財部誠一 HARVEYROAD JAPAN オフィシャルサイト
12月17日(木)

【エンロンの特集、見てください】

今年は秋から冬にかけて海外取材が集中しました。

米国、中国、台湾とサンデープロジェクトの特集のために、
ほとんど日本におりませんでした。
そのせいもあって、このところエッセイの更新もままならず、御迷惑をおかけしました。
お許しください。

この間に取材した特集がこれから随時、オンエアーされていきます。
まずは12月22日です。
1年前に破綻した米国の最優良企業、エンロンの倒産は
米国経済にとってどんな意味をもっていたのか。
又、それは日本経済にとって、どんな意味をもっているのか。
そんなテーマで放送をします。お楽しみに!

12月13日(金)

【自分の言葉で回答する経営者】

この1週間ほどの間にマスコミでも有名な2人の若手経営者とお目にかかる機会がありました。

ひとりはグッドウィルの折口雅博社長。
もうひとりはユニクロの玉塚元一社長です。

彼らをめぐる評価は千差万別、いろんなことが言われています。
しかし、話をしていた私は彼らの大きな魅力に気がつきました。
彼らはどんな問いに対しても、すべて自分の言葉で回答した、ということです。

等身大の自分の言葉で、堂々と戦略を語ることができる若手経営者たち!
世代交代は確実にすすんでいるということですね。

12月03日(木)

【銀行憎しだけでは日本は復活できません】

先のサンデープロジェクトは三井住友銀行の西川善文氏、
UFJ銀行の寺西正司氏の両頭取が出演し、大変、注目されました。
視聴者の関心の高さはそのまま視聴率となって現れた格好です。
瞬間的には12%を超えるという凄まじさでした。

銀行批判の高まりは当然です。
貸し渋り、貸しはがしが日常的に行われている事実は、誰でも知っています。

しかし銀行を追い込めば追い込むほど、
中小企業にしわよせがいってしまう現実を無視して、
抽象的なセーフティーネット論をいくらぶちあげても、
中堅・中小企業の資金繰りの改善にはまったくつながらないという現実を直視しなければだめです。

ましてや金融庁が善で民間の銀行は全部悪だといった思考はきわめて危険です。
官がどれだけ無責任で無能であるか。
だから道路公団民営化にも期待が高まっているのではありませんか。

銀行憎しの感情が金融庁の正当性を担保してしまうといった愚は
現に慎まなければなりません。
まったく不十分な論議だったとは思いますが、
この時期にサンプロで現役の頭取が話をする意義は小さくなかったと思います。

ちなみに、みずほ銀行の前田晃伸氏は、再三にわたる出演交渉にもかかわらず、
出演いただけませんでした。

なぜでしょう?

11月18日(月)

【中国に行ってきました】

中国取材にいってきました。
今は台湾にいます。
中国にはこれまでにも何度も行っていますが、今回の取材ほど驚いたことはありません。

驚かされた現場は、広州ホンダでした。
広州ホンダが生産しているアコードとオデッセイの出来ばえの良さには
かけねなしに舌をまきました。

聞けば広州ホンダが生産するクルマの品質は、
ホンダの海外生産車のなかで最高の品質だというのです。

中国でここまで素晴らしいクルマを生産するのは至難の業です。
こんな芸当は日本企業にしかできないのではないか。
モノ作りに対する日本企業の底力を中国で見た思いです。

10月22日(火)

【中国に取材に行きます】

ゆっくりエッセイが書けずにすいません。
単行本の締め切りもありまして・・・
申し訳ありません。

そんな中なのですが、明日から中国に取材ででかけます。
米国取材に続き、今度もサンデ−プロジェクトの特集の取材です。

じつは今回は同じ中国をテーマとする2本の特集があって、
これから11月にかけて、断続的に上海、広州、混山、そして台湾へ取材に出かけます。

今回は広州と上海に行きますが、テーマは次の二つです。
これまでサンプロでは中国に負けない日本のモノ作りという視点を貫いてきましたが、
今度は、一歩進んで中国の国内マーケットにうってでている日本企業の実情をレポートします。
ホンダの対中進出などをカバーする予定です。

もうひとつのテーマは「台湾企業とのコラボレーションで中国進出」を
成功させている日本企業のレポートです。
あまり詳しい説明はできませんが、後々HPやHARVEYROAD WEEKLY
サンデープロジェクトで情報をお届けしたいと思います。

楽しみにしていてください。

10月10日(木)

【不良債権処理の抜本処理を否定してはいけない】

米国滞在中に竹中経済諮問大臣が金融担当相を兼任するというニュースを聞きました。
抜本的な不良債権処理の加速が確約されたのです。
このニュースで株式市場はジャンプアップするはずでした。

ところが現実まったく逆でした。

株が下落するたびに市場関係者やマスコミは
「不良債権処理の遅れ」を問題としてきたにもかかわらず、
本当に「その時」が近づいてくるや、
今度は一転して「不良債権処理」のために株が下落していると説明し始めます。

それはない。

個別企業の事情を斟酌するだけの情報を知ろうともせずに、
机上の空論だけでハードドランディングに突っ込もうとする
竹中金融相にはやまほど文句があります。
しかし、ハードランディングに過剰な危機感をいだくあまり、
不良債権の抜本処理じたいを否定するような言動はあってならない。
私はそう考えます。

より現実的なハードランディングをめざすか。
それこそがいま議論されるべきなのです。

09月25日(水)

【日銀が株を買い取る?!】

今日も日経平均の下落にはどめがかかりません。

先週後半に、日銀による銀行保有株の直接買い取りが明らかにされました。
世間の度肝をぬく奇策に、賛否両論、噴出しましたが、
株式市場は日銀のこの変化球を好感しました。
発表の翌日(19日)などは前場だけで日経平均は前日比で300円も値上がりしました。

なぜ上がったのでしょうか。

市場関係者の多くは、日銀の後に続く、政府の思い切った不良債権処理策に期待したからです。
日銀がこれだけのことをやったのだから、
政府は公的資金投入をふくむ思い切った策をだすにちがいない。
そう踏んだわけです。

ところが19日の昼に記者会見した小泉首相の口から出た言葉は、
「不良債権の抜本処理を急ぐ」といういつものスローガンのみ。
これで市場はへこみました。

やはり、なにもできないのか。
その落胆が今週も続いているのです。

09月17日(火)

【ねっとパラダイスは終わりますが・・・】

テレビ朝日系で毎週土曜の夕方放送をしてきた『ねっとパラダイス』が今月で終わります。
紆余曲折の2年間でしたが、視聴率もそこそことれるようになり、
これからというところでの番組終了となったため、
私だけでなく、出演者もスタッフもきわめて残念な思いにかられているところです。

しかしこのまま番組を終わらせてしまうのはもったいないという人たちも少なからずいたおかげで、
10月以降も、少し模様替えをしたカタチで番組が残ることになりました。

土曜日の午前9:55〜10:20(テレビ朝日系列)の枠となり、
番組名も『サタデー総合研究所』と一新されます。
ただし、大変残念ことに、全国ネットではなく、首都圏エリアだけの放送となってしまいます。

今度の新番組はスタジオ展開がなくなり、私自身も毎回、現場に出向き、
そこからレポートをするという形式になりますので、
そこで得た貴重な生情報はHARVEYROAD WEEKLYの紙面や
このエッセイに反映させていきたいと思っています。

08月28日(水)

【個人向け国債】

10年満期の「個人向け国債」が金融界で話題になっています。

あまりにも好都合な金融商品だからです。
変動金利で非課税!
10年満期の国債ですが、変動金利だから、今後、金利が上昇したとしても
それにみあうように金利が変動していくのです。

これだけでも魅力的ですが、
そのうえさらに20%の利子課税も課されないというのです。
なぜここまで優遇する必要があるのか?

答えは明快です。

日本の財政に対する財務省の問題意識がそれほど深刻だということです。

* サーバーの点検等のため、向こう一週間は経済エッセイの更新ができません。
御了承ください。

08月20日(火)

【イタリアの素晴らしい芸術に心を動かされました】

ローマのヴァチカン美術館には負けますが、
フィレンツェでもウフィッツィ美術館やアカデミア美術館といった人気の高い美術館は
入館するまでに1時間、2時間待ちは当たり前です。

どこもかしこも行列、行列。

しかしイタリアという国は北へ行けばいくほど洗練されるといわれる通り、
ローマとくらべるとフィレンツェは街中、なにからなにまでローマよりも洗練されています。
美術館めぐりもしかり。
フィレンツェでは「予約」ができるのです。
私の場合はホテルのコンシエルジュがすべて手配してくれたために、
ウフィッツィイ美術館にもアカデミア美術館にも苦もなく入ることができました。

システィーナ礼拝堂のあるヴァチカン美術館では、
朝の8時40分からならんで、なんと入館したのは11時。
その間、炎天下で2時間15分も牛歩を強いられたことを思うと、
天上に昇ったような気分でフィレンツェでは美術館めぐりができました。

ウフィッツィではボッティチェッリの「春」にしびれ、
アカデミアではミケランジェロの「ダビデ」や「4人の囚人」に魅了され、
そしてフィレンツェ滞在の最終日となった今日は、パラティーナ美術館で
ラファエッロが描く限りなく慈愛に満ちた「聖家族」に心を動かされました。

日ごろ、芸術とは無縁の無粋な人生を送っている私のような人間にも、
これらの作品はとてつもない訴求力で迫ってきました。
数百年の歴史の評価に耐えた作品には普遍的な力があるということなのでしょうか。

これを機に少しは芸術を理解できる人間になりたいものです。

08月19日(月)

【ミケランジェロの彫刻】

「石の中から命を掘り出す」
その言葉どおりミケランジェロの彫刻には命がやどっています。
フィレンツェでは連日の美術館めぐりをしていますが、
そこでの楽しみはアカデミア美術館でミケランジェロの本業である彫刻を見ることでした。

ミケランジェロは解剖学にまで手を出すほど人体に精通していたようで、
その作品には人の骨格はもちろん複雑な筋肉組織までが精緻にえがかれています。

世界最高といわれる「ダビデ」像は圧巻ですが、
私が格別な興味をいだいたのは「ダビデ」像にいたる回廊の両脇にならんでいる
「4人の囚人」たちでした。
いずれも未完成のもので、巨大な大理石から抜け出そうとしているその姿は、
ミケランジェロの彫像が「命を掘り出す」作業であったことを能弁にも物語っていました。

08月18日(日)

【ようやく素晴らしいディナーにありつけました】

8月のローマはどこの店もみな夏休みのため
ショッピングもグルメも絶望的であるという主旨の話をしてしまいましたが、
世の中は捨てたものではありません。

まずはネットでローマ事務所の電話番号を調べ、ホテルから電話をかけてみました。
じつに礼儀正しく、しっかりとした感じの日本人女性が対応してくれました。
彼女が推薦してくれたレストランのがミラベッレ(MIRAVELLE)。
ローマでも最高級のホテルとして名高いエデンのすぐそば。
スプレンディッド・ロイヤル(HOTEL SPRENDIDE ROYAL)の最上階にあるレストランでした。

なんとリザーブされた私の席は、ローマ市内を一望にできる素晴らしい眺望のベランダ。
午後8時を回り、夕暮からローマの空が漆黒へと変わっていくにつれ、
遠くにライトアップされていたサン・ピエトロ大聖堂が浮き上がってくる様は絶景の一語。
しかも料理がこれまた素晴らしかったのです。
気の遠くなるほど美しいサン・ピエトロに負けないほど、
このうえなく洗練された料理でした。
MIRAVELLE。
ローマに行ったら、一度は行って欲しいレストランです。
ただし、安くはありません。

08月17日(土)

【ローマの遺跡めぐりはけっこうハード】

日陰に入ると、日本で言うところの「秋の風」さながらの心地良い風が流れるローマですが、
日陰というものがほとんど存在しないローマの遺跡めぐりはけっこうハードです。

まるで絵の具で色をたしかのように濃い青色をしたローマの空から照りつける太陽は、
「いまは観光シーズンじゃないぞ」と教えてくれているようです。

体力をひたすら消耗しながら歩き続けたコロッセオとフォロロマーノ。

8月のローマは有名レストランもブランド店もみな夏期休暇なのです。
それを承知でローマに私がやってきた理由は
システィーナ礼拝堂でミケランジェロを体感することと、
コロッセオ、フォロロマーノくらいは見ておかなければという
多少の義務感でした。

照りつける太陽に焼けるコロッセオで目を閉じると、
観光客たちの笑い声がいつしか2000年の時を越えて、
人間同士の死闘に興奮したローマ人の大歓声となって押し寄せてくるようです。

コロッセオの当時の様子をコンピューターグラフィックスの技術で正確に再現した
ラッセルクロー主演の映画『グラディエーター』。
帰国したら、もう一度、見てみよう。

そんな気分になった一日でした。

08月16日(金)

【世界のおのぼりさん大集合のローマ】

昨日のシスティーナ礼拝堂の荘厳さとはうってかわり、
ローマ滞在三日目となった今日は俗世界にまいもどった気分です。

ナボーナ広場からパンテンオン、トレビの泉、そしてスペイン広場と、
お決まりの観光スポットを見てまわりましたが、
そこはもう世界のおのぼりさん大集合といったありさまです。

旗をかかげるツアーコンダクターを先頭にぞろぞろ歩く団体旅行といえば
日本の専売特許かと思っていましたが、いやいや、とんでもない。
このスタイルは「世界の国からコンニチワ」なのだということがわかり、
妙に嬉しくなってしまった私は何者なのでしょうか?
(続く)

08月15日(木)

【システィーナ礼拝堂】

すべての道はローマに通じているようです。

8月のローマは世界中から押し寄せてきた観光客でいっぱいです。
かく言う私も夏休みを暑いローマで過ごしています。
一番の目的はヴァチカン美術館のシスティナ礼拝堂で、
ミケランジェロを体感することでした。

行ってきました。

見上げればそこは神の国。
800平米にもおよぶ天井画はミケランジェロが33歳の時に
4年も歳月をかけて完成させたもので、
旧約聖書の物語を9つの画面にわけて構成したこの大作は、
ルネッサンス最高の芸術と称えられています。

そして礼拝堂正面の壁面には
60歳になったミケランジェロが描いた祭壇画「最後の審判」があります。
天井画を画いてから27年後にうまれた傑作です。

ミケランジェロの天才性を感じながら、敬虔な気持ちに浸った1日でした。

08月14日(水)

【イタリアへ行ってきます】

私はいまローマに向かう機内でこの原稿を書いています。

じつはローマを訪ねるのはこれが初めて、ウキウキしていますが、
そうはいってもやはりヨーロッパは遠い。
アリタリア航空の直行便ですが、それでもローマまでの飛行時間は12時間30分。
いま目の前の電光掲示板に表示された数字によれば、到着までの残り時間は2時間15分。
東京―名古屋を“のぞみ”ではなく、“ひかり”で異動するくらいの時間です。

今回の旅ではローマとフィレンツェをめぐります。
私が一番楽しみにしているのは、バチカンにあるシスティーナ礼拝堂です。
ミケランジェロを体感してきます。
みなさんの夏休みはいかがでしょうか。
日本は亜熱帯気候に移行したかのような猛暑が続いています。
どうぞ、みなさんご自愛ください。

08月13日(火)

【これで道路公団民営化の議論が進むことでしょう】

道路公団の民営化をめざす推進委員会の論議が白熱しているようです。

委員のなかにはマスコミ向けの広告塔の域をでない委員もいますし、
本気で民営化を志しているとはとうてい思えない委員もいます。

そんななか、出色なのがJR東日本の松田昌士会長です。

松田さんといえば、井手正敬氏(JR西日本会長)、葛西敬之(JR東海社長)両氏とともに
国鉄改革3人組のひとりとして、民営化の実働部隊の役を果たした人です。

役人はいつも「前例がないからダメだ」というくせに、
国鉄民営化という素晴らしい前例には一切目を向けようとしなかった。
前例踏襲を金科玉条とするくせに、都合の悪い前例は黙殺するということでしょうか。
国土交通省という役所は腐りきった役所です。

そもそも何のための民営化か?
松田氏が参加することでようやくまともに議論が進むことでしょう。

08月02日(金)

【日産自動車第三弾!ついにOA!】

次の日曜日のサンデープロジェクトは、私が特集を担当します。

これまで2度にわたってサンプロは日産自動車を特集してきました。
表面的な横並びの報道ではなく、
日産のリバイバルを正確に追いつづけた唯一のメディアがサンプロです。

この7月、日産は新車の販売台数でホンダを抜いて2位に浮上しましたが、
その勢いは30日に発表された新型Zによってさらに高まる可能性がでてきました。
次週の詳しい予告がサンデープロジェクトのホームページに掲載されましたので、
お知らせします。

どうぞご覧ください。

07月29日(月)

【ものづくりは執念だ!】

明日、東京有明コロシアムで新型フェアレディZがデビューします。

新型Z誕生までには、外からは窺い知ることのできないドラマがありました。
8月4日のサンデープロジェクトの特集は日産第3弾を放送する予定です。
今回はZの復活にかけた男たちのドラマです。

新型Z誕生、それは日産における「ものづくりの復活」を意味します。
請う御期待!

07月25日(木)

【米国会計スキャンダルの意味】

米国の株式市場が「信頼の危機」に揺れています。

昨日は下げすぎの反動でNYダウは大幅に反発しましたが、
米国の株式市場がかかえこんだ「危機」の本質はなにもかわっていません。
ブッシュ大統領をはじめ、米国株暴落の原因を「会計スキャンダル」だと断じ、
詐欺行為を働いた経営者を厳しく断罪する法的整備も急いでいます。

しかし私は少し違う見方をしています。

「会計スキャンダル」が株暴落を招いたのではなく、
米国株の「バブルが完全に崩壊した」から「会計スキャンダル」が露見したのです。
「会計スキャンダル」は原因ではなく「結果」なのです。
経営の仕組みがすべて「株が上がる」ことがすべての前提として積み上げられた社会は、
醜悪な欲望が生み出した矛盾に満ち満ちたものとなります。

それこそがバブル現象の本質です。

株が上がっているあいだは、美しい理屈によって矛盾を覆い隠すこともできますが、
株式市場の底がぬけた瞬間、剥ぎ取られたバブルの仮面の下から、醜い顔が露出する。
醜悪な経済事件がとめどもなく溢れだすという社会現象は、
バブル崩壊後に共通する特有の現象だといってもいいでしょう。
米国の会計スキャンダルを「モラル」の問題におきかえることは、
米国のバブルが完全に崩壊したという大問題の矮小化にすぎません。

大間違いです。

07月19日(金)

【台湾に行って来ました】

13日から15日まで台湾に行ってきました。

今回は取材ではなく、
私が月に1度出演している大阪のテレビ番組(朝日放送の『ワイドABCD〜す』)の
出演者やスタッフと一緒に仕事半分、遊び半分ででかけた気楽な旅でした。
しかも同行者は大阪人ばかり。
「建て前」より「本音」。
「名」より「実」。
「高くて美味いのは当たり前、安くて美味いのが本物」です。
おかげで、ありていの旅行ではなかなか経験できない面白い旅となりました。

そんななかでも、私が格別に楽しみにしていたのが、
「鼎泰豊(ディン・タイ・フォン)」というお店に行くことでした。
台湾でも小籠包といえば「鼎泰豊」といわれるくらい有名な点心レストランです。
93年にニューヨークタイムスが選んだ「世界の10大レストラン」にも名を連ねたお店なのです。
日本にも姉妹店がいくつもあり、東京近郊だと高島屋の新宿店、横浜店に出店しており、
そのほか名古屋や京都にもお店があります。
その意味ではすっかり手垢のついた点心レストランなのですが、
やはり台北の本店を訪ねずして「鼎泰豊」を語るわけにはいきません。

行って来ました。

店のかまえはきわめて地味。
間口一間ほどの出入り口は、もしかしたらここは「裏口か」と錯覚するほど
飾り気もなにもない素朴な店でした。
入り口をはいると、すぐ右手に厨房があり、
白衣を着た二、三十人の男たちが所狭しと、肩肘すりあわせ、
無言かつ真剣に、しかも素早く小籠包のあんを皮に包んでいく様子が
目に飛び込んできます。

ますます「やはりここは裏口だったか」と思わせますが、
そこがれっきとした正面玄関。
食事をするスペースは2階、3階に広がっていました。

たしかにここの小籠包は絶品でした。

世界十大レストランの名に恥じない、深い味わいをかもし出していました。
その味が忘れられず、今度は日本国内の「鼎泰豊」に行ってみるかと思い、
グルメの友人を誘ったところ、こんな返事が返ってきました。
「日本の鼎泰豊は本店よりはるかに綺麗だけれど、味は本店の100分の1」
味覚はひとそれぞれですから、なんともいえませんが、
いかにも日本人がやりそうな商売です。
日本の鼎泰豊の味は、台北の本店にくらべて100分の1と酷評される程度なのか、どうか。
近いうちに自分の舌で検証してみようと思っています。

07月03日(水)

【日本って社会主義だったの?】

先週のサンデープロジェクトで「中国特集」をレポートしましたが、
私の周辺だけでも大きな反響がありました。

中国第3位の家電メーカー“美的集団”の経営者が発した言葉は強烈でした。

「市場の変化に対して日本企業は反応が悪すぎる。
 日本企業にはもはや学ぶものはなにもない」

日本が中国からなめられているのは外交だけではありません。
いまや日本企業までもが、中国からなめられきっているのです。
腹が立つ一方で、納得せざるを得ない点も多々ありました。
たとえば中国経済の躍進を「人件費」の安さだけで説明し、
だから日本ではもうモノつくりができないとまでいってしまう
短絡的な人間がどれだけいるか。

おそまつのきわみです。

中国経済はなぜここまで伸びたのか。
美的集団の社長が言っていました。
我々は国内の凄まじいコスト競争に打ち勝ってきたのだ、と。
激烈な競争社会のなかで、勝ち抜いた企業だけがいま残っているのです。

これが市場原理であり、これが資本主義というものでしょう。
もしかしたら中国人は、日本が資本主義であることを知らないのかもしれません。
どうみても、日本のほうが中国よりも社会主義的なのですから。(続く)

06月26日(水)

【ワールドカップの誤審問題に、ひとこと】

世界中のサッカーファンが注視するなか、
韓国対ドイツの準決勝が昨日行われました。

結果は1-0でドイツが勝利しましたが、わたしはその試合を見ながら、
それ以前に韓国と対戦して敗退した
欧州のサッカー大国とドイツとの違いの大きさを、
なかば驚きながら痛感していました。

優勝候補の呼び声高かったイタリアとスペインです。
私に言わせれば、彼らは自滅です。
韓国に負けたというよりも、
ランキングでもはるか格下の韓国相手に
負けられるかという気持ちが強すぎたこと。
これが自滅のベースにあります。

さらに自滅を加速した要因が二つあります。
ひとつは韓国サポーターの異常なまでの熱気です。
ホームゲームであることの強みを韓国は最大限にいかしました。
異常なまでの盛り上がりにイタリアもスペインも
ナーバスになりすぎたのではないでしょうか。
それは畏怖と反発という矛盾した感情となって
イタリア、スペインに襲いかかりました。

彼らを自滅へといざなった2番目の要因は誤審です。
FIFAもすでに認めましたが、今回のワールドカップは誤審が多すぎた。
しかも韓国戦では、決定的な場面での誤審が続き、
その誤審が結果的に韓国に有利に働いていたというのは
ちょっと不自然でした。

そこにいったいどんな力が働いたのか、働かなかったのか。

私には知りようもありませんが、
はっきりいって韓国とイタリア、スペインとの試合が
世界中に後味の悪さを残したことだけは間違いありません。
欧州の強豪を倒した韓国のサポーターたちは感じなかったでしょうが、
それいがいの国のサッカーファンは見ていて本当に残念でした。

日本人は共同開催国の韓国を一生懸命、応援しました。
しかし、決勝リーグにはいってから噴出し始めた審判への疑念。
本当なら、世界最高のプレーにひたすら酔い、
歓喜するはずのワールドカップが泥まみれになってしまったのです。

審判に誤審はつきもの。
あたりまえだ。
だが、見る人の誰もが怒りを感じるほど、
公平性、公正性を欠いた判定を連発した審判にも
レッドカードをだすべきです。

こうした批判が世界中からFIFAに殺到した後に
初めて行われた韓国対ドイツの準決勝。
最大の見所は、両チームのプレーではなく、
審判の公平性、公正性でしたが、
さすがに今回は気持ちよく観戦することができました。

どちらのチームが勝とうが負けようが、
審判の中立性が担保されていなければ
サッカーというゲームは成立しないのですから。

さて、そんななか、ドイツチームの冷静なプレーは光りました。
彼らはイタリアやスペインが自滅したことを強く意識し、
自分のプレーに徹していたように見えました。
それこそ審判がどんな判定をくだしても、
顔色一つ変えずにそれに従うというシーンが多かったように見えました。

逆に韓国チームの選手方が必要以上に
審判にクレームをつけていたことが印象的です。
絶対に勝つという強靭な意志をもつことと、
我を忘れるほどプレー中に熱くなってしまうこととは
必ずしも同じではありません。

強い意志は冷静なプレーのなかでこそ本当の力に昇華されるのです。

06月19日(水)

【新刊が出ます!】

今月末にPHP研究所から新刊がでます。
タイトルは「『メイド・イン・ジャパン』で勝つ経営」です。

サンデープロジェクトでこれまで取材をしてきた中堅・中小企業のなかから、
これはという会社を厳選して、一冊にまとめた本です。

HARVEYROAD WEEKLYでも御紹介したことのある、
町工場のカリスマといもいうべき岡野工業や、
中国には絶対負けないと豪語するデニム生地業者のカイハラなど、
5社をとりあげています。
カイハラについては、6月30日のサンデープロジェクトで放送する予定の
「中国特集」でとりあげます。

ぜひ、ごらんください。

06月18日(火)

【ベスト16は快挙!】

これがワールドカップというものです。

よくぞここまできてくれました。
2度目のワールドカップ出場で、初めて“勝ち点”をあげ、初勝利をあげ、
ベスト16まで進出したのです。

これはもう快挙です。
頑張った日本の代表メンバーを心からねぎらってあげたいものです。

韓国対イタリア戦がまだひかえていますが、
それが終わればベスト8が出そろいます。
日本は負けてしまいましたが、
世界最高のチームが最高のパフォーマンスでぶつかりあう
準々決勝、準決勝そして決勝。
サッカーの素晴らしさを体感してください。

私も世界最高のプレーを堪能したいと思っています。

06月14日(金)

【日本決勝トーナメント進出!】

今日、わが社は午後3時から業務を停止し、日本VSチュニジア戦にのぞみました。
昨晩、手に入れたブルーのユニホームを着て、テレビ観戦をしました。
なんとそこに、サンデープロジェクトが取材にやってくるというハプニングもありましたが、
大の大人が入り乱れて、本気で応援したかいがありました。

日本、ベスト16進出!
日本、決勝トーナメント進出!

心からおめでとうといってあげたい気持ちです。

「SkillよりもWill」
やればできるよ!

トルシエ・ジャパンはまさに、そんなチームに成長してくれたようです。
ガンバレ 日本!

06月12日(水)

【たいしたモノです!トルシエ監督】

先週のサンデープロジェクトでも発言しましたが、トルシエは素晴らしい。
私は本当にトルシエという人物の手腕を高く買っています。

ワールドカップで日本チームがここまでの活躍をするまでになった
一番の功労者はやはり監督です。
番組中には十分、言葉をつくして話せませんでしたが、
サッカーを料理に喩えるとひじょうにわかりやすくなります。

優勝候補といわれてきたフランス、イタリア、アルゼンチンといったチームは、
最高のレストランです。
フレンチなら「タイユバン・ロブション」や「アピシウス」、
イタリアンなら「エノテーカ・ピンキオーレ」なんかに相当します。
最高のシェフが最高の素材をふんだんに使って最高の料理に仕上げます。

フランスチームのフォアードをみてください。
イタリア、フランス、スペイン3国のプロリーグで得点王に輝いたストライカー3人が
フランスチームの最前列を飾っているのです。
タレントぞろいとわれるイタリアチームでは、
デル・ピエロやモンテッラなど世界屈指のプレーヤーが
ベンチを温める立場に甘んじているのです。

対する日本チームのメンバーは家庭料理です。
一流のシェフが旬の素材を、それも世界最高の素材を
おしげもなく料理に費やすのに対して、
トルシエが置かれた環境は厳しい。

日本チームの代表メンバーが、かりにイタリア国籍やフランス国籍であったら、
彼らはワールドカップのピッチに立てたでしょうか。

とんでもない。

出場するどころか、おそらく日本チームの選手全員が
代表メンバーにすら選ばれないでしょう。
中田英寿が選考過程で候補として名前があげられるくらいが
関の山といったところです。

あえて言いましょう。
トルシエは「冷蔵庫の残り物」で超一流のフレンチやイタリアンと
競争させられているようなものなのです。
そのくらい、選手個人の能力において、日本と世界との差はすさまじく開いています。

そんななかで日本チームをここまで育て上げたトルシエ監督の器量は
なみたいていのものではありませんし、
そこには組織をひきいる者にとって学ぶべき点が少なくありません・・・

(詳しくはHARVEYROAD WEEKLY今週号で)

06月04日(火)

【負けるなニッポン!】

いよいよ全日本が登場しますね。

驚異的な組織プレーを見せるアルゼンチンや、
スター軍団イタリアの華麗なプレーに酔いしれた人も少なくないでしょう。
またあのフランスを破ってしまったセネガルに象徴される
アフリカ諸国のプレーヤーたちの身体能力の高さには感動を覚えます。

そんな連中を相手に、全日本はどこまで戦えるのでしょうか?
「勝ち点ゼロ」の悪夢を引きずるのか。
それとも屈辱の歴史にピリオドを打って、
世界に日本の「存在感」を示す歴史的なワールドカップにできるのか。
今日のベルギー戦はそれ占う最高の試合となるでしょう。

勝負事というのは本番がすべてです。

どんなにいい結果を練習試合で残しても、それはそれでしかない。
本番でどこまで力を発揮できるか、どうか。
それがすべてなのです。

残念ながら、私は今日の試合をリアルタイムで全部見ることができません。
仕事です。

しかしキックオフ開始から30分くらいまではなんとか試合が見られそうです。

負けるな 日本!

05月28日(水)

【新経済団体誕生!】

今日、日本経済団体連合会が誕生しました。
経団連と日経連が統合してできあがったものです。

初代会長に選ばれたのはトヨタ自動車の奥田碩会長でした。
トヨタは昨年、自動車販売台数でダイムラークライスラーグループを追い越して、
世界のトップ3入りを果たしました(1位GM、2位フォード)。

強いトヨタをつくりあげた奥田氏が財界のトップについた意義は小さくありません。

はっきりいって経団連は官庁以上に官僚的で、
日本の社会の中にあって、存在感をまったく失っていました。
民間の智恵と工夫を政策に強く反映させることができる唯一の存在であったにもかかわらず、
具体的にはなんの成果もあげえなかった。

耐えられないほどの存在の軽さをみせつけられてきた私にしてみれば、
耐用年数の過ぎた経団連が消え、
世界でもトップクラスの競争力をそなえた企業のトップが初代会長となった財界団体が
新たにスタートすることは素晴らしいことだと思えます。
もちろん、本当の評価はこれからです。

注目点はただひとつ、スピード感です。
議論はもういい。

ほんの少しとはいえ、ようやく浮揚しはじめた景気を大切に育て、
本格的な景気回復へとうながしていくために必要な政策を
スピーディーに、小泉政権に実行させられるか、どうか。

財界人らしく「論より証拠」でいってほしいものです。

05月21日(火)

【単行本をやっと脱稿しました!】

昨日、2年ごしで取り組んできた単行本を脱稿しました。
テーマも素材も、すべて私の思うとおりに書かせてもらった本です。
共同通信社から発刊されます。

担当編集者の期待を裏切り続けて1年半。
やっと書きあがりました。
経済ジャーナリストとして私が自分の目で確かめてきた
多くの組織の興亡について書きました。

無責任なマクロ経済分析に右往左往されていてはだめです。
いい会社はいくらもあるし、その一方でだめになる会社もいくらでもある。
問題は経営環境などではなく、
すでに寿命を迎えた過去のビジネスモデルを捨て去って、
新しい成長モデルを創れるかどうかにかかっています。

変われる組織と変われない組織。
どこが違うのか。

そんなことを具体的な事例を通じて書いています。
請う、ご期待!

05月13日(月)

【昨日のサンデープロジェクトに寺西正司頭取が出演しました】

昨日のサンデープロジェクトにUFJ銀行の寺西正司頭取が出演されました。

寺西氏は全銀協の会長でもありますが、
前会長の山本恵朗氏(旧富士銀行頭取)が
テレビ出演をすべて拒否したのとは対照的です。

トップ自身が情報公開にどれほどの熱意を持っているか。
私の企業を評価する際の第一条件はこれにつきます。

もちろんテレビに出演すればそれでいいなどと
短絡的なことを申しているわけではありませんが、
テレビほど正確に出演者の意思や考え、さらには人品骨柄にいたるまで、
出演者の存在を正しく伝えてくれる媒体はありません。

影響力が大きいためか、テレビを敬遠する経営者少なくありませんが、
社長自らが会社の顔となれないような人間は、
そもそも社長への就任要請を受諾してはいけません。

銀行界始まっていらいの最年少、
55歳の寺西頭取に対する期待は小さくありません。
年間1000億円以上といわれるほど、
三井住友銀行に収益力で大きな差をつけられているUFJ銀行の将来は
すべてこのヒトにかかっているといって間違いありません。

注目してください。

05月09日(木)

【再びツバメ返しなるか?!】

GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。

じつは今週、サンデープロジェクトの取材で新潟県に行ってきました。

洋食器で有名な燕(ツバメ)市は、
中国製品の大量輸入によって完膚なきまでに叩きのめされました。
円高のたびに、燕市は凄まじい合理化努力によって危機を跳ね返してきました。
地元には「ツバメ返し」などという言葉すら残っています。

しかし最近はその「ツバメ返し」がなりを潜めてしまいました。

洋食器や鍋、釜ではもう中国に太刀打ちができないからです。
しかし、それは燕市の死を意味しているわけではありません。

燕市ではいま、県の工業技術総合研究所と地元業者が一体となって、
地域のビジネスモデルをまるごと転換してしまえという壮大なプロジェクトが進んでいて、
世界に例のない素材のプレス加工技術の開発に成功しつつあります。

この様子は5月19日のサンデープロジェクトで放送予定ですので、
お時間のある方は是非、ご覧になってください。
WTOに加盟した中国の現状との比較のなかで、日本の製造業を考えるという特集です。

05月02日(木)

【女性よ大志をいだけ】

毎週木曜日の朝はFM東京の番組に「声」の出演をしています。

『柴田玲のシュープリーム』という番組です。
午前10時30分頃から10分ほどパーソナリティの柴田さんと
電話で会話をするという形式です。

今日のテーマは「女性の起業」でした。

私は女性の起業に大きな期待を寄せています。
「男は度胸、女は愛嬌」などと昔のヒトは言いましたが、
それはもうとんでもない大間違いで、
そっくりそのまま逆だとまでは言いませんが、
いまは「女は度胸」が日本の現状でしょう。
女性の方が男よりもはるかに割り切りがいい。
失敗したらどうしようという恐怖心を乗り越える強い精神力を持っているのは
男ではなく、女性ではないか。
そんなふうに私は考えているのですが、
その一方で、女性には大いなる欠陥があります。
それは志が低いことです。
女性の起業は手堅い反面、天井(=目標)が低すぎるというケースが目に付きます。
どうせやるなら「上場」を目標にするくらいの大志を抱いて欲しいものです。
クラーク博士は「少年よ大志をいだけ」と言いましたが、私はこう言いたい。
「女性よ大志をいだけ」
今日はそんな話をFM東京でしました。

GWも後半です。
単行本の原稿を書きつつ、ゆっくり休んでもみたい。
みなさんはどんなGWをおすごしでしょうか。

来週またお目にかかります。

04月24日(水)

【東京電力、怒り心頭のわけ】

昨日、東京電力の関係者と話をする機会がありました。

私は東電の人にどうしても聞きたいことがあったのです。
それは4月19日の定例記者会見で東電の南直哉社長が、
電力料金の引落しに関する事前テストを
みずほ銀行に繰り返し申し入れたにもかかわらず、
みずほ銀行に聞き入れてもらえなかったという発言に関するものでした。

これは尋常ではない。

そもそも東電という会社は、個別企業の良し悪しについて言及する会社ではありません。
社風がそうだということもできますが、
大規模な停電でも起こそうものなら、明日は我が身です。
いつ自分たちがみずほ銀行と同じ立場にたたされるかわからない。
それだけ公共性の強い会社だということです。

その東電が事前のテスト要請をみずほ銀行に拒否されていたことへの
不快感を記者会見で社長があらわにしたというのは、
東電の怒りが尋常ならざるものであったことを強く印象付けます。

いったいなぜ東電はそこまで怒っているのでしょうか。
関係者の話を聞いて、合点がいきました。

私たちがその月に使った電気料金がいくらになるか。
毎月、電力会社の社員が各家庭を回ってメーターをチェック(検針)していますが、
じつは検針だけが彼らの仕事ではありません。

もうひとつ重要な仕事があります。

それは、お客さんの銀行口座から引き落とした前月の電気料金の領収書を
各家庭に届けることなのです。
こうすれば領収書を郵送する手間もコストもはぶけます。
ところが、今回、それができなくなってしまったのです。
引落しができなければ、当然領収書は出せず、
検針時に持参することができない。
結局、東電の社員たちが休日返上で、
手作業で領収書を郵送しなければならない事態が起こってしまったのです。

東電向けの引落し未通知の件数は4月22日現在で70万件。
検針のついでにすべて完了していた仕事を、
莫大な郵送コストと莫大な人件費を新たにかけなければならなくなった!

だから東電は怒っているのです。

しかも事前のテスト要請を再三にわたって拒否されていたというのですから、
怒り心頭にたっするのも当然といっていいでしょう。

04月19日(金)

【2010年問題】

“2010年問題”を御存知ですか?

コンピュータの年号の読み取りが問題になった“2000年問題”とはまったく無縁です。
“2010年問題”とは、戦後のベビーブーム世代である「団塊の世代」が、
大量にリタイアすることによって発生する人手不足問題のことです。

さすがといえばさすがで、カルロス・ゴーン氏はすでに、
日産自動車社内で“2010年問題”への対応策を練らせているといいます。
不況で人員合理化ばかりが話題になっている現状からは、なかなか想像しがたい問題ですが、
足元の動きばかりに目を奪われがちな世間とは一線を画し、
5年、10年先まで視野に入れているカルロス・ゴーン氏。

2010年問題に日本企業はどう対処したらいいのでしょうか。
答えは簡単です。

外国人労働者に頼る必要などもうとうない。
日本には有能で、やる気もありながら、
その能力を十分に発揮できずにいる女性がごまんといます。

彼女たちの心をいちはやくつかむ企業はどこか。
それが2010年問題を克服するための最善策だと私は考えます。
違いますか?

04月10日(火)

【みずほ銀行のシステム障害は“システム”の問題ではない!】

送金ができない、通帳への書き込みが出来ない、
口座振替が出来ない、二重の引き落としがされる・・・。

みずほ銀行のシステム障害がおこって今日で10日目になります。
毎月10日は各種カードの決済日が集中する日であるばかりか、
東京都の職員たちの給与振り込み日でもあります。
万が一、給与振り込みに重大な支障が生じたとすれば、
東京都の石原都知事も黙っていないでしょう。

大手行への外形標準課税の是非をめぐる裁判で東京地裁から「違法」とされた直後でもあり、
「ごめんなさい」と社長が頭を下げればそれで済むほど話は単純ではありません。

また、今後の金融庁の監督責任も厳しく問われます。
みずからの批判を回避するために、より厳しい行政処分を下すのが
大蔵省時代からの金融庁の特長です。
みずほ銀行に下されるであろう行政処分が「業務改善命令」ではすまず、
「業務停止命令」といった最悪の事態も考えられなくはありません。

それにしても、なぜ、こんな事態に陥ってしまったのでしょうか。
私は今回のみずほ銀行の大失態を「システム障害」とは思っていません。
あきらかに「マネージメント障害」です。
2年間もの準備期間がありながら、これほどお粗末な事態を引き起こしてしまった原因は
システム上のテクニカルな問題などでは断じてありません。
銀行の預金者、利用者にとって、もっともいい選択は何かという基準に基づいて
システム管理上のベストな選択をしていさえすれば、
こんなことは絶対起こり得なかっただろう私は考えています。

みずほ銀行は統合の準備期間中、何がベストな選択か?ではなく、
とにかく三行の主導権争いに明け暮れてきました。
そのつけがそっくりそのまま決済システムに投影されてしまったのです。

今回、私が比較してしまうのは三井住友銀行の合併です。
サンデープロジェクトの特集で半年ほど取材をしましたが、
三井住友銀行ではなんと合併の1年前に、
他の部署に先行して旧住友銀行と旧さくら銀行のシステム部隊を
事実上合併させていたのです。
しかも旧行意識を解消するために、役員からのちょっかいは一切なしで、
机を並べた両行ののシステム部門の行員だけで
できる限り自己完結できるように配慮されたなかでシステム統合が進んだのです。

彼らが選んだ統合の方法は「片寄せ」方式でした。

統合のための新しいシステムを作るのではなく、
旧住友銀行と旧さくら銀行のどちらかいい方のシステムを使うと言うことです。
まったく新しいシステムオペレーションをするリスクと比べたら、
どれほど安全かわかりません。

みずほ銀行はここで失敗したのです。

旧行のシステムをそのまま残し、
それをつなぐ新しいシステムを開発するという方式を選択したのです。
三行による主導権争いのなれの果てです。

みずほ銀行の大失態は「システム障害」などでは断じてありません。
それは、「マネージメント障害」いがいのなにものでもないのです。

04月08日(月)

【事務所を引っ越しました】

7年近くお世話になった四谷界隈から、ちょっとおしゃれな南青山へのお引っ越しです。

最近では南青山というと、加藤紘一事務所の住所として連日マスコミに登場し、
すっかり悪印象になっていますが、立地の良さは誇れます。

じつはまだ片づかす、あたふたしていますが新オフィスのオープンを機に、
心機一転、頑張っていきます。

03月18日(月)

【なぜ、いま安全宣言がだされてしまうのでしょうか?】

鈴木宗男議員の証人喚問、離党勧告に揺れた先週、
とんでもないメッセージが柳沢伯夫金融担当大臣から発信されました。

もう銀行は大丈夫!

いわば事実上の銀行安全宣言が行われたのです。
厳しい特別検査を行い、その結果を4月に公表するとまでいっていたのに、
なぜ、いま安全宣言がだされてしまうのでしょうか?

私の個人的な認識
(個別銀行の倒産は今後も続くが、金融秩序の大混乱がくるようなことはない)
がどうであるかはともかく、
なぜ、唐突に銀行安全宣言がでてしまうのかについての説明はありません。

まあ、ペイオフ解禁を目前にして金融当局は出来ることはなんでもやってしまおうと、
お得意の口先介入をやってしまったということなのでしょう・・・やれやれ。

いったいなぜ東電はそこまで怒っているのでしょうか。
関係者の話を聞いて、合点がいきました。

03月14日(木)

【宗男バッシングの影で笑う人間をあぶりだせ】

思想信条からすると、鈴木宗男議員は私にとって天敵のような存在です。

しかし、「嫌悪」の対象だった宗男議員もいまや「哀れ」の対象となりました。
自民党の集金マシーンとして大活躍していたのに、
いざとなったら誰一人、助けてくれやしない。
事の是非はともかく、宗男議員を擁護してくれたのは歌手の松山千春氏ただひとり。

哀れなものです。

彼は外務省に寄生したたった一人の族議員であったために、
結果として、悪人ぶりが突出してしまいました。

宗男議員の常軌を逸した行動には多くの国民があきれ果てましたが、
程度の差こそあれ、族議員と役所、業者との関係はまったく同じ構図です。
哀れな男を吊るし上げることで、
自らの不正を目くらましにしている役人、国会議員たちがどれほどいるか。

宗男バッシングの影でほくそえんでいる役人、族議員どもをいかにしてあぶりだすか。
政治家と行政と業者のただれた関係をいかにして正常化するか。
それが本当の構造改革です。

03月07日(木)

【若ければいいのか?いいんです!】

激烈な生き残り競争の時代に突入したコンビニ業界であっと驚くトップ人陣がありました。
ローソンです。
新社長は43歳です。三菱商事から派遣された人物ですが、
これほど思い切った人事は日本の企業社会ではめったにお目にかかれません。
もっともなかにはこんな疑問をいだかれた方も少なくないのではないでしょうか。

「若ければいいのか?」
いいんです!若いだけでいいんです。

なぜなら改革を望む組織にとって、
最大の抵抗勢力は過去の成功体験に毒された人たちだからです。
日本経済が右肩上がりの時代にビジネスマンとしての経験値を積んできた人たちにとって
改革とは過去の成功体験を否定することであり、
それはまぎれもなく自己否定に通じます。

もちろん年来に関わらず、優秀な経営者は年齢のいかんにかかわらず、
自ら変化の起爆剤となりえるのですが、そうした人はきわめてまれです。
変化の時代には、過去の成功体験による呪縛がないだけでも、それは力なのです。

そういえば、日産のカルロス・ゴーン氏の年齢も来日時は四十代半ばでした。
だから構造改革ができたのです。

みずほ銀行は統合の準備期間中、何がベストな選択か?ではなく、
とにかく三行が主導権争いに明け暮れてきました。
そのつけがそっくりそのまま決済システムに投影されてしまったのです。

03月01日(金)

【「2月危機」はどこへいってしまったのでしょうか?】

今日から3月です。
そういえば「2月危機」はどこへいってしまったのでしょうか?

この国には現実の変化をしっかりと見ながら、モノをいう人が本当に少ない。
世の中に悲観論があふれていたら、
それをさらに助長することくらいしかできない人が多すぎます。
もちろんをそれをあおっているのはマスコミなのですが・・・。
楽観は禁物ですが、過ぎた悲観も禁物です。
あれだけマスコミが大騒ぎをした「2月危機」はどこへいってしまったのでしょうか?
残るは「3月危機」ですが、政府の無策や宗男国会の大混乱にもかかわらず、
株式市場は驚くべき回復を見せ始めました。
これがどこまで続くのか。
ハイテクを中心とすると民間企業の自立的な構造改革の進展によって
2002年度の日本経済はあきらかに今年度は違う力強さをみせるはずです。

また、今年度は「時価会計」の激震に銀行をはじめ多くの日本企業が直撃をうけました。
時価会計が適用されなかったら、「配当ができるか、できないか」などというほど、
メガバンクの決算が追い詰められることもなかったでしょう。
銀行を追い詰めた本当の正体は不良債権処理よりも、
むしろ「時価会計」だったといっても過言ではありません。
また半導体の市場が昨年12月を底に回復基調に入ってきたのも確実になってきました。

こうしたミクロの現実の変化をひとつずつ拾い上げていくと、
日本経済は悪いながらも、もっとも暗いところを抜けつつあるのではないか。
9000円台半ばからの日経平均の急反発をみていると、そんな気がしてきます。

もしもこのまま「3月危機」がこなかった時には、
そうした社会不安を煽り立てていた人たちはなんと申し開きするのでしょうか?
是非とも聞いてみたいものです。

02月27日(金)

【地震予知犬プロジェクト】

神戸ではいま奇想天外なプロジェクトが進んでいるそうです。

2月25日付東京新聞が伝えるところによれば「地震予知犬プロジェクト」。
神戸市の動物病院長、元市立動物園園長、そして獣医生理学者である3人の専門家が、
犬を使って地震予知ができないかというプロジェクトに本気で取り組んでいるというのです。

95年の阪神淡路大震災では、ペットの犬が4匹に1匹の割合で異常行動をみせました。
ナマズならぬ犬で地震を予知しようという取組みは、
学問の対象になりえないバカげたものとして
研究者は誰一人、相手にしてこなかった分野です。
しかし阪神大震災の惨事のなかで、科学者の目をひきつけたのは
非科学ところか未科学というべき犬や猫たちの異常行動でした。
遺伝子操作によって予知能力を高めた犬を開発する研究もあるそうです。
その是非はともかく、地震と動物たちの予知能力の研究、ちょっと面白いですよね。

02月22日(金)

【美味しいものをつくれば、はやるんですよね】

昨日、札幌に講演会で行きました。
摂氏3度。
地元の方は「今日はプラスだから(零度以下ではないという意味)温かい」
といっていましたが、東京の人間には十分すぎるほど寒い日でした。

私は以前からなにがなんでも食べに行きたかった札幌ラーメンのお店がありました。
「純連」という味噌ラーメンが美味いことで有名なお店です。
札幌から地下鉄南北線で真駒内方面に向かって6つ目の澄川という駅から歩いて5分。
旅行者にはとんでもなく不便な場所にあるラーメン屋ですが、ここは美味い。

本当に美味しいラーメンでした。

私は美味いものを食べるたび思うことがあります。
「美味い」ものを作りさえすれば、商売なんていくらでもできるのに、
なぜ、それをやらない店が世の中にはこんなにあるのだろうか、という疑問です。

努力不足、勉強不足です。

消費者が本当に喜んでくれる商品なのか、喜んでくれるサービスなのか。
繁盛する店と繁盛しないの店の差はそれだけですよね。
生活者起点!
札幌ラーメンを食べながらも、そんなことを考えてしまう私は仕事中毒かもしれません。

02月15日(金)

【清水、よくやった!】

毎度のことですが、スポーツのテレビ中継を見ていると、
無神経なレポーターどもに腹がたちます。

冬季オリンピック、スピードスケートの男子500メートルで
惜しくも金メダルを逸して銀メダルとなった清水宏保選手には、
多くの日本人が喝采を送ったことでしょう。
清水選手が常識をはるかに超えた過酷なトレーニングを積み重ねてきたことも、
今シーズンの前半、腰痛で満足に滑ることすらできなかったという
苦しい時期を乗り越えてきたことも、多くの日本人が知っています。

清水に金をとらせてやりたかった。と、多くの人がそう思ったに違いありません。

しかし、よくやったじゃないか。
よくここまできたじゃないか。

誰もが清水選手の気持ちをおもんばかるように、
テレビの向こうのレースを終えた清水選手にいたわるような視線を投げかけていたその時、
無神経なNHKのテレビレポーターが登場し、
まるで「なぜ、金メダルがとれなかったの?」といわんばかりの態度。

ご苦労様、と笑顔で清水選手をむかえるでもなく
銀メダルおめでとう、というでもなく、
まるでお通夜のような陰々滅々たる雰囲気で、
清水選手の落胆を煽るようなインタビューをしたのです。
お粗末せんばんでした。

どれだけ多くの視聴者が不快感を感じたでしょうか。

NHKだけではありません。民放もひどい。
スポーツの視聴率が高いのは、作り物ではない、本物だけがもつ圧倒的な魅力を、
スポーツというコンテンツが備えているからです。
あるいは、その競技にひたむきに打ち込む選手たちの
勝利にかけた壮絶なドラマに心を打たれるからでしょう。

ところが日本のテレビは、安易に騒いでスポーツ番組をふざけたものにしている。
スポーツ番組をお祭りにしなければ気がすまないのです。

視聴率を稼いでいるのは選手と競技じたいの魅力で、
キャスターでもリポーターでもくだらない演出でもない。

それがどうしてもわからないのでしょうか。

一般の視聴者がオリンピック中継に求めているものはなんなのか?
もう少し真面目に、真摯にマーケットをリサーチしてほしい。

02月12日(火)

【上海にいってきました!】

この連休を利用して上海にいってきました。
上海は一年ぶりです。

この街の変化の速度はあまりにも速く、一年も行かないと分けがわからなくなります。
今回の訪問で一番驚いたのはこの街が
日本にとってあきらかにマーケットになりつつあるということです。

ハウス食品が経営する“カリーハウス”のカツカレーはなんと日本円で600円。
スターバックスのカフェモカの値段は日本で買うのとほとんど同じなのです。

中国人の平均賃金をもとに、中国のすべてを語るのは大間違いです。
中国はまちがいなく日本からモノやサービスを
輸出することができるマーケットへと成長しつつあります。
平均賃金の安さにばかり目を奪われている人たちは、あきらかに被害妄想です。
中国は新たな市場として浮上してきました。
これいじょうのビジネスチャンスがありますか。
日々、変化をしつづける国の現実を自分の目でたしかめることもなく、
一般論としての中国脅威論に怯えているだけではいけません。

半年、長くとも一年に一度くらいは自分の目で中国を確かめに行ってください。
そうでなければ中国を語ってはいけません。

02月07日(木)

【業者行政の限界!】

食品業界で働く私の友人から、こんなメールがきました。
大変興味深い文章です。

雪印食品事件で、食品業界にはこんな笑い話がある。
「実は、あの牛肉は本当は国産牛なんです。
それが狂牛病問題で国産牛が売れなくなると踏んだ会社は外国産にラベルを替えた。
ところが国が国産牛を買い取ることになって
慌てて会社は元の表示に戻して買い取ってもらったんだ。」

その後の報道で、北海道産牛肉を熊本産にした「JAS法表示違反」まで飛び出した今、
会社の混乱ぶりからするとこんな冗談でも本気にしてしまいそうになる。
それほどまでに食品業界のいい加減さが消費者を裏切った事実を
我々は真剣に受け止めたい。

「さんまは目黒に限る」と行ったのは徳川吉宗であるが、
その食品がどこから来たのかにこだわりをもつ日本人にとっては
それが嘘でもおいしくいただけるものらしい。
「松阪牛」といっても本当に松阪で生まれ、育てられた牛はどれだけいるのであろう。
国産松茸は本物かどうか怪しくても、
なんとなく「国産」あるいは「地区」のイメージが大切になる。

昨年初めに魚沼コシヒカリが市場で急騰した。
これは4月からの新JAS法(表示と中身の一致)を控えて
今まで魚沼コシヒカリではない米を魚沼コシヒカリとして売っていた業者が
一斉に原料である「本物」の魚沼コシヒカリの買付けに走ったため。
それにつられて新潟コシヒカリ・秋田こまちも暴騰した。
表示をする前に産地段階で新潟の倉庫に他の県産のお米が集まっているという噂もある。
真実は不明だが……。

食品業界関係者はこう言っている。
「まじめにやっている業者が馬鹿を見る。
監督官庁も検査をしているが、本当に徹底的にやっていない。
業者も業者で官庁OBを入れたりしてうまくやろうとしている。
これでは昔の金融機関と変わりはありませんよ。
今は技術も進んでDNA鑑定もできるのだから不正には厳しい態度で臨んでほしい。
監督官庁ができないのであれば存在価値が問われることになりますよ。」

また他の業者からは、消費者への注文も聞いた。
「消費者の選択眼がこれから必要です。本当に自分の好きなものは何か。
産地にとらわれずに自分の目で選ぶことが必要です。
松阪牛と北海道牛の味の違い、魚沼コシと秋田こまちの違いがどこまでわかりますか。
値段ではなく、自分に合った買い物をしてもらいたいですね。
もちろん業者が正しい表示をきちんとすることが大前提です。」

結局、自分の身は自分で守らなければならないようだ。
業界の馴れ合い体質が打破され、透明な市場になっていくことを
我々が求めていく姿勢を貫くこと。
これが今回の雪印食品事件で得た教訓のような気がする。

02月06日(水)

【川口順子外相に私は期待しています】

アフガン復興会議でのNGO排除問題から始まった
外務省をめぐる大騒動によって、小泉政権の支持率は急落しました。

外国の要人とは会わない、テロ事件直後には米国の機密をマスコミに漏らしてしまう、
毎朝きちんと出勤せず、時には昼過ぎに出向く。
3年も前から予定されていた外務省の耐震工事のために、
本省すべてが芝公園に移転しても
「家から遠い」「国会から遠い」と低次元のわがままで、
自分だけは工事中の本省にい続ける。

いくら外務省改革に執念をもったといっても、
まともに仕事をしない上司のいうことなど誰もきいてくれません。

みなさんも自分の身の回りに置き換えて考えてください。
遅刻はするわ、仕事はしないわ、
それでいて部下の行状の悪さばかりを問題にする上司がいたら、
社内でどんな評価になるのか。
どんな正論をかかげても、まじめに働かない人間のいうことなど
聞いてもらえないのはどんな世界でも一緒なのです。

しかし、今度の一件で、田中真紀子氏が外相を更迭されるのは筋違いもはなはだしい。
鈴木宗男議員が明瞭な言葉にして「ピースウィンズを排除しろ」と
言ったかどうかは立証できないにしても、
外務官僚が鈴木氏の意向にそうカタチで動いたことだけは明らかです。
しかも外務官僚はNGO排除という重大問題を、
最高責任者である真紀子外相の意向をうかがうことはもちろん、
報告すらしていなかったのです。

これは外務官僚の反乱です。

官僚は大臣の指示にしたがって動くべき存在であり、
国会で大臣の発言を否定するような所業はあってはならないことです。
その意味では、今回の真紀子更迭はまったく理屈にあいません。

しかし、いま大切なことは、国益を守ることです。
国益を最大化するためには、外務省を徹底的に改革することです。
外務省にとっては、この危機こそ、最大にして最後のチャンスです。
ここで変われば、過去の不幸がいきてくるし、ここでだめなら雪印の二の舞です。

後任の川口順子外相に私は期待しています。
今日の毎日新聞が小さく報じていましたが、
外務省は昨日、これまで非公開としてきたプール金の詳細を公表しました。
ホテル代やハイヤー料金の水増し請求で、どこの課がどれだけ隠し金をためこんでいたのか。
これまでは2億400万円と総額しか公表されていませんでしたが
その詳細を明らかにしたのです。

じつは改革の第一歩は情報公開です。
いや、第一歩ではなく、情報公開こそが改革における
最大のドライビング・フォース(推進力)なのです。
たしかに希代の個性派大臣とくらべれば、川口外相は地味ですが、
その手法はきわめてただしい。

川口外相は省内でこういったそうです。
「不祥事があるならいますぐにいいなさい。後から出てきたら許さない」
これはいまや全国の地方自治体改革の手本となっている
三重県の改革が始まったときとそっくりです。

三重県の改革が劇的に進んだきっかけはカラ出張事件でした。
北川知事はその時、県の職員にむかって「全部吐き出せ」と指示しました。
「いまなら、職員全員でその責めを負う。
しかし後から発覚した時には、個人ですべての責任をとらせる」
三重県ではカラ出張で使い込んだ税金を、役職別に金額を決めて、
いまでも職員全員で払い続けています。
しかし、大切なことは、そうした懲罰的処置にあるわけではなく、
これをきっかけに三重県は行政のすべてをガラス張りにしたことです。

三重県では「情報公開」の時代はすでに終わりました。
「生活者起点」というキーコンセプトによって職員全員の意識改革に取り組んだ結果、
三重県では「情報公開」というのはいかにも
お上が下々の者に情報をみせてやるというニュアンスでよくないということになり、
いまでは「情報公開」ではなく「情報共有」という表現を使うまでになりました。

カラ出張事件で県民の信頼がどん底におちたところを、改革への転機とした三重県。
川口外相にもぜひそれをみならってほしいものです。

02月04日(月)

【このようなサービスはいかがでしょうか】

2月1日(金)にアップしたエッセイをご覧になった方から
レスポンスをいただきました。大変ユニークなご提案です。
いかがでしょうか?

以下ご提案メール−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

私も様々なサービスが提供されることを望みます。
需要はナンボでもあります。
私個人としては、例えば下記です。

−「プチお抱えハイヤー」−−−−−−−−−−−−−
1ヶ月1万円〜2万円程度の定額で契約し、
自宅から2km以内での乗り降りを自由に行える。
電話をかければ、何時でも来てもらえる。といったサービス。

利用する背景(動機)としては
「マイカーを保有するのを止めても、
日常の買い物や重い荷物を持っての駅への移動(家族の送り迎え)に
困らないで済む」ということです。
私は都内のマンションに住んでおり、駐車場代が月2万5千円、
自動車に乗るのは週末の買い物だけ。
不経済なので、自動車のリースやレンタカーの定期券といったものも
色々見てみましたが、値段的に折り合いがついてません。
利用回数やトータルの利用距離などに制限を設け、
それを超えたら別料金というのでも良いので、
どこかのタクシー会社で提供して欲しいものです。

−「近道専用タクシー」−−−−−−−−−−−−−−
主に鉄道の路線間や空港との接続が悪い駅間を
固定料金で送迎するサービス。 時間短縮がポイント。
今までの料金では利用しないが、
相乗りで1人あたりワンメータ(可能ならバス料金200円相当)で提供されるなら利用します。
バスだと余計なところに停車して遅いし、今のタクシーだと高いし、
という隙間のサービスです。

02月01日(金)

【「タクシーを利用したい」ともっと思わせてほしい!】

改正道路運送法が2月1日から施行され、今日からタクシーの自由化が始まりました。
規制でがんじがらめのタクシー業界がこれまでおかしてきた決定的なまちがいは、
遠距離低減制がなかったことです。

JRだってそうでしょう。
普通は遠くなればなるほど、割引が増えるというのが常識でしょう。
ところがタクシーにはそれがない。
その結果、ばかみたいに高い料金になってしまいます。

出発日によっては、全国どこでも1万円でいけるサービスを航空会社が提供する時代に、
羽田から自宅までタクシーに乗ったら1万円を越えてしまうようなサービスしか
提供していないからタクシー業界は苦しくなっているのです。

そんななか、さすが大阪!
料金が5000円を越えたら、その先の料金は5割引という新運賃を
近畿運輸極に申請したタクシー会社が現れました。
これまで1万円だった料金は7500円になります。

個人的には長距離のお客さんにはもっと割引して欲しいという気持ちもありますが、
大変素晴らしい。
初乗り料金を少し下げるといった程度では、需要喚起など絶対にできません。
「タクシーを利用したい」
と多くの人に思い起こさせるような新料金や新サービスを次々と生み出して欲しいものです。

01月30日(水)

【今回の混乱はレベルが低すぎた】

田中外相、野上次官をともに更迭し、
あわせて鈴木宗男氏にも議運委員長も辞任させるという意外な結末で、
NGO排除問題は決着を見ました。

いろんな感想があると思いますが、
外相と外務官僚による日常的な低次元の小競り合いによって、
日本の外交が機能不全に陥っていた状況が好転することだけはまちがいありません。

それにしても今回の混乱はレベルが低すぎます。
小沢一郎の言う「こんなお粗末は国会は世界に例がない」とはまさに至言でした。

01月24日(木)

【雪印という会社そのものの犯罪です】

雪印食品が外国産の牛肉を国内産と偽った事件をきっかけに、
大手スーパーなどでは、雪印の商品を撤去し始めました。

たった一年前に1万3000人をこえる発症者をだした
史上まれに見る大食中毒事件を引起こしたあの雪印乳業の子会社です。

事件の公表を遅らせ、製品の回収をおくらせたことによって
被害を拡大したとして、当時の石川社長が書類送検された、
あの雪印乳業の子会社が引起こした悪質きわまる犯罪です。
狂牛病にくるしむ牛肉関連業界が何とか立ち直ろうとしているなかでの
卑劣きわまる行為です。

私もいつも言っているのですが、企業は理念です。

社会の中でどんな役割をはたすことで存在していくのか。
明確な理念をかかげ、かつ、それを多くの社員がその理念を
どこまで深い思いとして共有できるか。
それが企業の存在価値を決めていくのです。

雪印という会社は、腐りきっていますね。
この世に存在する価値のない会社ですね。

あれほどの事件と引起こした後で、こんな卑劣な行為を抑止できなかったのは、
個人のモラルの域を越えています。
直接指揮をとった雪印食品のミートセンター長は言語道断ですが、
そんな犯罪の手助けにおうじた社員個人のモラルにも私は目をつぶれません。

雪印という会社そのものの犯罪です。

金融業界ならいざ知らず、製造業でこれほど悪質な社風の会社はみた事がない。
倒産に追い込まれても致し方ない、といわざるを得ません。

01月21日(月)

【ゼネコンはどうする?】

ダイエーの再建の枠組みが決まった。

つぶせばいいという、きわめて短絡的な不良債権処理の議論から抜け出して、
国民経済的にもっとも効率的な判断がくだされたという点で、
私は大いに評価をしています。
ダイエーの先行きにめどがついたとなると、
次の関心事はいやおうなしにゼネコンへとむけられていくでしょう。

株価が10円台、20円台のゼネコンをどう処理すべきなのでしょうか。
今回のダイエーをモデルに救済すべきなのでしょうか。

私の考えはまったくNOです。

国土交通省には破綻ゼネコンを再編成するリーダーシップはまったく期待できず、
その一方で佐藤工業や熊谷組など、債権放棄をうけたゼネコンによるダンピングで、
建設市場は大混乱に陥っているからです。
民事再生法ももってのほかです。
経営責任もとらぬまま借金棒引きで生き返った会社が
「今日からうちは無借金経営です。現金商売でいきますよ」と
同業他社をだしぬいている現実は、百害あって一理なしです。

自己責任で頑張っている会社がバカを見る。

債権放棄で息を吹き返したり、
倒産した会社が借金棒引きで即座に生き返ったゾンビゼネコンが、
建設業界の市場価格を不当に値崩れさせ、
結果として業界全体が沈没しかかっている現状をみれば、
あるべき結論はあきらかです。

破綻ゼネコンは清算処理するしかありません。

それがどうしても嫌だというなら、
ゼネコンの数を3分の1、あるいは4分の1にするくらいの
ドラスチックな再編成をすべきです。
それいがいの選択肢はありえません。

01月16日(水)

【ダイエーの現状】

昨年9月にマイカルが倒産した時も、
また青木建設が法的整理に追い込まれた時も、
小泉首相は「構造改革がすすんでいる証拠」とコメントしましたが、
それは違う。
私は小泉政権の構造改革の思想にはいささかも異論はありませんが、
これら2社の倒産は構造改革でもなんでもない。
株の暴落と銀行の思惑だけで倒産したにすぎません。
いってみれば政府がまったく預かり知らぬところで、
過剰債務企業が無秩序にバタバタ倒れ始めたというだけです。

構造改革というなら、銀行の不良債権処理は
産業再生と一体でなければなりません。
銀行に不良債権処理を強制する一方で、
建設、不動産、流通といった問題業界を
合併等で強制的に再編制していくのが政府の役割です。
産業再生の思想のない不良債権処理は社会の混乱を助長するだけなのです。

ダイエーをめぐる混乱は限度を越えていました。
長崎屋、マイカルの連続倒産によって
スーパーに商品を納入している業者たちの不信感はピークに達しています。

ダイエーに衣料品を納入しているある大手企業などは、
売り場に黒いビニール袋を隠し持ち、
いざ倒産というときには、商品をそのビニール袋に詰め込んで
いっせいに引き上げる準備をしています。
マイカルが先日8割引セールをやりましたが、
この衣料品業者は怒り心頭の様子でこう語ったそうです。
「ただ同然で売っている品物はうちのものだ。
 代金も商品とりっぱぐれ、あげくのはてに8割引セール。詐欺ですよ」

またある食品関係の納入業者はダイエーが倒産した時にどれだけの損失がでるか、
毎日、計算しているといいます。
記者会見で読み上げるコメントもすでに書きあがっており、
あとはダイエーが倒産した日の損失額を
そこに書き入れればいいようになっていると話していました。

これはダイエーの経営がそれほど悪いというよりも、
長崎屋、そごう、マイカルと続いた無秩序な連続倒産が
納入業者を震え上がらせた結果なのです。
長い目で見れば、2兆3000億円の有利子負債を
1兆円程度に圧縮できるだけの資産をダイエーはもっています。
時間的な猶予さえ与えてやれば、納入業者におびただしい血を流させずにすむのですから、
ダイエーを支えることの意義はきわめて大きいのです。

ダイエーはつぶしてはなりません。

さらにいえば、納入業者に広がる不安の連鎖を断ち切るためにも、
主力銀行が債務の株式化によってダイエーを支えていくという方向感は
きわめて正しいと思います。

ただし、ここまでダイエーを追い込んだ中内功氏に対する責任追及は
厳しく行われてしかるべきです。
それは中内氏が経営判断を間違えたからでありません。
自力再建を目差して本格的な構造改革に着手した鳥羽社長時代、
改革の足を引っ張りつづけた責任です。
それはもう万死に値する。
気の毒だし、失礼せんばんな表現ですが、中内さんの責任はそれほど重いのです。
主力銀行団が旧経営陣の責任追及を口にするのは当然のことでしょう。

01月07日(月)

【頑張りましょう!】

新年明けましておめでとうございます。

今年はハードな1年になります。
なぜなら銀行がいよいよハードランディングを覚悟したからです。
私が信頼するあるバンカーは
「メガバンクに残された体力はあと1年。三菱東京がプラス1年。
銀行の体力はもはや限度いっぱいまできてしまった」
というのです。

おそらくその通りでしょう。

みずほとUFJはそれぞれ2兆円、三井住友銀行は1兆円もの
不良債権処理を行うことをきめました。
銀行の実態を知らない人たちのなかには、
もっと不良債権処理の速度を上げろなどと、
いまだに指摘をしているようですが、
それはあまりにも銀行の実態を知らなすぎます。
銀行の体力はもう限界です。
ったということです。

今年は倒産が激増するでしょう。

だがハードランディングそれじたいを恐れる必要なまったくありません。
問題は日本経済がハードランディングそれ自体ではなく、
ハードランディングに対して、しっかりとした構えができているか、どうかなのです。

そのプロセスでは大銀行が倒産するといったショッキングな事態もあるかもしれません。
ゼネコンや流通業界で大きな倒産が起こるかもしれません。
しかしそれは、問題先送りによって事態をさらに悪化させるという、
これまでの悪循環が断ち切られることいがいの何ものでもありません。

ハードランディングの衝撃に耐えてこそ、明るい未来が開けるのです。

いま私たちに求められているのは自主独立の精神です。
無責任な悲観論に踊らされることなく、
「自分の城は自分で守る」という強い意志をもっていさえすれば、
日本経済のハードランディングは危機どころか百年に一度のチャンスとなります。

頑張りましょう!

今年こそ、日本復活の足がかりの年にしたいものです。

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