TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

長嶋茂雄とイビチャ・オシムが私のロールモデル

10年前、脳梗塞で初台リハビリテーション病院に入院していた時の一枚。当時、時折、長嶋茂雄さんが自主トレに来ていた様子を目にした。お世話になった理学療法士によれば、長嶋さんと同じくらいリハビリに執念を燃やし、結果も出した人は一人しかいなかったという。それはサッカー元日本代表監督のイビチャ・オシム氏だ。彼は完全に社会復帰し、後に母国ユーゴスラビアの代表監督まで務めた。
この二人の共通点はリハビリトレーニングの意味を理解した上で、実践を徹底したことだと聞いた。私も二人に倣って24時間リハビリのために使おうと背中を押してもらった。
ちなみに最もリハビリの効果を出せないのは弁護士だとも聞かされた。理由はトレーニング時間中、質問ばかりして、実際にリハビリをする時間が極端に少なくなってしまうからだとか。個人的な印象だろうが、説得的だ。私はその轍を踏まぬように質問はリハビリ時間外に集中的にしていた。
長嶋さんのおかげで脳卒中リハビリへの社会的関心が飛躍的高まった。ミスターの存在感の大きさは最後まで圧巻だった。ご冥福をお祈りする。