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12月26日(金)

【敗北主義にお別れを】

「米国がくしゃみをしたら日本が風邪をひく」

日本の大人たちはそう信じ込んできた。日本人の対米依存症は
政治、経済を超え、精神性そのものにまで染みこんでいる。
アメリカン・スタンダードをグローバル・スタンダードに
仕立て上げようという米国の思惑に、多くの日本人はなんの疑いも抱くことなく
アメリカン・スタンダードこそが絶対正義と信じ込んできた。

米国発の金融危機は、短絡的な米国崇拝を続けてきた日本人を
覚醒させるに十分な衝撃をもっていた。
単純な米国追随を良しとしてはいけないという機運はじゃっかんなりとももりあがってきた。
だがそれは日本人の思考の表層で起こった微々たる変化にすぎない。

米国経済がだめになったら、自動的に日本経済は沈没するというロジックから
日本人はまったく抜け出せていないし、抜け出そうとも思っていない。

相変わらず日本では「米国がくしゃみをしたら日本が風邪をひく」がまかり通る。

考えてほしい。

米国はいまや重体だ。
過剰な精神的対米依存症から抜け出せない人は常にこう言う。

「米国が重体になったら、日本は絶命する」

これが従来の思考パターンの延長線上には、こんな結論しか描けないのだ。

絶命でいいのか?

それがいやなら、米国経済の沈滞が日本経済の沈没に直結するかのような
敗北主義からいいかげん抜け出さなければいけない。 「2009年はどうなるか?」ではなく、

「2009年をどうするのか?」

それが日本に突きつけられた命題だ。
そのためにも、もうそろそろ敗北主義に「お別れ」を言うべきだろう。

12月25日(木)

【続「派遣切り批判をあえて批判する」】

前回のコラム「派遣切り批判をあえて批判する」がBPnetのサイトに掲載されるやいなや、
私のHPにも様々な声が寄せられた。

「企業サイドの人々からも反響」

無数の罵詈雑言とともに、いまや物言えぬ立場に追いやられた
企業サイドの人々からも少なからぬ反響があった。
象徴的なメールをひとつご紹介しておこう。

「弊社も派遣・期間工の雇用問題に関しては世間からお叱りを頂いておりますが、
 確かに大胆な決定だったかもしれないと思います。
 しかし、弊社は数年前の大リストラの記憶が今も皆の胸中にあります。
 一旦経営危機に陥った企業の苦難と惨めさの記憶がトラウマとなり、
 弊社は他社以上に不況に対する感応度が高いのかもしれません。
 確かに職を失う多くの人々に対しては同情致します。
 実際、生産の現場では正規社員も派遣も期間工も関係なく
 同じ職場の仲間であったことにはかわりなく、
 今回の雇用打切りに関しても皆心を痛めております。
 経営としても苦汁の決断だったと思いますし、
 私もその経営判断は正しいものと信じております。
 経営判断と弱者救済の話は区別して考えないと日本の企業は皆弱体化してしまうと思います。
 また弱者救済・支援に関しては企業責任・個人責任・行政の責任が夫々ありますが、
 弊社も企業として出来ることに関しては十全の取組みをすべく努力したいと思います」

02年から07年の5年間、日本はいざなぎ景気を超え、戦後最長の経済成長を実現したが、
最大の原動力となった自動車産業はいま、危機的な状況に直面している。
12月24日付の日経新聞のコラム『自動車クライシス』のなかにこのような記述がある。

「米調査会社CSMワールドワイドは世界の自動車工場の平均稼働率が来年以降、7割以下に下がると予測する。
 世界一、二位のゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車の二社分を越す生産能力が余る計算。」

日経BPnetにも原稿アップしました。どうぞご覧ください。

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12月12日(金)

【派遣切り批判をあえて批判する】

“派遣切り批判”を批判したい。マスメディアはつねに短絡する。

雇用調整は企業として当然の判断だ

自動車業界を中心に凄まじい数の非正規労働者がクビを切られている。
自動車業界だけでも2万人を優に超える。それも契約期間の途中で、いきなり解雇だ。
年の瀬を目前に突然、寒空に放り出される人々の憤激と不安はいかばかりであろうか。
クビを切られる側がクビを切る側に、厳しい叱責を浴びせるのは当然のことだ。

だがマスメディアが安っぽい正義感を振りかざして
“派遣切り批判”を扇情的に繰り返す姿こそ批判されてしかるべきだ。
いざという時に雇用調整に踏み込むことは、企業として当然の経営判断だ。

ところが日本の労働法制はそれを簡単には許さない。
2000年代初めの不良債権危機当時、経営危機に瀕した大企業が
続々とリストラをしたということになっているが、それは違う。
日本の労働法制では正社員を一方的に解雇することはできない。
当時「リストラ」と呼ばれた中身は「希望退職の募集」だ。
倒産の危機が目前に迫っても、日本の企業は割増し退職金を払い、
人件費を急増させるというプロセスを経なければ、雇用調整ができなかった。

本来ならここで、日本の労働法制を真正面から見据えて、
企業の解雇権と解雇される労働者の権利を守るための法改正や
社会的なセーフティネットの構築をしなければならなかった。
だがこれを素通りして、派遣をめぐる規制緩和だけが推し進められたところに
問題の根があったのだろう。

日経BPnetにも原稿アップしました。どうぞご覧ください。

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12月03日(水)

【Team of Rivals】

第16代米国合衆国大統領リンカーンは激しく対立するライバルたちを
入閣させ衆智を集めたことで知られます。
その組閣手法は"Team of Rivals"と呼ばれ、
Doris Kearns Goodwinが書いたリンカーンの自伝のタイトルにもなっています。

来月20日に大統領就任をひかえたオバマ氏はまさにリンカーンの組閣手法を踏襲し、
ヒラリー・クリントンの国務長官起用をはじめ、
民主、共和両党から続々とライバルたちをオバマ政権に取り込んでいます。

その手法には米国内でも賛否両論あるようですが、
総力をあげて米国再生に邁進するという
若い大統領の強い意思と鮮やかなリーダーシップを感じずにはいられません。

ひるがえってわが国をみたとき、言葉にも政策にも一貫性を欠く
麻生政権を目の前に、暗澹たる気持ちになります。
「政局より政策だ」と大見得を切りながら、
年内に2次補正予算を組んでさらなる景気刺激策をすることは拒否。
道路特定財源の一般財源化にともなって
「1兆円は地方に自由に使ってもらう」とぶちあげたものの、
自民党道路族に圧されて「1兆円は道路建設に限定する」ことに。
レイムダックもいいところです。
公務員制度改革も無策のまま先送り。
有象無象の抵抗勢力に何も言えぬ麻生首相を首相とも思わず言いたい放題の自民党。

哀しい限りですが、見ようによっては麻生自民党も"Team of Rivals"。

それにしても彼我(ひが)の政治状況の違いに唖然とさせられます。

政治がここまで信頼を失い、敗北主義一色なりつつある日本にとって、
実効性のある景気対策があるとすれば、それは"総選挙"です。
レイムダック状態の麻生政権の継続は政治空白いがいのなにものでもありません。

11月26日(水)

【公務員制度改革を忘れるな】

次官や局長、審議官など官僚の最高幹部の人事権を内閣が一元管理して、
公務員のあり方に抜本的な変化を打ち込もうと立ち上げた
「公務員制度改革」が頓挫しかけている。

政権交代のたびに冷え込んだ改革への熱意――

体調不良があったとはいえ、突然の政権放り投げの衝撃があまりにも強すぎたために、
安倍内閣にはていたらくなイメージだけが残ってしまったが、
安倍元首相が取り組んだ政治課題には、重要なものがいくつかあった。

なかでもおおいに評価されてしかるべきは「公務員制度改革」だ。
次官、局長、審議官など、省庁の最高幹部に対する人事権を内閣が掌握することで、
日本の公務員制度を抜本的に塗り替えようとする政策だった。
その実現を目指した渡辺喜美元行革相もきわめて意欲に取り組んだ。

私は『サンデープロジェクト』に出演した渡辺元行革相に
「手ぬるい」と厳しい言葉をぶつけたこともたびたびあったが、
それはよりよい改革をして欲しいからに他ならなかった。
渡辺元行革相自身は安倍政権崩壊後も「公務員制度改革」には
相当の執着をもってのぞんできたが、
福田内閣、麻生内閣と移り変わるプロセスで、
「公務員制度改革」は骨抜き同然になってきた。

組織は人事とカネがすべてである。
人事権と予算編成権を握り続けることが権力の源泉だ。
したがって各省庁が最高幹部の人事権を容易に手放すわけがない。
あの手この手で役人が切り崩しにかかることは自明の理で、
それを押さえ込むには、強力な政治のリーダーシップが不可欠だった。
だが福田、麻生と政権交代するたびに、公務員制度改革への熱意は急速に冷え込んだ。

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11月05日(水)

【金融恐慌より恐ろしい日本政治の実情、処方箋を北欧に学ぶ】

世界を恐怖に陥れた金融恐慌はまだ始まったばかりだ。
パニックに陥った金融システムが落ち着きを取り戻してから、
欧米金融機関の本格的な不良債権処理が始まる。
厳しい査定により、不良債権の全貌が浮き上がってから、
厳しい合理化と苛烈な社会的批判にさらされながら不良債権処理は進んでいく。

日本は「多極」の中の「一極」になれるか――
ベルリンの壁崩壊後に世界秩序は一時的に米国一極を軸とした時代を迎えたものの、
すでに時代は米国一極時代から多極時代へと移行しつつあった。
米国の金融崩壊はこの流れを一気に加速させる。
日本にとっては世界の中で主要なポジションを獲得するまたとない好機だ。
「多極」の中の「一極」に日本がなれるか、どうか。
今ほど戦略的な外交が求められている時はない。

もっとも外交と同等以上に、内政も歴史的な転換点を迎えている。
フローの景気も重要だが、日本の苦しさは足元の不況を克服した先に
青空が見えないことだ。
不況というフローの経済問題を解決したところで、
少子高齢化にまったく対応不能に陥ってしまった
日本の構造問題は置き去りにされたままである。

1億2600万人の人口が2050年には9000万〜9600万人に
減少するという予測は何も変わらない。
漫然と時を過ごせば、日本の国内市場はひたすら縮小する。
しかも既に、年金、医療、介護の社会システムは崩壊している。
単純な楽観論など入り込む余地すらない。

日本にとって本当に恐ろしいのは「金融恐慌」などではない。
人口減少社会に突入していながら問題解決の具体的なメニューすら示せないという
日本固有の事情の方がはるかに深刻だ。

日本にとって最重要な政策は、足元の景気回復に最大限の目配りをしつつ、
人口減少社会を乗り切るための具体的なメニューを示すことである。

そんな問題意識から北欧取材にでかけた。

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10月31日(水)

【農業が日本を救う】

昨日、ある政治家の支援者を集めた勉強会で「農業」の話をしてきました。

じつはこの手の依頼が急増しています。
株式市場がやや落ち着きをみせてきたこと、
常軌を逸した急ピッチの円高を続けてきた為替市場にも速度調整色が見えてきたことから、
世の中の空気も少しはやわらいだようです。
もっとも政治は混迷を深めるばかりで総選挙の日程が棚上げ状態のまま、
麻生総理は「100年に一度の暴風雨」に耐えうる景気対策が必要だという名目のもとに、
2兆円の定額減税に象徴される「選挙対策」をバラマキ続けています。

総選挙の日程が棚上げ状態のまま、麻生総理は「100年に一度の暴風雨」に
耐えうる景気対策が必要だという名目のもとに、
2兆円の定額減税に象徴される「選挙対策」をバラマキ続けています。

一方で米国の経済統計をみれば、第3四半期(7〜9月)の経済成長率がマイナス0.3%と昨日発表されました。
暴力的ともいえる株式市場の大暴落によって急速に冷え込んだ米国の個人消費を考えると、
第4四半期の成長率もゼロないしはマイナス成長となる見込みが高い。
米国には明確がリセッション(景気後退)の定義があります。
「第2四半期連続でゼロ成長もしくはマイナス成長に陥る」ことです。
その影響が世界経済、日本経済に今後どのような影響をおぼしていくのか。
過度な悲観にも過度なに楽観にも陥らず、冷静、客観的に見ていきたいと思います。
本レポートでも景気については随時、発信をしていきます。

こういう情勢ですから、マスメディアではあれほど危機的だと騒がれた「食糧自給率」も「耕作放棄地」も、
そして「食の安心・安全」を脅かす諸問題も、すっかり影をひそめてしまったようですが、
世界的な金融市場の大崩壊はいずれ解決にいたります。
時間の問題といっていいでしょう。
しかし世界の金融システムが再び安定をとりもどしても私たち日本人が直面している問題は何ひとつ解決しません。
目前の危機への対応とともに、日本という国が抱え込んでしまった年金や医療、そして食の問題等々、
構造的かつ致命的な問題解決に対峙して行く執着を失ってなりません。

11月の20日過ぎにPHP研究所から『農業が日本を救う』を出版することになりました。

サブプライム問題とはまったく無関係に日本の地方経済は壊滅的な打撃をうけています。
ただでさえ高齢化が進み、地方では過疎から限界集落へという厳しい現実が進行しています。
本書出版の目的は沈み行く一方の地方経済再生のためには
農業の活性化いがいに選択肢がないことを明らかにしつつ、
過疎から限界集落へと転落しつつある地域をもう一度再生させうる農業とはいったいどういうものなのか。
そのための具体策にまでふみこんだものです。

10月15日(水)

【金融パニックのNYから見た日本の滑稽なパニックぶり】

10月7日、1週間の取材予定で、NYに到着した。

金融帝国アメリカの崩壊の真相を取材するためだったが、
私が滞在した1週間、NYダウは5日連続の大暴落となり、
12日(金)には一時、7000ポイント台まで売り込まれた。
まさにPANIC WEEKだった。

前FRB議長は「100年に1度の金融危機」と表現

アラン・グリーンスパン前FRB議長の語った
「100年に1度の金融危機」という言葉をまさに体現する大暴落。
「NY株式市場112年の歴史の中で最悪の1週間だった」とNYタイムズも伝えていた。
まったくの偶然だったが、この最悪の1週間をNYで目撃することができた。
著名なエコノミストやCFR(米国外交評議会)で経済を担当するメンバー、
あるいは銀行関係者、さらには米国トップクラスの不動産会社社長などに、
時間の限り、話を聞くことが出来た。

NY株式市場が恐怖と不安に悲鳴をあげている、まっただなかで、
彼らの表情やしぐさをみながら、話が聞けたことは、
私にとってはかりしれない意義があった。
9月15日に140年続いた名門投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻が
米国社会に与えた衝撃は日本からは想像もつかぬものがあった。

「リーマンは老舗中の老舗、
 米国の主要企業でリーマンと取引をしていない会社はないくらいの名門投資銀行です。
 9月に入ってからリーマンの経営危機は話題にのぼっていたが
 それはありえないと金融関係者の多くがたかをくくっていた。
 それだけにリーマン破綻の衝撃波が巨大なものになってしまった」
しかもこの日、メリルリンチも経営危機にさらされ、
バンカメの傘下で生き延びることが明らかになった。
金融帝国アメリカは投資銀行と商業銀行の両輪が激しく回転を続けながら世界を牛耳ってきたが、
片方の巨大な輪が脱輪してしまったのだ。
邦銀のNY駐在員たちにも、これから米国の金融市場はどうなってしまうのかという
恐怖感がこみあげたという。
そしてNY市場ではモルガン・スタンレーはもちろんのこと、
最強の投資銀行であるゴールドマン・サックスまでが「次の標的」とされ、
激しく売り込まれていった。

金融帝国アメリカの崩壊が決定的になった瞬間だ。

東京市場の暴落は単なる「いいがかり」だ。
リーマン破綻をきっかけに米国の金融危機は完全にフェイズが変わった。
そこから先は、恐怖と不安だけが支配する暗闇に突入したといっていい。
それが世界的なクレジット・クランチだ。
クレジット・クランチとは端的にいえば「いつ相手が倒産するかもしれない」という
疑心暗鬼で「カネを貸せない状態」に陥ることである。
銀行が企業や個人に対して銀行がシビアな貸し渋りに陥るだけならまだ救いがあるが、
今、欧米の金融市場では、危なくて
銀行同士が短期間の資金を融通しあうことまで出来なくなってしまった。
毎日、資金の過不足をお互いに融通しあう
インターバンク市場(短期金融市場)は、「金融市場」の土台である。
これが崩れてしまった。
欧米の金融システムは著しい機能停止に追い込まれ、
すべての金融取引の流れに支障が生じてしまった。
だから世界の株式市場が未曾有の大暴落を連日、続けたのである。

NYでの取材はきわめて興味深いものであったが、
NYでの取材を終えて呆気にとられたことがある。
それは「日本のパニックぶり」だ。
はっきりいって、NYから見ていると悲しいほど、滑稽だ。
確かに日経平均が8000円台まで暴落し、
大和生命破綻という予想外のショッキングな事態まで起これば、
恐怖が日本中を覆うこともわかる。
そこまで株価が下がれば、個人も企業もとんでもない含み損を抱えて
不安心理が高まるのも当然だろう。

だがこれは欧米で起こったクレジット・クランチが
世界の金融市場を麻痺させていることがその最大の背景であり、
日本経済の健全性を考えれば、東京市場の暴落は単なる「いいがかり」だと認識すべきだ。
日本は元来が心配性で、「危機のようなもの」が来ると、
それがいったいどれほどの真実味をもって現れた現象なのかを冷静に分析することもなく、
ただただ「危機だ、危機だ」と騒ぎ立てる"有識者"が多すぎる。

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09月29日(水)

【邦銀は米金融機関への巨額出資で何を得るのか】

"Japanese Banks Roaring Up Wall Street"
"The Japanese are back"
9月23日の『THE WALL STREET JOURNAL』にこんな見出しが躍った。

名門投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、
世界一の生命保険会社AIGの救済が決まった直後だ。

ウォール街を直撃した未曾有の金融危機に、邦銀が再び、姿を現したと伝えた。

思い起こせば80年代のバブル経済花盛りの折、
日本企業はカネにあかせてロックフェラー・センターなど
米国を象徴する商業ビルを買いあさり、米国人から顰蹙をかったことがあった。

だがこのときの顰蹙はお門違いもいいところだった。

後から振り返ってみれば、その後、米国の不動産価格が暴落。
日本企業は最高値で買った米国不動産を、
次々と安値で手放さざるをえなかったという歴史があった。

そんな日本企業が久々にニューヨークにもどってきたというというわけだ。

三菱UFJがモルガン・スタンレーに20%出資をして筆頭株主に躍り出る。
野村HDが破綻したリーマン・ブラザーズのアジア部門と欧州、中東部門を買収。
三井住友銀行がゴールドマン・サックスに出資する可能性も取りざたされた。

その他みずほを含め、日本のメガバンクがこぞって
米国の投資銀行への出資や買収に乗り出した。

これをどう評価したらいいのだろうか。

重要なポイントはこうした投資行動を十把ひとからげに評価しても
意味がないことを認識することだ。

評価はあくまでも個別具体的にしなければならない。
米国の経済危機をビジネスチャンスとするのか、
80年代と同じようにカネの出し手として一時的に利用されるだけなのか。
あくまでも中身次第である。

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09月12日(月)

【自民党総裁候補は政策を語る前に「自民党」を語れ】

5人の総裁候補の政策はおどろくほどリアリティがありません。

日本がいま直面している景気の底抜けや、医療、介護の崩壊、
年金制度の信頼消失がどれだけ国民を不安に陥れているか。
その危機感がまるで伝わってきません。

なぜリアリティがないのか。理由は明快です。
2代続けて総裁が政権を放り出した事実は、自民党というシステムそのものが崩壊していることの証明です。

なぜ自民党はこれほど脆弱になったのか。それをどう立て直していくのか。
総裁候補はまず「自民党」を語るべきです。

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09月08日(月)

【旧長銀の経営陣無罪の裏にある旧大蔵省への不信感】

日経ベンチャーのコラム『社長はメディアを疑え』で、
旧長銀の経営陣に対する最高裁の逆転無罪判決について書きました。

無罪判決がくだされたその日こそ、ニュースで扱ったものの、
世間もさしたる関心をいだくことなくフェードアウトしてしまいました。
しかしこの判決は日本の金融行政がいかにでたらめであったかという
現実に迫ったという点で大変意義深いものです。

7月18日、最高裁は一審、二審の有罪判決を破棄して、
日本長期信用銀行の旧経営陣に逆転無罪を言い渡しました。
国民感情からすれば、8兆円近い公的資金をつぎ込んだ
長銀の旧経営陣が無罪という納得がいかないでしょう。

しかしこの裁判は、不良債権を作った責任を問うものではなく、
粉飾決算の罪を問うものでした。
そして最高裁は長銀幹部を無罪とした上で、
旧大蔵省の金融行政そのものに強い不信感を示したのでした。

年金も医療も、その破綻のベースには官僚機構の無責任があります。
お時間があったら長銀に対する最高裁判決をお読みください。

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08月13日(水)

【“配当非課税”の魅力】

麻生太郎自民党幹事長が景気対策のとして「株式配当の非課税化」を提唱しました。

その一方で、日本国内の株式市場にはいっこうにマネーが流入してきません。
1500兆円もの金融資産をもちながら、日本人は日本の株式市場にはいっこうに興味をしめしていないのです。

日経平均は今年はじめから大きく下落し、1万3千円台で低迷したままですが、
ここまで株価が下落してくると、配当利回りが3%を超える銘柄も少なくありません。

定期預金の利回りは限りなくゼロに近いのに、
株を買えば、3%もの配当利回りを得られることも珍しくありません。
もしその配当収入が非課税になったらどうでしょう。
大きく値下がりした内容の良い上場企業の株式に投資をし、
年利回りが3%にも達しようという配当を手にすることができたうえで、
それが非課税となれば、日本株への投資の魅力が大きく高まります。

しかも現在の株価水準はきわめて低く、こうしたタイミングで日本株に長期投資をすれば、
将来、キャピタルゲインを得る確率も非常に高い。

日本の問題は1500兆円もの個人金融資産が国内投資に振り向けられず、
成長性の高い新興国にばかり向かっていることです。

ここにメスを入れるのが配当非課税化です。
政争の具にせず、一日も早く実現してもらいたいものです。

07月11日(金)

【洞爺湖サミットの評価】

2050年までの地球温暖化ガス半減目標を明確にかかげるまでにはいたりませんでした。
G8は半減目標を「世界で共有する」という曖昧な文言に終始。
さらに中国、インドなどをまじえた主要排出国会合にいたっては
「世界全体の長期目標を含むビジョンの共有を指示」で終わりました。

そもそも半世紀先の目標そのものが誰も責任をとらない、
きわめてリアリティのない問題設定なのです。

いったい誰がどのように工程管理をするのでしょうか。
地球規模の茶番としかいいようがありません。
地球環境が本当に壊れるまで、
人間は地球に対する自らの責任を自覚することができないのかもしれません。

今月号の『VOICE』でチルドレンズ・インベストメント・ファンドの
アジア代表、ジョン・ホー氏と対談をしています。 ちょっと面白いです。

ご覧ください。
http://www.php.co.jp/magazine/voice/

07月07日(月)

【平成版前川リポートにやる気のない福田首相】

今日から洞爺湖サミット。

福田首相にとっては一世一代の晴れ舞台。
そこで明らかにされる予定の「平成版前川リポート」
。 急速な世界の変化に取り残された日本の新しい国のカタチを模索したこのリポートは、
リアリティを欠く点も多々ありますが、
いまの日本が置かれた現状を正しく認識するには十分な出来栄えです。
しかし、このリポートには重大な欠陥があります。
福田首相自身に、やる気がないことです。

日経BPの下記アドレスに寄稿しています。 ご覧ください。
http://http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080704_12ndt/

06月20日(金)

【「心の豊かさ」求め始めた中国で支持される日本的終身雇用】

中国以外のBRICs諸国やベトナム、ドバイなど
新興国取材に明け暮れたこの2年。
久しぶりに上海に行ってきました。

上海は劇的に変わっていました。
街並みの変化ではありません。
上海の人々の「心の変化」に驚きました。

日経BPnetに原稿アップしました。 下記アドレスでご覧ください。

http://http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080618_11st/

06月09日(月)

【簡単ではない減反】

町村官房長官の「減反見直し」発言が波紋を呼んでいます。

これに対して農林族議員たちは「コメ暴落」「日本農業の破壊」などと猛反発。
食料自給率が39%に下落し、日本全国に耕作放棄地が激増し、
後継者不足で生産者の超高齢化が進むなか、
世界的な食糧危機が不安視されるにいたっても、
日本の農政は「減反」を続けてきました。
続けてきたどころか、昨年のコメ価格下落に対して国がコメを30万トンも買い上げ、
やはり「減反強化だ」といったお粗末な状況だったのです。

町村長官がどこまで深い戦略をもって「減反見直し」発言をしたのか、それは不明です。

じつはこれは簡単ではありません。
農家の基礎体力強化(農地の集約化、規模の拡大)なしに、減反をやめれば、
コメ価格の暴落は避けられず、生産現場は大混乱するでしょう。
もっともその破壊行為を、農業刷新の劇薬として使うのだという
明確な意図のもとにやるのであれば、それもひとつの選択肢でしょう。
しかし、そこまでの覚悟をもってなされた発言とは到底思えません。

VOICE7月号でこの問題にふれています。ご興味のある方はご覧ください。

05月23日(金)

【日本の外資規制はミャンマーの軍事政権とうりふたつ】

Jパワーをめぐる外資規制は、サイクロン被害に苦しむ被災者救済を二の次に、
デフレからインフレへ。
世界の情勢は大きく変化しています。
Jパワーの株買い増しを申し出たザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドの
アジア代表、ジョン・ホーア氏と実際に会ってみて、
ますますその意を強めました。

http://http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080522_9th//

05月19日(月)

【デフレから世界的なインフレへ】

経済を考えるうえで、もっとも重要な態度は、
たえず「現状認識をアップトゥーデート」することです。
デフレからインフレへ。世界の情勢は大きく変化しています。

日経BPnetの下記コラム、ご覧ください。
「日本の農業はなかなか捨てたものではない」と安心できる特集です。
これまでの財部の「ものづくりニッポン」シリーズの延長線上にあるともいえる作品です。 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080507_8th/

04月24日(木)

【財部事務所よりご案内です】

4/27(日)のサンデープロジェクトの特集は財部誠一が担当します。 テーマは「農業」です。

新興国の台頭で世界の食糧事情が急激な変化を見せ、争奪戦が繰り広げられています。
一方、日本の農業の自給率は年々低下。
超高齢化を迎え、担い手不足が深刻な問題となっています。
日本の農業のあり方が議論される中、
革新的な農業経営をおこなう農家が姿を見せ始めました。
自らのネットワークでハイレベルな野菜づくりを行い、地産地哨を実現している組織、
常識に反した栽培方法を実践し驚くべき年収を確保している農家などに
財部誠一がスポットを当てます。

「日本の農業はなかなか捨てたものではない」と安心できる特集です。
これまでの財部の「ものづくりニッポン」シリーズの延長線上にあるともいえる作品です。

是非ご覧下さい!!

04月23日(水)

【世界から取り残された日本のバイオ研究】

21世紀、日本がもっとも期待する分野のひとつと言われ続けてきたバイオ研究。
だが戦略なき日本は世界から取り残されるばかりです。

日経BPnetに寄稿した原稿ご覧ください。アドレスは下記の通り。 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080423_7th/

04月10日(木)

【日本は国際市場で「買い負けている」】

「買い負ける」

最近農業をテーマにした取材をしていて、この言葉を頻繁に耳にします。
小麦やトウモロコシ、大豆など日本は大量の食物を
海外からの輸入に依存していることは周知の通りです。
中国の毒入り冷凍ギョーザ問題いらい、
日本の食料自給率が40%を下回っていることも広く知られるようになりました。

それと同時に、日本国内には国産信仰原理主義とでもいうべき
極端な国産品志向が広がりつつあります。

しかし農業や農業政策に精通している商社マンや学者の人たちに話を聞くと、
日本の食料自給率を大幅に引き上げることなど
まったく不可能であるという返事しか返ってきません。

どんなに頑張っても45%程度というのが常識的な数字。
ある農業学者は奇跡が起こっても「50%が上限」と話しています。
嫌でも何でもわが国は食料を輸入し続けなければならないという現実から
目をそらすわけにはいかないということです。

そこで怖いのは冒頭の言葉です。
食料価格が高騰するなか、日本は国際市場で「買い負けている」というのです。
国産信仰を唱えて自己満足にひたっている場合ではないということです。

04月04日(金)

【農地を巡るカゴメの闘い】

4月10日発売の月刊誌『Voice』5月号で、
カゴメが農地取得をめぐり行政と壮絶な闘いを演じた話を書いています。

日本中に耕作放棄地が広がり、農業の担い手が超高齢化を迎えているなかで、
企業の農地取得に悪質な横槍をいれてきたエピソードは、
日本農業の病巣の深さを象徴しています。

世間では原油価格の値上がりばかりが「危機的」であると認識されていますが、
世界の食料価格は資源価格とまったく同様に、
30年余り続いてきた「低価格時代」が終わり、
高い食料を世界が奪い合う時代に突入しました。

そんななかで、日本の農業再建は喫緊の課題です。
そこに企業がどう関わるのか。どう関わるのがいいのか。
ぜひみなさんも考えてみてください。

03月27日(木)

【怖いのは「円高」ではなく「円高恐怖症」】

こんなタイトルのコラムを日経BPnetのコラムに書きました。
円高をめぐる行き過ぎた悲観論の陳腐さ。
日本の「輸出企業」の実態の実力を無視した円高恐怖症は陳腐です。
(下記アドレスからどうぞ)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080326_5th/

03月07日(金)

【大阪府知事 1ヶ月の功績 】

大阪府の財政危機はまさに日本の縮図です。
就任1ヶ月、橋下府知事に対する府民の評価はまちまちのようです。
しかし、ひとつだけ、見事な成果をみせてくれました。
それは何か。

nikkei BPnetに寄稿しています。下記アドレスを、ぜひ、ご覧ください。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080306_4th/

02月20日(水)

【米国経済の等身大の実力】

今年、米国経済がどんなプロセスをたどって減速するのか。
大きな絵柄がみえてきました。
三菱東京UFJ銀行の経済調査室長、内田和人氏から
最新情報にもとづく米国経済の見通しをうかがってきました。

内田氏は2003年から3年ほど米国駐在し、
そのときも全米中を歩いて住宅バブルの実情や
人口増加の詳細、米国企業の行き過ぎた
グローバルアウトソーシングの実態など知り尽くしていました。
繊細な分析能力を備えたエコノミストはフィールドワークにも熱心です。

その内田氏の見立てを簡単にご紹介します。

結論からもうしあげましょう。
米国経済のリセッション(景気後退)は避けられません。
08年の第1四半期と第2四半期は「マイナス成長」ないしは「ゼロ成長」が
避けられそうにありません。

「08年前半は住宅市場の深刻な調整や金融・信用不安をうけてマインドが
 大幅に悪化し、個人消費主体に急失速する(景気後退)。
 とりわけ今年第1四半期は、発射台である『最初のゲタ』が
 低く(前期比年率+0.5%程度)、マイナス成長の可能性がある」

内田氏の見立てもきわめて厳しい。
米国経済が今年前半、マイナス成長にまで突っ込んでいく可能性が
きわめてたかくなってきました。
もっともこの点について言えば、大半のエコノミストも財界関係者も異論はなく、
今年前半、米国経済の不況色が急速に強まることは確実でしょう。

注目すべきは米国政府が立て続けに打ってきた景気対策がいつ、どのような形で
効果を発揮してくるのかです。内田氏はこう続けています。
「08年後半は大型財政出動、大幅な利下げ(実質金利ゼロ台)のリフレ効果が
 顕現化し、持ち直しに転ずる。特に戻し減税の効果が集中して表れる第3四半期は
 個人消費が大きく上振れ、実質GDP一時的に前期比3%超の急回復を示す」

米国政府が打ち出した減税策は合計で1660億ドルです。日本円にして18兆円弱。
これがどのくらいの規模であるか。それを実感ができる数字があります。
01年の9月11日の同時多発テロ後に行われた減税策は、見事に成果を
あげましたが、納税者1人あたりの減税額はおよそ300ドル。
一世帯あたりにすると600ドルでした。ところが今回実施される減税額は
一人当たり600ドル、1世帯あたり1200ドル。しかも9.11当時は納税者を
対象とした減税でしたが、今回は未納税者にまで小切手を送りつけようと
いうのですから、消費への刺激度は相当高くなると思われます。
もちろん減税を借金返済にまわす人たちもいるでしょうが、
消費アップの大きな起爆剤になることは確実です。

さらに金利です。
1月22日にFRBは金利を一気に0.75%引き下げ、月末にはさらに0.5%引き下げました。
これでFF金利は3%になりました。
米国の消費者物価指数(CPI)は2.2%ですから、今現在、
米国の実質金利はすでに0.8%という超低金利状態にあります。
しかし米国の政策態度をみていると、おそらく3月、4月にも
さらなる金利引き下げを実行し、異例の速さで「ゼロ金利」へ
突き進んでいくことになるでしょう。

その結果として、第1四半期、第2四半期と続けてゼロないし
マイナス成長でリセッション(景気後退)に陥るものの、
第3四半期には3%を優に超えるV字回復を米国は実現しそうなのです。
もっともそこですべての問題が決着するわけではなく、
個人消費は第3四半期をピークに減速し、
「第4四半期はプラス2%程度になるのではないか」と
内田氏は予測しています。

 第1四半期 ゼロないし若干マイナス
 第2四半期 ゼロないし若干マイナス
 第3四半期 3%超
 第4四半期 2%

1年間を通してみると米国の08年の経済成長率は1.5%程度になりそうなのです。

ここに非常に興味深いデータがあります。
1月29日にIMFが公表した08年の世界経済見通しです。
したがってこの分析がとりこんでいる数値は昨年末までで、
今年にはいってから表面化してきたサブプライム関連の損失や
世界同時株安などについては一切カウントされていません。
ただし、その一方で、米国が断固たる意思で実行している景気対策や
金融危機回避の具体策などのプラス効果も含んでいません。
逆を言えば、1月以降のパニック的現象に左右されない
客観的な予測といえなくもありません。
こんな数字です。

     2007   2008  10月比
世界   4.9   4.1   -0.3
アジア  9.6   8.6   -0.1
米国   2.2   1.5   -0.4
日本   1.9   1.5   -0.2
中国   11.4   10.0    ―

「10月比」というのは、IMFが昨年10月に公表した予測数値との
比較という意味です。つまり世界が10月比で「−0.3%」ということは、
昨年10月には4.4%と予測していたが「0.3%下方修正」して
4.1%になったという意味です。

米国の数字を見てください。
内田氏とは前提もプロセスも異なるデータであるにもかかわらず、
IMFの予測もまた米国の08年の成長率もまた「1.5%」になっているのです。
両者の予測数字が一致したからといってそこに絶対的な真実性を
見出せるというわけには当然いきませんが、
まあだいたい「1.5%」あたりが米国経済の基本的な力だとみて
大きな間違いはないでしょう。

このIMFの数字をどう思うか。内田氏に尋ねてみました。
「結果としてみれば、けっこう固い数字になっているのではないでしょうか」
1月以降のネガティブ要因もポジティブ要因に配慮していないが、
結果だけをみれば現実的な数字になっているというわけです。

さらに注目して欲しいのは世界経済全体の成長率です。
昨年10月予測よりも下方修正されているものの、
それでも4.1%成長を達成すると予測されています。
過去2年は5%前後という異常な成長率でしたから
4.1%では見劣りするかもしれませんが、4%台の成長率は
依然として世界が「人類史上始まって以来の火を吹くような好景気」の
範疇にふみとどまることを意味します。

しかも14日に内閣府が公表した10−12月期のGDPの速報値によれば、
年率で3.7%もの成長をしていました。

マクロの経営環境を問題にするよりも、
自分自身のビジネスに集中すべきだということです。

02月14日(木)

【続・中国製品はすべて危ない?】

中国製品をめぐる集団ヒステリーは非現実的であるうえに、
問題の本質を隠してしまう危うい現象です。

日経BPネットに「続編」をアップしました。ご覧ください。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080214_3rd/

02月07日(木)

【中国製品はすべて危ない?】

中国製冷凍ギョーザ問題で日本中がてんやわんやの大騒ぎになっています。
調査の進展により、製造工程そのものの問題というよりも、
特定の個人なり集団なりによる毒物混入事件の色あいが濃くなってきたようですが、
真相解明にはまだまだ時間がかかりそうですね。

しかし一連の報道を通じて、いまや日本は集団ヒステリーと化してしまいました。
「中国製品はすべて危ない」
中国製冷凍食品はすべて敬遠され、横浜中華街まで閑古鳥が鳴く始末。
どうしてこうなってしまうのでしょうか。

私は中国取材で、加工食品の製造現場を随分見て歩きましたが、
キッコーマンの醤油や味の素のレトルトカレーなど、
中国市場向けの商品を生産している工場でさえ、
どれだけ衛生管理に気を使っていたかしれません。
ましてや日本への輸出を前提に食品加工をする工場に求められる
衛生管理といったら、それはもうたいへんです。
途中でまちがって毒物が混入するなどということはありえません。

中国で食をあつかうことのリスクの高さ。
そんなことは誰だって認識しているのです。
日本の危機的な食料自給率の低さを考えれば、
中国依存なしに日本の食はもはや成立しません。
だからこそ中国に対する冷静、客観的な評価が不可欠なのです。

「中国は危ない」という集団ヒステリー。
これだけはやめたほうがいい。

02月01日(金)

【サブプライムローン問題に臨む米国の意思】

米国経済の失速が明らかになってきました。
世界経済、日本経済へのダメージは避けがたい。
しかしその衝撃がいったいどの程度なのか。
米国はどこまで自力で問題解決できるのか。

私の見立てを日経BPネットに掲載しました。
下記アドレスをご覧ください。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080131_2nd/

01月25日(金)

【世界を目指す日本の中小企業】

昨日、講演会で姫路に行ってきました。
大阪経済の地盤沈下の影響をうけて姫路の景気もいまひとつだと、
地元財界の有力者が話していました。
しかしそれはあくまでも「総論」に過ぎず、
姫路の企業のなかにも格差が生じているというのです。
そもそも姫路はシェアが全国1位の
オンリーワン企業が多いことで知られる土地柄です。
有力企業のオーナー経営者たちと雑談をしていると、
「姫路には海外にでていって成功している会社が少なくない」という話になりました。

たとえばどんな会社があるかと尋ねてみると、
ヤヱガキ酒造の名がでてきました。
造り酒屋ですが、ただ日本酒を作っているわけではなく、
発酵技術を利用したバイオ企業を経営しているばかりか、
米国の日本食ブームを取り込むべく、
ロサンゼルス郊外で日本酒を製造しているというのです。
消費者はもちろん米国人。
グローバル企業は全国各地に、企業規模の大小にかかわらず、たくさんいます。
地方に行くたびにそれを痛感します。

01月17日(木)

【日本経済はそこまで危ういか?】

株暴落が止まりません。
しかし14000円を割り込んだ日経平均はあきらかに売られすぎです。

日経BPネットの連載「財部誠一の『ビジネス立体思考』」に原稿をアップしました。

ぜひご覧ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/takarabe/080117_1st/

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