3億枚を利益なしで毎月提供するとTwitterに投稿した。黙ってられないんだな。まず世間にぶち上げる。本当にやれるのか? 世の為、人の為、是非とも実現してもらいたい。 メディアやネットはこうしたド派手な投稿にばかり目を奪われるが、日本の多くの企業が感染対策に立ち上がっている。 たとえばトヨタを筆頭とする自動車関連の業界団体の取組みだ。 …

COVID-19 製造業のリアルな責任感の連帯

ここは中国ではない。全体主義にはなりたくない。

私権制限を伴う緊急事態宣言はくれぐれも慎重にやれと言っていた連中が、4月7日に発令するや「遅気に失した」とケチをつける。そればかりか、厳しい外出禁止令を出している欧米と比べて「自粛要請だけで大丈夫か」とまで言い出す。危ない奴等だ。 日本には太平洋戦争当時の国家的トラウマがある。国家総動員法で私権を徹底的に制限し、全体主義に走った悪夢はどこへいってしまったのか。 個人の行動制限を最小限にとどめる日本…

ここは中国ではない。全体主義にはなりたくない。

小池都知事の“ロックダウン”

「感染爆発の重大局面」 小池都知事の緊急記者会見は、最大の危機表明だろう。 私も今までは不安を煽ってはいけないと発言を抑制していたが、煽るべきタイミングが来たようだ。今日一日の東京の感染者数が41名。これが倍々で増えるような事態になれば小池知事は躊躇なく「非常事態宣言」を出すだろう。 “自粛疲れ”なんて世迷言を垂れ流したメディアのマッチポンプぶりは許しがたい。 政権中枢はパンデミックを恐れながら、…

小池都知事の“ロックダウン”

COVID-19 社会隔離には英国型の賃金補償が必要だ。

COVID-19のパンデミックに伴う経済対策を各国が行っているが、英国が思い切った賃金補償政策を打ち出した。雇用中の社員だけでなく、コロナの影響で既にレイオフされた社員まで対象に、月給(約33万5千円)の80%を国が補償するというのだ。 さすが有事の大英帝国は違います。政府に『覚悟』がある。安倍政権もちまちましたことをやらず『覚悟』をもった経済対策を実行してほしい。 大企業は対象外でいい。経営危機…

COVID-19 社会隔離には英国型の賃金補償が必要だ。

COVID-19パンデミックは収束する!

マッキンゼーとBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のCOVID-19の分析レポートを見て驚いた。医学的アプローチで詳細な分析をしているのだ。 両社のレポートに共通しているのは、エビデンスに基づく冷静な将来予測だ。膨大な英文の専門レポートは私の手にあまるので、東大医学部出身の有能な臨床医に読みといてもらった。 パンデミックの収束を考え時に、参考になるモデルが2つあるという。ダイヤモンド・プ…

COVID-19パンデミックは収束する!

新型肺炎 危機管理の現場は修羅場

🔴決断の大敵は「私心」である。 ややオーバーに言えば、国民が固唾をのんで見守るなか、2月26日に加藤厚労相が発表した「基本方針」は従来通りの注意喚起に終始しました。 「この1~2週間が感染拡大スピードを抑制できるか否かの分岐点」であると専門家が認識していることはわかった。だがそこには何が何でも新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む覚悟など微塵も感じられませんでした。覚悟のなさは、加…

新型肺炎 危機管理の現場は修羅場

「造船王国」崩壊 存在感ます今治造船

🔴大手財閥もひれ伏す 造船業界はかなり特殊な世界で関わりのない人には、何とはなしに凋落しているのだろうという漠然としたイメージしか持ちえないのではなかろうか。1990年代まで日本の造船会社は世界シェアが5割を超え、文字通り「造船王国」でした。しかしその後は、韓国、中国に追い越され、リーマン・ショックを境に撃沈という凋落パターンは日本の家電メーカーや携帯電話メーカーとそっくりです。し…

「造船王国」崩壊 存在感ます今治造船

かんぽ不正販売スキャンダル 遠因は戦略なき民営化

高齢者を食いものにした悪質な保険販売の責任をとり、日本郵政グループ3社のトップが辞任した。だが民間出身の3人を辞任させただけで事足りるなんて話ではない。 なぜならこの醜悪な事件の淵源は小泉元首相が執着した「郵政民営化」の安直さだ。小泉元首相は民営化自体が目的化してしまい、民営化後のことなど何の関心もなかった。 また「郵政民営化」は米国の金融商品を郵貯マネーに買わせたい米国政府の強烈な要求でもあった…

かんぽ不正販売スキャンダル 遠因は戦略なき民営化

『誠品生活』究極の書店の魅力。台湾への上から目線はもう捨てた方がいい。

全国第4位の大型書店、有隣堂の4代目、松信健太郎副社長によれば、雑誌・書籍(紙)の売上高のピークは1996年の2兆6000億円。減少の一途で昨年は1兆3000億円と半減。「街の書店」は壊滅状態です。 では有隣堂の現状はどうか。 雑誌・書籍の売上はなんと全体の40%に過ぎません。文具、OA機器、通販事業等々、驚くほど多角化しているのです。しかし現状維持の先に明るい未来は描けません。その打開策のひとつ…

『誠品生活』究極の書店の魅力。台湾への上から目線はもう捨てた方がいい。

久しぶりに民主主義のチカラを見せつけてくれた。香港区議会選で民主派圧勝!

民主主義にとって久々のグッドニュースだ。 11月24日に投票が行われた香港区議選は民主派が80%の議席を獲得。香港政府トップに「真剣に反省したい」とのコメントを言わせしめた。 もちろんこれで香港政府が民主派の要求を聞き入れるはずもないが、一連の抗議行動に対して香港市民は支持するという民意が明確なった意義は大きい。 「これで香港はさらに混迷を深める」などという意見もあるが、それは無責任な第三者の論評…

久しぶりに民主主義のチカラを見せつけてくれた。香港区議会選で民主派圧勝!

「桜を見る会」狂想の国会と報道

今度は「桜を見る会」です。森友・加計問題で国会をあれほど空転させながら、安倍政権を倒せなかったばかりか、かえって政権の支持基盤を固めてしまった失敗にも野党は懲りません。菅原一秀経産大臣、河井克之法務大臣の辞任を受け、安倍総理の「任命責任」を追及しようとしたものの、天皇即位の諸行事もあったことから盛り上がりを欠いた。そんなところに降ってわいたのが安倍総理の「桜を見る会」スキャンダル。しかし地元支持者…

「桜を見る会」狂想の国会と報道

ラグビーW杯 最強の日本代表を創ったリーダーシップ

歴史を変えたジェイミー・ジョセフ 「このチームが変わったのはジェイミー・ジョセフのおかげだ。彼がチームを引っ張り、ラグビーを教えてくれた」 日本代表チームはベスト4をかけた南アフリカ戦に敗れはしたものの、予選リーグではラグビー強豪国のアイルランドとスコットランドを撃破、4戦全勝で史上初の決勝トーナメント進出を果たしました。世界に通じる堂々たる実力を備えたことを証明してみせました。冒頭のコメントは南…

ラグビーW杯 最強の日本代表を創ったリーダーシップ

タカラベnews&talk

BSイレブンの私の番組がリニューアルします。新番組名は「タカラベnews&talk」。毎月最終金曜日、21:00~22:00。 時事ニュースを10分ほど解説した後に、政治・経済界のキーパーソンとの対談です。 第1回目(10/25)のゲストは三井住友フィナンシャルグループ 社長の太田純さん。フランクでオープン、いわゆる「銀行員ぽくない人」という評判です。初対面ですが、思い切り突っ込んだ内容の対談にし…

タカラベnews&talk

創業214年の老舗、船橋屋を変えた“社内総選挙”

「伝統とは革新」である。 数百年もの歴史を刻んで今に生きる老舗は「革新」の塊なのです。でもくず餅の船橋屋ほど劇的に「革新」起こした例は滅多にあるものではありません。創業214年、船橋屋8代目の渡辺雅司社長の革新力は、資生堂の魚谷雅彦社長にも通じるエモーショナルリーダーシップでしょう。 革新の始まりは社内総選挙で、当時33歳だった佐藤恭子さんを執行役員に大抜擢したことだと思います。老舗まるごと企業文…

創業214年の老舗、船橋屋を変えた“社内総選挙”

日韓 この先にある未来

●フィンランドの歴史問題 隣国どうしの関係は世界中どこにいっても複雑です。長い歴史の中では隣国同士が領土をめぐって激しく争った歴史があるからです。いまや世界が羨む理想的な福祉国家を実現している北欧でも隣国同士の争いの記憶が今でも厳然とあります。 フィンランドに取材に行った時のことです。日本語が堪能な現地のコーディネーターと夕食をしました。小林聡美・片桐はいり・もたいまさこ主演の映画「カモメ食堂」(…

日韓  この先にある未来

データ至上時代のモノづくり

大阪柏原市にある中堅メーカー、サムテック(株)を取材した。 米国、タイ、メキシコとグローバル展開をするサムテックは熱間・冷間鍛造による自動車部品から、NASAの宇宙ステーションや、打上げロケットの高圧ガス容器まで手がける。高度な生産技術を持っているだけではなく、製法の進化、ビジネス分野の拡大、高度な生産技術から派生したを検査・解析・一点ものの見本作りなど、ビジネスモデル自体の拡大など、絶え間ない進…

データ至上時代のモノづくり

GSOMIA破棄 文在寅のひとり相撲は静観していればよい

韓国政治の専門家は異口同音に「GSOMIA破棄は驚きだ」という。まあ、おうおうにして専門家ほど間違えるのだ。専門家は過去の延長で未来を語るから、からきし「変化」に対応が出来ない。感情過多の文在寅ならそれくらいやりかねないという想定があっても良さそうなものである。 日本には何を言っても、やっても、大丈夫だと思い込んで反日を政府をあげて煽っていたとこへ、思いもよらず日本からの反撃(ホワイト国外し)を食…

GSOMIA破棄 文在寅のひとり相撲は静観していればよい

大村愛知県知事 看板倒れの「表現の自由」

開催からわずか3日で中止に追い込まれたあいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」。主催者である愛知県の大村知事が追い込まれています。昭和天皇の肖像を燃やし踏みつける作品(敢えてそう言います)や韓国の慰安婦像(作品名は少女像)などの展示に対して名古屋の河村市長が「日本人の心を逆なでする。そんなものに国民の税金を使うのはいかがなものか」とテレビの取材で批判。これに対して大村知事は「公権力に…

大村愛知県知事 看板倒れの「表現の自由」

危機に立ち向かう覚悟なし 吉本興業社長会見

「危機管理の現場は修羅場である。知識や小手先の技術論は通用しない。成否を分けるのは経営者の『危機に立ち向かう覚悟』である。これなしに危機を克服することは決してできない。企業を人の体にたとえれば、不祥事は悪性腫瘍のようなものだ。危機的状況を脱するためには、病巣を特定し、断固とした外科手術でこれを取り去ることが不可欠である。『大したことはない』と外面を取り繕い、痛み止めで症状をごまかすような対応は必ず…

危機に立ち向かう覚悟なし  吉本興業社長会見

参議院選挙は安倍政権に対する信任投票でしかなかった。

今回の参議院選挙に私の知人が立候補した。選挙戦の様子は逐一、SNSにアップされていたが、その姿はまさに死闘。雨の中ずぶ濡れになっての辻立ち。県内2500カ所を訪ねて有権者の手を握りながらのお願い行脚。それは「昭和」の選挙。「令和」になっても日本の選挙風景は変わらない。 「昭和」の姿は選挙スタイルだけではなく、野党の存在も「昭和」だ。 NHKの開票行動の分析によると「老後2000万円問題」も「消費増…

参議院選挙は安倍政権に対する信任投票でしかなかった。

韓国から戦略物資の不正輸出 4年で156件

「FNNが入手した韓国政府作成のリストによると、2015年から2019年3月にかけ、戦略物資が韓国から流出した不正輸出案件は、156件にのぼることがわかった。北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺の際に使用された神経剤「VX」の原料がマレーシアなどに不正輸出されたほか、今回の日本の輸出優遇撤廃措置に含まれるフッ化水素も、UAE(アラブ首長国連邦)などに不正輸出されていた」 歴史を知れば知るほど、…

韓国から戦略物資の不正輸出 4年で156件

年金2000万円問題、参院選争点化の愚

「老後2000万円問題『参院選の争点化』に財部誠一がモノ申す」 なんとも仰々しいタイトルですが、iRONNAにアップされました。 書き出しはこんな感じです。 正直言って「老後2000万円問題」を真面目に論じることほどバカバカしいことはない。 そもそもこの「騒動」はメディアが「政府が年金など公助の限界を認め、国民の『自助』を呼びかける内容になっている」などとミスリードしたことが発端だ。新聞、テレビお…

年金2000万円問題、参院選争点化の愚

「闇営業」で反社、 問題は芸人のモラルではなく吉本興行の反社的体質

歴史的に興行は反社会勢力が仕切ってきたことくらい誰でも知っている。吉本興行HDの大崎社長は国内ではなく、出張先のバンコクで、共同通信の単独インタビューに応じた。 「(会社を)非上場とし、反社会勢力の人たちには出て行ってもらった。関わった役員や先輩も追い出し、この10年やってきたつもり」 それは評価されてしかるべきだろう。しかしまともな企業がこれほどの社会問題を起こせば、通常はメディアから袋叩きにあ…

「闇営業」で反社、 問題は芸人のモラルではなく吉本興行の反社的体質

りそなが守る「非常識」。故細谷英二さんの遺訓

日経電子版の連載『メガバンカーズ』の第4回目は、3メガにつぐ金融グループのりそなホールディングス。 主役は経営難に陥り事実上国有化されたりそなHDの救世主となった元会長、故細谷英二さん。 「りそなの経営者たちは、自らが『ホソヤ銀行』であることを信じて疑わないバンカーたちなのだ。 主導権、メンツ。そんなことにはこだわらないのがホソヤ流、そして今のりそな流だ」 細谷さんなかりせば、国鉄民営化は実現しな…

りそなが守る「非常識」。故細谷英二さんの遺訓

日産 西川廣人社長 何のためのクーデターだったのか

『文藝春秋』(7月号)にカルロス・ゴーンとともに逮捕されたグレッグ・ケリー 前日産代表取締役のインタビュー記事「西川廣人さんに日産社長の資格はな い」が掲載されている。 記事全体の大きな見出しは3本。 🔴疑惑の核心「秘密の雇用契約」には西川社長がサインした 🔴「不動産購入」を要求したのは、ゴーンだけではない 🔴西川社長が手にした強欲すぎる「株価連動型…

日産 西川廣人社長  何のためのクーデターだったのか

「老後2000万円」のフェイク報道につけ込む野党、逃げる麻生財務相。正しいのは「報告書」だ!

誤った情報を拡散するメディアも酷いが「待ってました」とばかりにフェイク報道を政治利用する野党は下劣だ。だが野党に押し込まれて報告書の受理を拒絶した麻生財務相は下劣の極みである。政府与党が火消しに走る理由は、報告書が年金の支給減額の可能性に触れたからだ。しかし金融審議会の「報告書」はごく当たり前のこと言っているにすぎない。フェイクニュースから始まったドミノ倒しで葬られてしまうことに憤りを禁じ得ない。…

「老後2000万円」のフェイク報道につけ込む野党、逃げる麻生財務相。正しいのは「報告書」だ!

老後2000万円報道の嘘八百

私は怒っている。日本の報道機関のデタラメぶりにだ。 「年金は限界『2000万円貯蓄を』」 6月3日に公表された金融庁の報告書がメディアから袋叩きにあっている。「自助」を強調し、国民を突き放す金融庁は無責任だと、新聞、テレビがいっせいに報じた。だが無責任なのは金融庁ではない。メディアだ。国民の不安を煽るニュースは“美味しい”というメディアのさもしさが極まったのがあの「2000万円報道」なのである。 …

老後2000万円報道の嘘八百

アクセルとブレーキ踏み間違え事故、ローテクで撲滅

クルマが時速10キロ未満の時に、ドライバーがアクセルを強く踏み込んでも、エンジンの回転数が上がらず急発進を防ぐことができる装置が売れているという。 この装置の良さは、どのクルマにも後付けできることだ。高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違え事故の減少に間違いなく効果を発揮するだろう。 価格が3万円以上するこの装置を自ら、あるいは周囲の勧めによって装着するドライバーは、そもそも用心深い。 問題はのは「…

アクセルとブレーキ踏み間違え事故、ローテクで撲滅

中内功の鬼気迫る夢

現在の流通業界を牽引する企業の経営幹部の方と食事をする機会があり、創業者は常人には推し量れぬ特別な資質を備えているという話になった。その時、何年かぶりに中内功さんのことが頭に浮かんだ。 ダイエーの創業者で戦後日本の流通業界に革命をもたらした比類なき経営者だ。阪神淡路大震災以前に引退していれば、松下幸之助と肩を並べる歴史的な評価を得たかもしれない。しかしバブル崩壊でダイエー帝国が総崩れしていくプロセ…

中内功の鬼気迫る夢

ドン底のタイガーを見放さなかったナイキ

4月にマスターズを制し、11年ぶりにメジャー優勝したタイガー・ウッズ。 女性スキャンダルから始まった数々の醜聞、たび重なる怪我、誰もが「終わった」と感じていたタイガーのどん底からの復活には心揺さぶられた。タイガーが舐めた辛酸はいかばりであったか。世間からもマスコミからもスポンサーからも見捨てられたタイガーを支え続けたのは家族とナイキだ。 ドン底まで転落した人間の再起を信じ続けたナイキは凄いね。この…

ドン底のタイガーを見放さなかったナイキ