財部誠一 HARVEYROAD JAPAN オフィシャルサイト

ロンドン郊外の閑静な住宅街を抜けるHarveyroad Streetには多くの著名人の住居が立ち並んでいます。かの有名な経済学者ケインズもここに居を構えていました。

民間需要の低迷著しい不況からの脱出には、国の「公共投資」を通じた積極的な需要創出がもっとも効果的であると提唱したのがケインズです。しかしケインズは公共投資なら何をやってもよいとしたわけではありません。景気回復という本来の目的を達成するには、いかなる公共投資が最も効果的な政策になりえるのか。それを正しく見きわめられる、賢人たちの存在なしには、効果的な公共投資はできないとケインズは考えていました。中立、公正な賢人の存在。それをケインズが住んでいた地名にちなんで"Harveyroadの前提"と言います。

90年代なかば、私の周囲には、不良債権問題に対して深い憂慮を抱き、そうならぬように抜本的な処理を急ぐべきだと考える日銀関係者や金融マンがいました。立場を離れ、仕事を離れ、不良債権問題の解決や日本経済の先行きに対して、意味のある政策提言ができないか。そんな問題意識をもった仲間とともに、立ち上げたのがHarveyroad Japanの始まりでした。私も含めみな30代で「賢人」には程遠い存在でしたが、心意気だけはそうありたいものと願ってのネーミングでした。

もちろんその思いだけはいまも堅持しています。

さまざまなメディアを通じて、その時々に求められる日本の経済政策をタイムリーに発信しながら、将来必要な変化を具現化していくことにこそHarveyroad Japanの存在意義があると考えています。

日本という国は政治家も官僚もそしてメディアも国際競争から無縁の存在です。企業が熾烈な国際競争を生き抜いてきたこととは対照的に、日本の政策立案や世論形成に重大な影響力を持つ者たちが情報過疎の状況にあります。

2000年以降の世界の変化をより正確に伝えるために、私たちHarveyroad Japanは、繰り返し現地に足を運ぶ努力を続けてきました。BRICsは象徴的でした。ブラジル、ロシア、インド、中国。21世紀の世界に決定的な影響力をもつこれら新興国についても日本は情報過疎状態にあります。変転してやまず、一方的な思い込みや過去の個人的な経験にもとづいてBRICsを語ることほど危険きわまりないことはありませんが、日本ではそれがごく普通にまかり通ってしまいます。

世界を語らずに、アジアを語らずに、日本の未来はありえません。しかし世界の情報、アジアの情報、そして日本経済の本当の姿を、現実に即して伝えることを通じて、私たちは日本の未来が少しでも明るいものになるよう努力をしていきたいと考えています。