TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

「空気」に支配されたコロナの恐怖

国別の死因別死者数を見ると、アメリカ、フランス、イギリスなどの欧米諸国は、新型コロナによる死者数が心筋梗塞、脳卒中など主要な死因を圧倒しています。
対照的に日本、韓国、オーストラリアなどのアジア諸国ではコロナは死因の最下位です。
医療の現場で働く診療医は「死者数という視点では、日本のコロナの現状は危機的な社会インパクトを与えるものでない」と言いきります。
また日本の医療インフラからすれば「医療崩壊の危機」がいとも簡単に起こっている現状に大きな違和感を覚えます。なぜこんなことになっているのでしょうか。
現代ビジネスに寄稿しました。
こんな書き出しです。
「いまのテレビ報道を見ていると戦時中の記憶がよみがえる。大阪の大空襲の中を母親と一緒に逃げ回ったことを今でも鮮明に覚えている。どこのチャンネルをひねっても、同じ顔ぶれの医者がでてきて医療崩壊だ、緊急事態宣言だせ、言うことをきかない奴は罰しろと叫んでいます。戦時中と一緒ですわ。異論が言える雰囲気ではない」
京都手描友禅を代表する染匠、藤井寛氏はコロナ禍の日本には戦時中と同じ空気が流れているという。1935年生まれ。小学校3年生の時に大阪大空襲の火の海を母親と逃げ惑った。皇后陛下(現上皇后)の訪問着や皇太子妃殿下(現皇后)の御振袖など数々の皇室の着物を手掛けてきた。染匠とは、意匠の考案から染めの仕上げまで、15前後に分かれた京都手描友禅の工程を統括する役割だ。工程のひとつひとつを仕上げる職人の技を統合し、完成された美へと導いていく目利きだ。85歳になったいまも現役で第一線にたっている。
「戦争体験を語れる人も少なくなったが、言論統制され国民がみな一方向に向かっている居心地の悪さをコロナの今、思い出す」
この異常性のよって来る原因は、コロナを指定感染症2類(1類相当)としてきた厚労省医系技官の大失態にたどりつきます。民間の診療医が手が出せぬようにした元凶は頑なまでに分類変更を拒絶した厚労省です。
コロナを軽く考えろなどと言うわけではない。
この不寛容な社会のあり方にもしっかり目を向けなくてはいけない、ということです。