日経電子版の連載『メガバンカーズ』の第4回目は、3メガにつぐ金融グループのりそなホールディングス。
主役は経営難に陥り事実上国有化されたりそなHDの救世主となった元会長、故細谷英二さん。
「りそなの経営者たちは、自らが『ホソヤ銀行』であることを信じて疑わないバンカーたちなのだ。
主導権、メンツ。そんなことにはこだわらないのがホソヤ流、そして今のりそな流だ」
細谷さんなかりせば、国鉄民営化は実現しなかったと言われるほど知勇兼備の逸材だった。
2003年にJR東日本の副社長からりそなHD会長に就任するや、銀行の常識を全否定。その遺訓がいまもりそなHDの経営者たちの心の中に脈々と生きているとのこと。
嬉しかった。
細谷さんは文字通り命がけで国鉄民営化を主導し、りそな再建に心血を注いだが、2013年に志半ばで急逝した。しかし彼の哲学が今も生きていることが無性に嬉しかったのだ。
JR時代から取材で何度となくお世話になった細谷さんはキレ者にして人物温厚。本当に稀有のリーダーだった。私も多くを学ばせていただいた。