トランプの行動原理いくつかあるが、安全保障上のプライオリティは対中国戦略だ。米国最大の脅威として中国をみなしている。
ウクライナ停戦合意交渉のプロセスで見せたトランプの「親ロシア」は「対中国」に他ならない。それは今回の相互関税でもあからさまである。
南極近くの無人島にまで10%の関税をかけているのにロシアへの関税歯なんとゼロである。
ロシアへの特別な配慮は、中国との武力紛争を想定した時に、ロシアとの二正面作戦だけは避けたいとの計算が働いているからだろう。
米国が重要鉱物資源を中国に大きく依存している。レアアース、グラファイト、リチュウム、コバルトなど需要鉱物は
世界に点在してはいるけど、の精錬・加工のサプライチェーンは中国の独占状態だ。
たとえばEVや風力発電に不可欠なレアアースは90%、リチュウムイオン電池の負極剤に使用されるグラファイトに至っては100%中国の独占。トランプがウクライナとロシアの停戦条件に「重要鉱物資源」に執着する理由もここにある。中国との武力衝突を意識してのことに他ならない。
相互関税の国別の税率を見ても対中国戦略があからさまだ。中国に34%の追加関税(合計59%)を課しただけではない。中国企業が生産拠点を大量に移しているベトナムに46%もの高税率をかけている。
ベトナムには日本企業も多数進出しておりとばっちりもいいところ。繰り返すがロシアへの相互関税はゼロだ。
トランプ関税からは米中戦争の未来が透けて見える。トランプを単細胞のバカ扱いするのはやめた方がいい。