TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

COVID-19 製造業のリアルな責任感の連帯

PCR検査キット100万個提供で炎上した孫さんが、今度はマスク3億枚を利益なしで毎月提供するとTwitterに投稿した。黙ってられないんだな。まず世間にぶち上げる。本当にやれるのか? 世の為、人の為、是非とも実現してもらいたい。

メディアやネットはこうしたド派手な投稿にばかり目を奪われるが、日本の多くの企業が感染対策に立ち上がっている。
たとえばトヨタを筆頭とする自動車関連の業界団体の取組みだ。

まずマスクの自給自足体制づくりだ。自分たちが必要とするマスクを自分たちで生産すれば、社会全体のマスク需給を緩和できるからである。

次に隔離施設の提供だ。医療崩壊を防ぐために研修所や寮を隔離施設として提供する。トヨタグループだけで1500室、その他の業界団体で1500室、合計3000室を用意するという。

人工呼吸器製造の期待にも応えていく。製造法は既に取得。どう効率の良い生産方法を確立するかという段階に入っている。

さらに重要なことは日本経済に対する責任感も強い。そもそも自動車業界は日本全体の就業員数の1割を占めるうえ、他産業への波及力が一番大きな業界である。
今、自動車業界が雇用や技術を守れなければ、日本経済の将来にも甚大な影響を与えてしまう。モノづくりというリアルの産業の重要性を、私たちはコロナ禍で嫌というほど味わっているではないか。

人間はデジタルだけでは生きていけないのだ。デジタルが重要なことなどいうまでもない。だがリアルな産業のリアルな連帯の重みをしっかりた感じていきたい。