TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

デジタル競争力ランキング 日本は世界最下位

「ちょっと残念な統計ですが、IMDが国際デジタルデジタル競争力ランキングを毎年出してるんですけど、2022年の結果を見ると、日本は順位を落として63カ国中29位。この順位は54項目の指標の合算値ですけど、“ビッグデータの活用”という項目では、日本は63カ国中63位なんですよ」
ブレインパッドの創業者、高橋隆史社長(CEO)はこの体たらくを他人事と突き放して見ることができない。なぜならブレインパッドは「データ活用を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げているからだ。
「創業したのは2004年、まだビッグデータなんて言葉もない時できでした。人口減少の日本こそ今後爆発的増えていくデータの力で生産性を上げていかなければいけない時代が来るという思いでこの会社を作ったからです。データというマーケットを発見した自負はある一方、19年間もやってきてデータ活用にどれほど貢献できたのかなと若干悲しい面もある」
とはいえ、ブレインパッドはいまや企業のみならず事業会社も喉から手が出るほど欲しいデータサイエンティストを200名も抱えるデジタル時代のドン真ん中にいるIT企業である。上場も果たし、一般的には大成功の部類にはいるが、自社の現状は、ミッションには遠く及ばない。一旦は退いた代表取締社長CEOに4年前に復帰した。
「データというのは結局のところITのシステムが吐き出すんです。ところが日本の大多数の企業が持っているデータはオペレーションに関するものばかり。バックオフィスの大量のデータをいくら分析してもビジネスチャンスにはつながりません。僕らの成果もコスト削減中心だったわけです。正直僕らはクライアントのビジネスモデルを変えるところまで僕らの責任だと当時は思っていなかったんです。それではいかんと4年前に社長に戻ったタイミングからコンサル職を急増させ、今は600人の社員中100人以上がコンサル職につき、お客さんのビジネスに寄り添いながらベースモデルを変えるお手伝いをしたり、僕らから提案できる体制を整えたりしてきました」
世の中に「データ活用」という言葉は氾濫するが、活用できるIT化されたデータが少なくて活用のしようがないというのが日本の現状だ。このお寒い状況はChatGPTなどの生成AI時代に突入してなお一層厳しくなってきた。独自のデータを生成AIに学ばせようにもデータがIT 化されていなければ学習のしようがないからだ。
日本のデータ活用率はわずか3%にすぎない。だが高橋さんの考え方はこうだ。
「逆を考えれば使えるデータがまだ97%も残っている」
マイナンバーカードの不備を批判している暇があるなら自社データのIT化に注力した方がいい。それが初めの一歩だ。